【建設業】請求書の正しい作り方と書き方|必須項目・テンプレート・送付方法まで解説
「脱炭素社会(カーボンニュートラル)」の取り組みは、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためにも欠かせないものであり、工務店にとって必要です。
この記事では、脱炭素社会・カーボンニュートラルの概要から国内外における取り組み状況、企業の具体的な取り組みについて解説します。自社で取り組む際の参考にしてください。
なお、建設業界では、2022年4月に「建築物省エネ法改正」により、2025年までにすべての住宅・建築物に対して、省エネ基準を義務化することが閣議決定されました。これは、2030年までのCO2削減目標達成を狙いとしたものです。
詳しく知りたい方は、建築物省エネ法改正の記事もご参考ください。
(※本記事は2022年4月25日時点での情報です)
INDEX
カーボンニュートラルとは、人間の活動を通して排出される温室効果ガスを、人間の活動によって吸収・除去し、排出量をプラスマイナスゼロにした状態のことです。このカーボンニュートラルが実現した社会のことを「脱炭素社会」といいます。
2020年10月に行われた国会の所信表明演説で、菅義偉総理大臣(当時)は2050年までに、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しており、国を挙げての政策方針が打ち出されています。
気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」は2020年から運用が始まっていますが、協定では今世紀後半の脱炭素社会の実現を目指して、排出削減に取り組むことを目的としています。
日本は2018年現在で年間12億トン以上の温室効果ガスを排出しており、脱炭素社会を実現させるためには、これを2050年までにゼロにしなければなりません。
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【出典】「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?-経済産業省 資源エネルギー庁
脱炭素社会が求められる理由はパリ協定だけではありません。国連気候変動に関する政府間パネルの「IPCC1.5度特別報告書」では、産業革命以降の温度上昇を1.5度以内に抑えるためには、2050年ごろまでのカーボンニュートラルが必要とされています。
このように、脱炭素社会は国際的に求められている目標です。一方で、実現の難しい課題ではあることは間違いありません。それでも、脱炭素社会の実現に向けてチャレンジすることが、産業構造や社会に変革をもたらし、日本の成長につながると考え国全体で取り組んでいく必要があるといえます。
脱炭素社会の実現に向けた取り組みは、国内外でさまざま行われています。ここでは、世界と日本の具体的な目標や取り組みをそれぞれ紹介します。
2021年1月時点で、日本を含めた124カ国と1つの地域が2050年までに脱炭素社会の実現を目指すことを表明しています。これらの国・地域が排出するCO2は、世界全体の排出量の37.7%を占めます(2017年実績)

【出典】「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?-経済産業省 資源エネルギー庁
上記の図では、中国が含まれていませんが、中国は2060年までの脱炭素社会実現を表明しています。中国を含めた125カ国のCO2排出量は、世界全体の3分の2を占めており、多くの国が脱炭素社会を目指していることがうかがえます。
日本は2030年までに46%削減(2013年と比べて)、2050年の脱炭素社会を目指しています。この目標達成に向けて、日本では産学連携で脱炭素社会につながる技術開発に取り組んでいます。
例えば、産業分野においては、各種機器のエネルギー源を電力で賄う電化を促進しているほか、バイオマスの活用といった技術開発を行っています。
また化学産業においては、向上などから排出されるCO2を水素と組み合わせてプラスチックの原料を作る人工光合成技術の研究などが行われています。そのほかにも運輸では、電動自動車や燃料電池自動車の導入拡大が進められるなど各産業・業界でさまざまな取り組みが行われています。
なお、UNFCCC統計によると、2019年までの実績では14.0%の削減(2013年比)となっており、残り10年で約30%を削減しなければなりません。やや厳しいペースであるため、官民を挙げた取り組みが必須です。
建設業界・工務店においては、建設工事段階におけるCO2排出量の削減に取り組んでいます。具体的には、「施工段階におけるCO2の排出抑制」と「設計段階における運用時CO2排出抑制」の2つが挙げられます。
施工段階で排出されるCO2は管理可能なものであり、業界全体でCO2排出量削減目標を設定したうえで、省燃費運転の実施、燃費効率のいい重機の導入などを行っています。以下の図のように、徐々にCO2削減率も上昇しており、取り組みは順調といえるでしょう。

【出典】施工段階におけるCO2排出量・削減活動実績の把握-一般社団法人日本建設業連合会
運用時CO2排出抑制に関しては、日本のCO2排出の3分の1が住宅や建物に関係するもので、そのほとんどを運用段階に排出されるものが占めているのが現状です。この状況を打開するために、業界団体では省CO2建物の設計を推進しているほか、省エネルギー性能に関する指標策定などの取り組みを行っています。
CO2の総排出量自体は、1990年に比べると大幅に減少していますが、2019年には過去10年で1番の排出量を記録しており、今後のさらなる取り組みは必要不可欠だといえるでしょう。

【出典】施工段階におけるCO2排出量・削減活動実績の把握-一般社団法人日本建設業連合会
建築業界や工務店においても、脱炭素社会に向けた取り組みがすでに行われています。ここでは、具体的な取り組み例を3つ紹介します。脱炭素社会は世界的な課題の1つですが、「工務店でどう取り組んだらいいのか」いまいちピンときていないかもしれません。身近な企業や団体の事例を参考に、自社でできることを探ってはいかがでしょうか。
竹中工務店では、脱炭素社会の実現に向けて木材利用を拡大しています。木材の重量の約半分は炭素となっており、建築物に使用することで、木材の中にある炭素が大気に排出される心配がほとんどありません。
木造建築は施工時における二酸化炭素排出量が少ないこともあり、解体や廃棄の際に木材の再利用を進めることで、二酸化炭素の固定化が可能となります。これらにより建物のライフサイクル全体を通じたCO2排出量の削減が可能です。
そのほかにも同社では、CO2排出量をゼロに近づける「ゼロカーボン建築」や、エネルギーを自給し、余ったエネルギーを他の建物に供給できる「カーボンマイナス建築」などの創出にも取り組んでいます。
業界団体である日本建設業連合会では、現場における建設機械からCO2排出量が多い点に着目し、電気自動車や水素を燃料に使用する建設機械の開発動向を追っています。そのほかにも、建機メーカーと連携した「環境配慮型建機の普及」や「再生可能エネルギーの活用推進」など、幅広い取り組みを行っている点が特徴です。
戸田建設株式会社では、30年近くにわたりさまざまな取り組みを行っており、直近では超大型建築作業所で日本初となる、工事用電力における100%再生可能エネルギーの使用を実現しています。
同社では、現場のCO2削減に関しても排出量削減目標を設定したうえで、継続的に排出量のモニタリングを行っています。
また、低燃費建機や低排出燃料の使用、CO2排出量がゼロカウントになる「BDF(バイオ・ディーゼル燃料)」 、燃費が向上する「燃料添加剤 (K-S1)」 の使用など幅広い取り組みを行っている点が特徴です。
今回は、脱炭素社会・カーボンニュートラルの概要から国内外における取り組みの状況、企業の取り組み事例などについて解説しました。
脱炭素社会の実現は世界的な課題であり、目標達成のハードルは決して低くありません。日本のCO2排出の3分の1が住宅や建物に関係するものであるため、建設業界の取り組みがCO2排出量を左右するといえます。
今回の事例を参考に、自社にできる取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。
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