工事の損益分岐点とは?わかりやすく概要や計算方法を解説

工事の損益分岐点とは?わかりやすく概要や計算方法を解説

損益分岐点とは、売上と業務にかかった費用を足すとちょうどゼロになる点のことです。工事現場で働いていて、損益分岐点という言葉を耳にしたことがあっても正確な意味を把握している方は少ないかもしれません。
この記事では、損益分岐点の概要から具体的な計算方法を解説します。損益分岐点は財務管理の担当者だけでなく、現場の担当者も理解しておくべき言葉であるため、参考にしてください。

損益分岐点とは

損益分岐点とは
損益分岐点とは、売上と業務にかかる費用が同じになることで、損益がプラスマイナスゼロの状態となる点のことです。損益分岐点を超えて売上が発生すると、企業は利益が出るということとなります。

損益分岐点は、「BEP(break-even point)」と記載されることもあり、主に会計業務を行う際に見られます。しかし、売上に関連する重要な数値であるため、会計の担当者だけでなく、現場で働く担当者や経営者もその概要や計算式を理解しておくことが重要です。

建築業の費用内訳

損益分岐点について理解を深めるには、建設業における費用の内訳である「固定費」と「変動費」について理解することが重要です。ここでは、「固定費」と「変動費」の概要と主な項目について解説します。

固定費

固定費とは、売上に関係なく常に発生する費用のことです。例えば、事務所を借りる際の家賃や従業員に対して支払う給料などの人件費、保険料などが固定費に当たります。
固定費は、企業がどのくらいの利益を上げているかに関係なく発生し、人件費などの一部の項目を除いて月によって金額が変動しない点が特徴です。

固定費には以下のような費用が挙げられます。

● 労務管理費
● 租税公課
● 地代家賃
● 保険料
● 給料
● 福利厚生費
● 事務用品費
● 通信交通費
● 交際費
● 補償費
● 役員給料手当
● 退職金
● 修繕維持費
● 広告宣伝費
● 支払利息
● 光熱費 など

詳しくは後述しますが、損益分岐点を計算するには、固定費が必要となります。
自社の固定費を正確に把握しておきましょう。

変動費

変動費とは、売上によって増減する費用のことです。具体的には材料費や加工費、光熱費などが該当します。固定費とは異なり、売上が増えると変動費も増えます。
こちらも損益分岐点を計算するために必要な費用項目であるため、正確に把握しておかなければなりません。具体的な変動費には以下のような費用が挙げられます。

● 材料費
● 労務費
● 外注費
● 仮設経費
● 光熱費
● 運搬費
● 設計費 など

損益分岐比率との違い

損益分岐点と似た言葉に「損益分岐比率」があります。損益分岐比率は、損益分岐点が売上の何%を占めているかを示す割合のことです。

損益分岐比率が売上の99%である場合、実際の利益は売上に対して1%となりますが、これが50%であれば利益は売上に対して50%となります。つまり、損益分岐比率は低ければ低いほどいい(利益率が高い)ということです。
損益分岐比率の割合が低ければ、多少売上が減少したとしても、いきなり赤字に転落することはありません。企業の規模や業種・業態によって異なる部分はありますが、一般的に損益分岐比率は80%以下であれば優れていると判断されます。

損益分岐点の計算方法

損益分岐点は計算によって求めることが可能です。具体的な計算式は以下の通りです。

損益分岐点 = 固定費÷{(売上高−変動費)÷売上高}

上記の計算式をもとにした計算例を紹介します。固定費、変動費、売上高はそれぞれ以下の通りに仮定します。

● 固定費:1000万円
● 変動費:1000万円
● 売上高:3000万円

これらの金額を計算式に当てはめると以下形となります。

1000万円÷{(3000万円−1000万円)÷3000万円}=666.6万円

つまり、この場合は666.6万円が損益分岐点となり、それ以上の売上は全て会社の利益となるということです。

ちなみに、損益分岐比率は「損益分岐点÷実際の売上高×100」で求めることができます。上記の場合、損益分岐比率は50%となり、赤字に対する耐性が非常に強いといえるでしょう。

工事現場の財務管理にはAnyONE

AnyONE公式サイト
損益分岐点をはじめとした各種財務管理を適切に行うことは、工務店の利益を増やすために必要不可欠です。一方で、財務管理をエクセルで行っていると、ミスが発生する恐れがあるほか、手間もかかります。
ここでは、見積り作成実行予算の管理などが行える業務管理システム「AnyONE」を紹介します。

【工務店】賢く見積り管理するには?管理システム導入の効果

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エクセルとの高い親和性

AnyONEは、エクセルとの親和性が高いため、これまでエクセルで財務管理を行っていた企業でも、スムーズに移行可能です。
エクセルからのコピー&ペーストやエクセルへの一括貼り付けなどにも対応しているなど、エクセルに近い感覚で操作できる点も大きな特徴といえます。また、見積りソフトとの連携もできるため、見積書のテンプレート作成なども行えます。

AnyONEは、数式を間違えて消してしまい金額がズレないようになっているため、エクセルよりも扱いやすいでしょう。

見積書作成のルールを統一できる

企業によっては、見積書のフォーマットが担当者によって異なるケースも見られますが、AnyONEを導入することで、作成ルールの統一が可能です。AnyONEでは、見積書をテンプレートとして登録できるため、ベースとなるテンプレートを用意しておけば、担当者によってフォーマットが異なることも起こりません。
定期的に取引がある顧客、原価が事前に決まっている案件などがある場合、見積書を登録しておくことで、見積書作成時の手間も軽減されるため、業務効率化も期待できるでしょう。

アラーム設定によるミス防止

AnyONEには、アラーム機能がついており、請求書を発行するタイミングや入金のタイミングなどで通知してくれるため、請求漏れ・入金忘れの防止が可能です。また、入出金に関する情報は、社内全体で共有できるため、担当者が不在の時でも、状況の把握や代理対応を行うことができるでしょう。繁忙期など、忙しくて手が回らない時期などは意外と請求漏れ、入金忘れが発生するため、AnyONEを活用してミスを防ぎましょう。

現場単位で利益がわかる

AnyONEでは、現場ごとに予算や実際に発生した費用などがわかるため、現場単位でどのくらいの利益を上げているのか把握可能です。また、経費の管理も行えるため、当初の予算と実費に大きな差があった時などに振り返りを行い、損益分岐点を正しく把握することもできるでしょう。

見積書作成段階から、実行予算、発注と一貫してAnyONEでお金の動きを管理することで、利益の推移もわかるため、経営判断を行う際などにも役立ちます。

まとめ

今回は、工事現場における損益分岐点の概要について解説しました。損益分岐点とは、売上と業務にかかる費用がちょうどゼロになる点のことです。損益分岐点を正しく把握することで、どのくらいの売上を上げればいいのか、目標額を設定できるでしょう。また、損益分岐点をはじめとした各種財務管理はAnyONEのような業務管理システムを導入することでスムーズに行うことができます。

以下のコンテンツでは、AnyONEを含めた業務管理システムの機能比較を行っています。システムによってどのような違いがあるのか知りたい、システムの導入を検討しているといった方は、こちらもご覧ください。
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