【工務店】その下請契約、違法かも?取適法(新下請法)と支払いサイト60日義務化のリスク
工務店経営者や現場責任者の皆様にとって、避けては通れない「2027年問題」が迫っています。
「2027年問題」とは、経済産業省が定める「新省エネ基準」の目標年度が2027年に設定されていることにより、エアコンの価格高騰や既存モデルの修理不能といった事態が懸念されている問題です。
本記事では、プロの視点から2027年問題の正体を分かりやすく解説し、工務店が直面する経営リスクと、それを回避するための「設備管理」の重要性について詳しくお伝えします。
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「エアコン2027年問題」とは、一言で言えば「2027年度を目標に、エアコンの省エネ基準が大幅に引き上げられること」に伴う一連の混乱を指します。
これまで普及していた安価なモデルが市場から消えたり、メンテナンス体制が変わったりするため、住宅業界全体に大きな影響を及ぼします。

この問題の背景にあるのは、日本の省エネ政策である「トップランナー制度」です。これは、現在市場に出回っている製品の中で最も効率が良いものを基準(トップランナー)とし、数年後の目標値を設定する仕組みです。
2022年に策定された新基準により、2027年度を目標年度として、エアコンのエネルギー消費効率を約17%改善することがメーカーに義務付けられました。これにより、これまでの「並の性能」のエアコンは、2027年以降は販売できなくなる可能性が高いのです。
今回の規制で特に注目すべきは、これまで基準が緩やかだった「壁掛け型エアコン(家庭用・小容量タイプ)」が主対象となっている点です。
評価指標として用いられるのがAPF(通年エネルギー消費効率)です。
APFとは、1年を通してある一定の条件で運転した時の消費電力1kWhあたりの冷暖房能力。
新基準では、このAPFの計算式もより実態に近いものへ見直されており、メーカーはより高度な技術(インバーター性能の向上や冷媒の変更など)を投入せざるを得ません。
その結果、開発コストが販売価格に跳ね返ることが確実視されています。
2027年問題は、単なる「家電の買い替え」の問題ではありません。
住宅を供給する工務店にとっては、利益率や顧客満足度を左右する重大な経営リスクとなります。

最も直接的な影響は、仕入れ価格の上昇です。
高い省エネ性能を実現するためには、より高価な熱交換器や電子部品が必要になります。業界の予測では、現行の普及モデルと比較して本体価格が10%〜30%程度上昇すると言われています。
「これまでの坪単価に含まれていたエアコン代」では収まらなくなり、見積もりの見直しや施主への説明に苦慮する場面が増えるでしょう。
2027年の切り替わり時期には、駆け込み需要が発生することが予想されます。
しかし、建設業界全体を襲っている「2024年問題(物流・労働時間規制)」の影響もあり、エアコンの設置職人は慢性的に不足しています。
「本体はあるのに取り付ける職人がいない」
「新基準機への対応で工事が複雑化し、予定通りに終わらない」
こうした事態は、最終的な「引き渡し遅延」に直結します。
2027年以降、旧基準のエアコンは順次生産終了となります。メーカーの部品保有期間(通常10年前後)が過ぎれば、当然修理はできません。
特に懸念されるのが、「施主から『5年前に建てた家のエアコンが直せないと言われた』とクレームが入る」ケースです。
代替機を提案しようにも、新基準機はサイズが大きくなっていたり、配管仕様が異なったりする場合があり、スムーズな交換ができないリスクもあります。
これらのリスクを回避するために、今、工務店に求められているのは「売って終わり」ではない「設備の情報管理」です。
「どの家の、どの部屋に、どのメーカーの、どの型番のエアコンを設置したか」を即座に答えられますか?
もし、これが紙の台帳や担当者の記憶に頼っている状態だと、以下のようなトラブルが発生します。
2027年問題を逆手に取れば、「攻めのアフターフォロー」による信頼獲得のチャンスにもなります。
設置から10年近く経過している住戸をリストアップし、修理不能になる前に省エネ性の高い新基準機への交換を提案する。
これを実現するためには、属人的な管理を脱し、組織として設備情報をデジタル化する必要があります。
工務店専用の基幹システムAnyONEを活用すれば、2027年問題に伴う煩雑な管理業務を劇的に効率化し、経営リスクを強みに変えることができます。

AnyONEでは、物件ごとに設置したエアコンのメーカー、型番、製造番号、保証期間を簡単に紐付けて管理できます。
現場で撮影した保証書の写真などもクラウド上に保存できるため、「あの家のエアコン、何だっけ?」という確認作業がゼロになります。
設置から一定期間が経過した際に、自動でアラートを出す設定が可能です。
2027年を前に、「旧基準機をお使いの方へ、修理対応期間終了のお知らせと買い替えキャンペーン」といった案内を、適切なタイミングでピンポイントに送付できます。これにより、他社への顧客流出を防ぎ、リフォーム受注に繋げられます。
「当時の担当者が辞めてしまって詳細がわからない」というのは、多くの工務店が抱える悩みです。
AnyONEなら、過去の打ち合わせ経緯から設置履歴、修理履歴まですべて一元化されているため、誰でも同じクオリティの顧客対応が可能になります。職人不足で多忙な現場監督の負担を減らし、事務スタッフでも正確な回答ができる体制を構築できます。
香川県の株式会社大河内工務店では、以前使用していたソフトのサポート終了を機にAnyONEを導入しました。現在は顧客管理やアフター管理を中心に活用しており、将来的には見積もり、実行予算、発注、支払い、請求まで、すべての業務情報をAnyONEで一気通貫して管理し、業務効率化を図る予定です。
特に重宝しているのがアフター機能です。
定期点検に該当するお客様を簡単にリストアップでき、そのままハガキの住所印刷やラベル印刷ができるため非常に便利だと感じています。
また、顧客管理では「カスタム仕様」を活用し、自社に合わせてアンケート集計結果などの項目を自由に追加しています。登録後は条件に合うお客様を検索機能で簡単にリストアップできるため、イベント管理機能と合わせて集客管理などにも役立てています。
詳しくは、「顧客管理とアフター管理を中心にAnyONEを活用。 顧客ニーズに柔軟な対応を。」をご覧ください。
2027年問題は、単なるエアコンの仕様変更ではありません。工務店にとっては「仕入れコストの上昇」「引き渡し遅延のリスク」「アフターフォローの難化」という三重苦をもたらす可能性があります。
しかし、今のうちから設備情報のデジタル化を進め、計画的な管理体制を整えておけば、施主からの信頼を勝ち取り、リフォームやメンテナンスの収益を最大化する武器になります。
まずは自社のOB施主の設備管理状況を見直してみませんか?
「どの家にどのエアコンがあるか」を瞬時に把握できる体制を作りたい方は、ぜひ工務店業務効率化システム「AnyONE」の資料をダウンロードして、具体的な活用イメージを確かめてみてください。
記事監修:大﨑 志洸/株式会社Limited 取締役
兵庫県出身。施工実績は累計5,000件以上。
総工費10億円規模のプロジェクトに従事し、施工管理の実務経験を積む。
その後、商社の建設事業部にて総工費3億円規模のビル改修やオフィス・店舗内装を手掛け、同事業部の立ち上げを主導。
現在は、2024年2月に株式会社Limitedを代表の吉田と共同設立し、内装工事の受注に加え、施工管理の派遣・人材紹介業務に関するコンサルティング事業を展開している。
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