省エネ基準適合義務化とは?2025年4月の改正内容と工務店が取るべき対応を解説
現在、建設業界で賃上げの流れが加速しています。国土交通省は、賃上げした企業を総合評価落札方式の入札で優遇する制度を導入し、大手企業を中心に賃上げを表明している状態です。
しかし中小工務店経営者の中には、「公共工事に参加しないから賃上げするメリットがない」「賃上げする余裕がない」と考えて、賃上げに積極的でない方もいるでしょう。
本記事では、建設業界における賃上げの現状、公共工事を受注しない工務店も賃上げをおこなうべき理由や賃上げをおこなう方法を解説します。
INDEX
業界と国を挙げて建設業界で働く方の賃金を引き上げる気運が高まっています。業界全体の賃上げ動向を知りたい方に、業界大手の動きと国土交通省の施策を解説します。
業界大手4社は次の通り3%の賃上げを発表しています。
●清水建設株式会社:従業員一人当たり平均で前年度比3%以上の賃上げを実施
【参考】2022年度の賃金引き上げについて-お知らせ
●鹿島建設株式会社:従業員一人当たりの給与等平均受給額を前年度比3%以上引上げ
【参考】2022年度賃金引上げについて-お知らせ
●株式会社大林組:定期昇給に加え、約3.7%の賃上げを実施
【参考】大林組は3.7%の賃上げを実施-ニュース
●大成建設株式会社:社員の賃金を5年ぶりに3%超引上げ
【参考】大成建設、5年ぶり3%超賃上げへ 人手不足の改善図る-日本経済新聞
業界大手4社が賃上げを主導しており、会社によっては初任給の引上げも発表しています。
国土交通省は、賃上げ実施企業を総合評価落札方式の入札において優遇する措置を導入しました。優遇措置とは、総合評価落札方式の入札での点数加算です。
優遇される条件は、次のように大企業と中小企業で異なります。
●大企業:3%以上の賃上げ
●中小企業:1.5%以上の賃上げ
※中小企業の定義は、法人税法の基準を用いており「資本金が1億円以下で、法人税率が19%以下の法人」を中小企業としています。
【参考】【総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置について QA集】-中部地方整備局
賃上げ加算点は、加点全体の5%以上の整数となるように配点されます。例えば従来の加算点が60点の工事に、賃上げ加算点が加えられた場合、加算点の合計を求める式は次の通りです。
●従来の加算点60点+賃上げ加算点4点とし加算点合計64点満点(4点/64点=約6%)
【参考】総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置、ペナルティの流れ-国土交通省
ただし財務省より通知を受けてから1年間の間に、賃上げを実施できない場合は、賃上げにより加点させる割合よりも大きな割合の減点がなされるため、注意が必要です。
これまでの説明から賃上げをおこなうメリットは、国土交通省が発注する公共工事を受注する会社にしかないように思われます。しかし、以下2つの理由から国土交通省が発注する工事を受注しない工務店でも賃上げをおこなうべきです。
1つ目の理由が、人材の流出防止です。業界全体で賃上げがおこなわれると。賃上げをおこなっていない企業の賃金が相対的に低くなります。
他社よりも賃金が低ければ、従業員の転職により人材が他社に流出する可能性が高いです。
「A社とB社は賃上げしたのに、自社の給料は据え置き」といった状況に従業員が気付いてしまうと、従業員が会社に不信感を抱き、転職を考えるきっかけとなるでしょう。
また人材の流出は、仕事のできる従業員からはじまると言われています。そのため、戦力となっている人材から流出するため、徐々に仕事が回らなくなるでしょう。
人材が流出すると長期的に業績が下がり、会社が立ち行かなくなることも考えられます。国土交通省の工事を受注する・しないにかかわらず、賃上げの判断は慎重におこないましょう。
また建設業の人手不足になる理由を知りたい方は、人手不足の原因と対策を解説している記事をご確認ください。
2つ目の理由は、求職者へのアピールとなるためです。現在は業界全体で賃上げをおこなう流れとなっています。賃上げをおこなわず給与水準の低い会社は、求職者から選ばれず人材の確保に苦労するでしょう。
また大手企業の中には、初任給の引上げを表明している会社もあり、初任給引上げの流れも業界全体に波及する可能性があります。求職者からすると、初任給を引上げ給与水準の高い会社は魅力的に映り、賃上げをしない・できない給与水準の低い会社は魅力的に映りません。
求職者に選ばれない会社は、新しい人材の確保が難しくなり、将来の業績悪化や担い手不足など会社に悪影響を及ぼします。他社や他業界に人材獲得競争で負けないためにも、賃上げをおこない求職者から選ばれる会社になりましょう。
国土交通省の工事を受注しない中小工務店においても賃上げをおこなうべき理由は理解いただけたと思います。しかし「自社には賃上げをおこなう余裕がない」と悩んでいる経営者もいるでしょう。
そのような方に、賃上げをおこなうための方法を5つ紹介します。
1つ目の方法は、業務の効率化です。業務の効率化には次の効果が期待できます。
●残業時間が減り、残業代が削減される
●複数人でおこなっていた作業を1人でこなせるようになり、人件費が減らせる
また2024年4月1日より時間外労働の上限規制が始まるため、業務効率化による労働時間の削減は急務です。
しかし「業務効率化と言っても、どこから手を付ければいいかわからない」と悩む方もいるでしょう。おすすめの業務効率化の方法は、建設業・工務店向けの業務効率化システムの導入です。
建設業・工務店向けの業務効率化システムは、建設業に欠かせない以下の業務を効率化できるシステムです。
●顧客管理
●見積り作成
●原価管理
●工程管理
●アフター管理
従来は、アナログでおこなっていた業務をデジタル化します。また現在は、クラウド型のシステムが主流で、ネット環境が整っていれば、現場や営業先など場所を選ばずにシステムに登録されている情報の確認が可能です。
2つ目の方法は、受注金額の見直しです。安易な値引きを避け、適正な金額での受注を目指しましょう。また現在は以下要因で、工事原価が上昇しており受注金額の見直しは急務です。
●人手不足による労務費の増加
●歴史的な円安
●ウッドショック
●ロシアによるウクライナ侵攻
価格転嫁が進まなければ、工務店は利益を削って受注することになります。どこかのタイミングで施主様にもコストアップの負担をお願いし、適正な利益率を維持しなければ賃上げ前に倒産する可能性も高いです。
3つ目の方法は、発注単価の見直しです。協力業者への発注単価は、常に適正価格なのかを意識しましょう。
過去の発注単価や他現場の単価を確認し、理由がなく単価が高くなっている場合は協力業者へ確認の上、値下げの検討が必要です。
ただし、あまりに無理な値下げ依頼をすると協力業者が離れる可能性があるため、度を超えた値下げは避けましょう。
4つ目の方法は、仕入れルートの見直しです。具体的には、余分な仲介業者を介さない仕入れルートを構築できないか検討しましょう。
協力業者の中には、マージンを数%上乗せした金額で仕事を右から左へ流している会社もいます。そのような会社が仕入れルートに入っていると、仕入れ金額が高くなるだけでメリットは何もありません。
そのため仕入れルートを見直し、余計な仲介業者が入らない仕入れルートの構築をけんとうしてください。
5つ目の方法は、不要な経費の削減です。不要な経費とは、主に以下を指します。
●読んでいない新聞・雑誌
●使用していないツール
●付き合いで契約している保険
上記のような費用は継続的に発生するため、月々の支払いは少額でも年間を通すと、数万円〜数十万円になることも珍しくありません。従業員の少ない会社であれば、不要な経費を削減するだけで賃上げの原資を確保できる可能性もあります。
月々かかる費用を洗い出し、不要な経費は削減しましょう。
工務店の利益率の改善におすすめする業務効率化システムは『AnyONE』です。AnyONEは、工務店・リフォーム会社向けの業務効率化システムで、以下の工務店業務全般に対応しています。
【AnyONEの機能】
顧客管理
帳票管理
工事管理
物件管理
実行予算管理
支払い管理
請求・入金管理
図面・写真管理
アフター・メンテナンス管理
特にAnyONEは、情報を一元管理しているため、工事にかかるお金の流れを簡単に把握できます。見積り作成から工事代金入金まで1つの業務でおこなえるため、原価が増えた要因や利益率が落ちた原因をすぐに突き止めることが可能です。
またエクセルとの親和性が高く、エクセルで管理していた顧客情報や工事情報はAnyONEに移行できます。AnyONEに情報を集約できるため、今まで蓄積してきたデータを有効活用でき、AnyONEとエクセルを使い分ける手間もかかりません。
本記事では、建設業界における賃上げの現状や中小工務店でも賃上げをおこなうべき理由、中小工務店が賃上げをおこなう5つの方法について解説しました。
国土交通省が発注する工事を受注しない中小工務店であっても、人材確保の観点から賃上げはおこなうべきです。賃上げする余裕がない場合は、本記事で紹介した5つの方法を実践してください。
また最もおすすめする賃上げの原資を確保する方法は、建設業・工務店向けの業務効率化システム導入による業務の効率化です。業務効率化システムは、建設業の業務を効率的におこなう機能が備わっており、あらゆる業務の生産性を向上させます。
自社にとって最適なシステムを選ぶためには、複数システムの比較検討が欠かせません。下記の資料では、複数システムとの比較検討をおこなっています。システムを検討する際にご活用ください。
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