忙しいのに利益ゼロ?工務店が陥る赤字工事の原因と今すぐできる脱却法
工程表とは、建設工事のスケジュールや作業手順を可視化するための管理ツールです。
工事の進行状況を「見える化」することで、現場の混乱や手戻りを防ぐ役割を果たします。
本記事では、新築工事で工程表を作成する目的やメリット、作成手順、エクセル・ツールの活用法、作成時の注意点までを実務視点でわかりやすく解説します。
INDEX
工程表とは、新築工事における各作業の内容と順序、期間を時系列で整理したスケジュール表のことです。
ここでは、工程表の基本的な役割と種類について解説します。
工程表を作成する目的は、大きく分けて3つあります。
①納期の管理
工事において最も重要なことは、納期を守ることです。
工期は天候や人員の都合で変動しやすいため、あらかじめ余裕を持ったスケジュールを組み、納期に間に合わせる工夫が必要です。
②工事の効率化
作業の順序が明確になれば、職人や資材の手配がスムーズになり、現場の無駄を減らせます。「あれ、左官屋さんまだ来てないの?」というような事態を避けられるでしょう。
③トラブル対応
急な欠勤や資材の遅れがあっても、工程表があれば、トラブルによる遅延の影響を把握しやすく、迅速に調整できます。工程表があれば、「資材が届かない!どうする!?」と現場がざわつく前に、冷静に対応できるでしょう。
工程表には主に次の3種類があります。
この中で、新築工事でもっとも一般的に使用されている工程表は「バーチャート工程表」です。
これは、縦軸に工事項目を、横軸に日付を配置したシンプルな構造で、いつどの作業が行われるかをひと目で確認できるのが特長です。
特に施主と共有する際にわかりやすいため、現場では広く使われています。
作業工程表とは?現場で使える作成手順・便利ツールまとめ【初心者OK】
工程表の作成には、多くの利点があります。ここでは、新築工事において工程表がなぜ必要なのか、そのメリットを詳しく見ていきます。
工程表の最大のメリットは、工事を計画通りに進め、納期を守ることです。
例えば「基礎工事に約1カ月」「仕上げ工事に約1カ月」など、各工程の目安をもとに全体スケジュールを組めば、「引き渡しに間に合わないかも…」という焦りを防げるでしょう。
さらに、雨天による順延リスクに備えて空白期間を設けておくこともポイントです。
特に「梅雨・台風・秋雨」の時期は工事が遅れやすいため、余白を設けておくとよいでしょう。
実際に、雨が予想される時期には、屋根工事や左官工事など天候に左右されやすい工程を慎重に調整します。
工程表を活用すれば、無駄な時間やコストの削減が可能となります。
例えば、人員の重複や資材搬入のタイミングを調整すれば、待機や再作業のリスクを減らせるでしょう。「この日も現場に5人待機中…」というようなムダを工程表で防ぎましょう。
工程表で各作業の依存関係を明確にしておけば、予定のズレも事前に未然に防げます。
職人のスケジュール管理にも活用され、作業の優先順位や段取りが一目でわかり、現場の生産性も向上します。
新築工事では、天候不良による工事中断や資材の納品遅延などの予期せぬトラブルが起こる場合があります。
工程表があれば、遅れの発生箇所をすぐに把握でき、迅速な対応が可能となります。
さらに予備日を設けておけば、突発的なトラブルが発生しても全体の工期に大きな影響を与えずに済むでしょう。
また、マイルストーン(節目となる工程)を設けておくと、工程のズレを見つけやすくなります。
住宅の新築は、施主にとって大きなライフイベントです。そのため「本当にこの業者に任せて大丈夫だろうか?」という不安を抱える方も少なくありません。
そのため、工程表を活用した工事の進行状況のこまめな共有が大切です。
具体的な日付や工事内容が可視化できれば、施主は「計画通りに進んでいる」と実感でき、安心感を得られます。
施主からの紹介やリピートにつなげるためにも、透明性のある工程管理と適切な情報共有がカギとなります。
新築工事の工程表を作成する際は、あらかじめ全体の流れを理解しておくことが重要です。
ここでは、工程表作成の基本的な流れをわかりやすくご紹介します。
はじめに、どこまでの工事を対象とするかを明確にします。例えば「地盤改良から外構工事まで含めるのか」「内装はどこまでを含むのか」といった範囲を確定させます。
一般的な施工手順は、以下の通りです。
この流れをベースに、施主の希望や敷地条件、工法なども考慮して手順を調整します。
次に、各工事にどれくらいの時間がかかるかを決めていきます。例えば、基礎工事には約1カ月、上棟後から内装仕上げまでは約2カ月ほどかかるのが一般的です。
ただし、天候や祝日、大型連休などを考慮する必要があります。
特にコンクリート打設など天候に左右されやすい工程は、雨天時における対応も含めて余裕を持った期間設定が大切です。
全体の期間が決まったら、各工程のバランスを考えながらスケジュールに落とし込んでいきます。
例えば、基礎工事に時間をかけすぎると、後ろの工程が詰まり、結果的に工期全体が伸びてしまう場合があります。
逆に、仕上げ工事に余裕がなさすぎると、清掃や設備調整の時間が足りなくなり、品質に影響が出る恐れもあるでしょう。
無理のない工程配分を行うためには、過去の実績や各工種の特性をよく理解しておくことが必要です。
下準備が整ったら、いよいよ工程表の作成に入ります。ここで重要なことは、工事内容に合った作成方法の選択です。
小規模な住宅や短期の現場であれば、エクセルなどを使って作成するのが一般的です。
一方、大規模な建築や工期の長い現場では、前後の工程の関連性が複雑になるため、専用の工程管理ツールの方が適しています。
作成時には、休日やバッファ期間、各業者の出入り日も記載し、関係者全員が一目で流れを把握できるように仕上げましょう。
工程表の作成には、エクセルや専用の管理ツールまでさまざまな方法があります。それぞれの特徴を押さえて、現場に合ったやり方を見つけましょう。
もっとも広く使われているのが、エクセルやGoogleスプレッドシートです。特に住宅規模の工事では、バーチャート形式の工程表をエクセルで作るケースが多く見られます。
簡単なテンプレートも多数公開されており、すぐに使い始めることが可能です。
ただし、エクセルで作る場合はデータの管理が個人依存になりやすく、他の人とリアルタイムでの共有が難しい点に注意しましょう。
共有性を重視する場合はGoogleスプレッドシートを使えば、クラウド上で複数人が同時に閲覧・修正できます。
エクセルでは対応が難しい複数現場の管理や進捗の共有には、工程管理ツールの活用が効果的です。中でもおすすめなのが、AnyONE(エニワン)です。
AnyONEは、建築業向けに特化したクラウド型の施工管理システムで、スマホやタブレットからも工程表の作成・共有ができます。
見やすいカレンダー形式で現場のズレや手配漏れを防ぐために、中小工務店でも導入が進んでいます。
工程表の運用を効率化したい方には非常に有効です。
工程表は単に作成するだけでなく、関係者にとってわかりやすい形で共有できることが重要です。
ここでは、見やすさや共有性を高めるための注意点を整理しておきます。
工程表を作成する際には「誰がどの作業を担当しているのか」の明確な記載が重要です。
例えば、外壁工事に塗装業者が入るのか、それとも自社の職人が対応するのかが曖昧だと、スケジュール通りに進まず、他の工程にも影響を及ぼしかねません。
特にリフォームや部分工事を伴う新築工事では「○○工務店(塗装)」「△△電気(配線)」といった形で担当業者名を入れておくと安心です。
また、トラブルや問い合わせが発生した場合でも、担当者が明示されていればすぐに連絡が取れます。
工程表は、関係者全員が内容をひと目で把握できるように、見やすいレイアウトや配色に工夫が必要です。
あまりに多くの色を使うと、かえって全体が見づらくなるため、3色程度に抑えると視認性が高くなるでしょう。
また、工程表を壁に貼ったり紙で渡したりする場面も多いため、A3サイズなどに収まるように作成し、白黒でも情報が判別できるようにしておくと安心です。
さらに、休日情報の表示・非表示を切り替えられる形式にしておけば、関係者の閲覧目的に合わせて使い分けやすくなります。
工程表には工事の進行を記載しますが、専門用語を使いすぎると、施主や初めて関わる関係者には伝わりにくくなります。
例えば「墨出し」や「捨てコン」といった現場用語をそのまま記載すると、説明を求められたり誤解が生まれたりするかもしれません。
「土台の位置を記す作業(墨出し)」や「基礎コンクリートの下地となる薄いコンクリート(捨てコン)」といった形で、補足を入れる工夫があると親切です。
誰が見ても理解できる内容の方が、トラブルは少なくなるでしょう。
工程表は、使用する目的や閲覧者の立場に合わせて「日単位」「週単位」「月単位」といった時間単位の切り替えが大切です。
例えば、現場監督や職人が使う場合は、1日単位での詳細なスケジュールが求められます。
一方、施主が確認する際は、日ごとの細かい作業よりも「今月はどの作業が進むのか」といった大まかな進捗が見える方が把握しやすいです。
月をまたぐ工程や、天候に左右されやすい作業では、週単位で余裕をもたせた計画によって、無理のないスケジュール管理ができます。
新築工事における工程表は、現場の流れを可視化するだけでなく、職人や業者、施主など多くの関係者をつなぐ大切な「共有ツール」です。
納期の厳守や無駄のない人員配置、トラブルの予防にも大きく関わるため、作成段階から丁寧に進めることが重要です。
特に最近では、現場アプリやクラウドツールも広く普及しており、更新や共有のしやすさも選定の基準となっています。
作業が始まる前に見通しの立つ工程表を作成できれば、現場の安心感や信頼感を高められるでしょう。
工程表の作成をより効率化したい方におすすめしたいツールが「AnyONE」です。
AnyONEは、建築業に特化したクラウド型の施工管理ツールです。工程表の作成・共有はもちろん、以下のような機能で現場全体の業務効率を一括サポートします。
エクセル管理に限界を感じている方や、複数現場の工程を一括で管理したい方におすすめです。
工程管理システムの検討には、システムごとの機能比較が欠かせません。下記は、他社システムの機能を比較して解説しています。システム選びの参考にしてください。
記事監修:大﨑 志洸/株式会社Limited 取締役
兵庫県出身。施工実績は累計5,000件以上。
総工費10億円規模のプロジェクトに従事し、施工管理の実務経験を積む。
その後、商社の建設事業部にて総工費3億円規模のビル改修やオフィス・店舗内装を手掛け、同事業部の立ち上げを主導。
現在は、2024年2月に株式会社Limitedを代表の吉田と共同設立し、内装工事の受注に加え、施工管理の派遣・人材紹介業務に関するコンサルティング事業を展開している。
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