【工務店】その下請契約、違法かも?取適法(新下請法)と支払いサイト60日義務化のリスク
デジタル化が進む現代では、建設業界でITツール・システムが積極的に導入されています。建設業では多くの取引先との契約機会も多く、業務効率を向上させるために電子契約システムが注目されています。
しかし、これまで書類手続きを取り入れていた担当者は「電子契約システムがどういったものかわからない」という悩みもあるでしょう。
当記事では、建設業における電子契約システムの詳細から導入するメリット、注意点まで詳しく解説します。
INDEX
電子契約システムとは、インターネット上で電子ファイルに押印・署名することで契約を締結できるシステムです。従来では紙媒体の契約書が主流でしたが、電子契約システムを取り入れることで会社とクライアントが直接会わずに契約を進められます。
契約締結までの遅延や印刷・郵送のコスト、契約書の保管といった問題を解決できるため、時間や費用を削減できます。場所や時間を選ばず契約を進められるため、コア業務に専念することが可能です。
結論からいうと、建設業で電子契約は利用可能です。以前は書面契約が義務づけられていましたが、2001年の建設業法改正によって電子契約書が使用できるようになりました。
電子契約とは、電子署名を施した電子ファイルを企業が保有するサーバー・クラウドストレージに保管する契約方式です。電子契約をおこなうにはいくつかの要件を満たす必要がありますが、コスト削減や業務効率化の点において大きなメリットとなります。
それでは具体的な要件や建設業における電子契約法制化の背景について解説します。
建設業で電子契約を利用する場合、原本性・本人性・見読性の要件を満たす必要があります。それぞれの概要は、以下の通りです。
●原本性:当事者が作成した契約書であり、改竄防止措置がされていること、また公開鍵暗号方式による電子署名がされていること
●本人性…電子署名が契約当事者のものであることを証明できるもの
●見読性…契約書をいつでも閲覧・検索できること・関連する記録の取り出すができる状態が推奨される
原本性と見読性は2001年4月に施行された建設業法改正で定められており、本人性は2020年10月に見直されて建設業法施行規則で追加された新しい要件です。
上記3点の要件だけでなく、電子契約をおこなう相手から実施する了承を得ることも必要となっています。
建設業は、2001年に建設業法改正によって電子契約が認められるようになりました。
以前は契約の当事者同士で書面を取り交わす必要がありましたが、新設された条約によって相手の承諾と技術的要件を満たせば電子契約を締結できるようになっています。
2018年には「グレーゾーン解消制度」が設けられ、電子契約システムの技術的基準を満たしているかを解決するサポートがはじまりました。グレーゾーン解消制度とは、新しいサービスが法規制に適合しているかどうかを消費者庁が窓口となり、各省庁に問い合わせられる制度です。(【参考】グレーゾーン解消制度・プロジェクト型「規制のサンドボックス」・新事業特例制度)
グレーゾーン解消制度を活用することにより、電子契約サービスを提供する事業者が自社の電子契約システムの適合性を確認できるようになりました。
建設業法や関連法案の改正により、現在では建設現場で取り交わされるほとんどの書類が電子化可能です。ここでは、電子契約システムで締結できる代表的な5つの契約書について解説します。
発注者(施主)と元請業者の間、あるいは元請業者と下請業者の間で、特定の工事を完成させることを約束し、その対価を支払う契約です。
建設業法第19条により書面交付が義務付けられていますが、相手方の承諾と技術的基準(改ざん防止措置など)を満たせば電子化が認められています。 高額な案件が多い工事請負契約では、紙の場合に数万円単位でかかる「印紙税」が、電子契約なら不要になるため、導入により最も高いコスト削減効果が得られます。
元請業者と下請業者の間で、継続的な取引条件を定めるための契約書です。現場ごとに取り交わす「個別契約」のベースとなるもので、一度電子化のフローを構築してしまえば、協力業者とのやり取りを大幅に効率化できます。 特に多くの下請業者を抱える企業にとっては、書類の回収・管理の手間を削減できるメリットが大きいです。
建材や設備機器の購入、あるいは建売住宅の売却などで取り交わされる契約書です。以前は宅地建物取引業法により重要事項説明書や契約書(37条書面)の書面交付が義務付けられていましたが、2022年5月の法改正により、不動産売買に関連する書類も全面的に電子化が可能となりました。これにより、非対面での契約締結がスムーズに行えます。
重機や車両のリース、現場事務所の借地、仮設資材のレンタルに関する契約です。これらの契約も電子化が可能です。現場の状況に合わせて急ぎで資材や重機を手配したい場合、電子契約なら郵送のロスタイムがなく、即座に契約を締結して手配を進められるため、工期遵守の面でも有利に働きます。
個別工事の発注や、追加工事の依頼時に発行する書類です。建設業法では、注文書と請書(うけしょ)のセットによって契約が成立したとみなされます。 現場では変更工事や追加発注が頻繁に発生しますが、そのたびに紙の書類をやり取りするのは煩雑です。電子システム上で注文書を発行・承諾する運用にすれば、言った・言わないのトラブルを防ぎ、証跡を正確に残すことができます。
建設業で電子契約システムを導入することで、以下のような4つのメリットがあります。
電子契約システムを導入することで、契約手続きの業務効率の向上が期待できます。紙媒体の契約書は印刷や製本、押印、送付などの手順が必要になるため、契約締結まで時間がかかっていました。
しかし、電子契約システムを使用すれば、インターネットを通じて契約書の作成から著名、保存まで全てオンラインで完了します。契約締結までの時間が大幅に短縮されるため、すぐに業務を始めることが可能です。
また、契約書は電子ファイルとして保管されるため、保管や検索もスピーディにおこなえます。契約書に関連するトラブルやエラーも減少し、スムーズに契約を進められます。
紙媒体の契約書には印紙税が必要になりますが、電子契約は電子ファイルであり、課税対象外です。企業によっては印紙税は年間数万円〜数十万円になることもあるため、コスト削減ができる点は電子契約システムを導入するメリットとなります。
契約書の印刷代や郵送費もかからないため、建設業の経費削減にもつながるでしょう。
電子契約システムの導入によって紙の消費量を減らせれば、建設業全体のペーパーレス化につながります。環境負荷の軽減にも寄与するため、森林を守る取り組みに貢献できます。
建設業自体に影響はありませんが、森林伐採をなくすための取り組みとしてはメリットといえるでしょう。
電子契約システムによる電子契約は、改ざん防止技術や電子署名法に基づいています。紙媒体の契約書は第三者や社員が不正にアクセスでき、大切な社内情報が外部に漏れる恐れがあります。
電子契約システムは法的効力が保証されており、クラウド上で状況を一元管理が可能です。契約書の閲覧権限を社員ごとに割り当てることもできるため、不正な閲覧・利用を防止できます。
そのため契約書のセキュリティ強化や法的信頼性を向上できる点において、電子契約システムの導入はメリットとなるでしょう。
建設業が電子契約システムを導入するときは、以下のような点に注意してください。
●法的要件の確認
●セキュリティ対策
●導入時のサポート体制
それでは詳しく解説します。
電子契約書が法的に有効な状態にするためには、電子署名法に準拠している必要があります。電子署名法の要件を満たすためには、公開鍵暗号方式を取り入れた電子契約システムを選ぶことをおすすめします。
なお、公開鍵暗号方式とは、公開鍵と秘密鍵の2つを用いた暗号技術です。秘密鍵が知られなければ署名した文書の偽造や改ざん、盗聴ができないため、電子署名法の要件を満たせます。
契約書が外部に漏れないようにするためにも、安全性を確保する必要があります。電子契約システムにアクセス制御や改ざん防止機能が搭載されていれば、安全な状態を維持できます。
契約書の安全性はクライアントとの信用にも関わるため、電子契約システムを導入するときはセキュリティ対策の機能が搭載されているかチェックしておきましょう。
建設業に電子契約システムを導入する場合、サポート体制の有無は重要なポイントです。サポート体制があれば、どのように電子契約システムを導入すればいいのかアドバイスしてもらえます。
例えば工務店向け業務効率化システム「AnyONE」では、オプションで電子契約機能を利用でき、初期設定から運用まで専門スタッフが対応します。スムーズな導入を支援できるため、企業の負担を軽減可能です。
デジタル化に向けて電子契約システムを導入したいと考えている方は、ぜひ資料請求をしてみてください。
電子契約の導入で印紙代や郵送費を削減できても、契約情報の入力作業が二重・三重になってしまっては、真の業務効率化とは言えません。
工務店向け業務効率化システム「AnyONE」は、見積作成から実行予算、そして電子契約締結までを一気通貫で管理できるのが強みです。
「ITツールは難しそう」「法的な要件を正しく設定できるか不安」という工務店様でも、現場に精通したスタッフのアドバイスを受けながら、導入をスムーズに進めることが可能です。 直感的な操作性と充実したサポートにより、現場の負担を最小限に抑えつつ「脱・紙と印紙」を叶え、生産性の高い経営を強力にバックアップします。
今回は、建設業における電子契約システムの詳細から導入するメリット、注意点まで詳しく解説しました。
電子契約システムを導入することで業務効率化やコスト削減だけでなく、法的信頼性や環境への配慮にも貢献できます。
電子契約システムを導入するときは、法的要件を満たしているか、セキュリティ対策に問題がないか、導入時のサポート体制が整っているかなどをチェックしてください。
工務店向け業務効率化システム「AnyONE」を活用すれば、電子契約を通じて工務店業務全般を効率化できます。
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記事監修:佐藤主計
保有資格:1級造園施工管理技士、2級土木施工管理技士
建設業界に携わり30年。公共工事の主任技術者や現場代理人をはじめ、造園土木会社の営業マン・工事担当者として、数万円から数千万円の工事まで幅広く担当。施工実績は累計約350件にものぼる。
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