工事間接費とは?内訳や計算方法、コストを抑えるポイントを解説
エクセルは追加費用なしで使用可能で、フォーマットを自由に変更できるなどメリットが多数あり、建築工事の見積り作成に使用している会社が多いです。
しかし「建築工事の見積り作成のポイントを抑えられているか」不安な方もいるでしょう。今回は、エクセルで建築工事の見積り書を作成する上でのポイントを解説します。
INDEX
国土交通省の「公共建築工事見積標準書式(建築工事編)(令和4年改定)」によると、建築工事に必要な見積り書の構成は下記3つが必要です。
【引用】公共建築工事見積標準書式(建築工事編)(令和4年改定)-国土交通省
1つ目は、見積り書の表紙です。表紙には最適でも下記4つの項目が必要です。
●見積り金額(合計金額)
トラブル防止のため「税別・税込」の記載は、忘れないようにしましょう。
●現場労働者に関する法定福利費
法定福利費は、法定の事業主負担額で「雇用保険」「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」のことです。
●対象工事に係る項目
工事名や工事場所、見積り書の発行日や有効期限、受渡方法や支払い条件を記載します。
●作成者に係る項目
会社名や所在地、見積り作成者の氏名や連絡先を記載します。
【引用】公共建築工事見積標準書式(建築工事編)(令和4年改定)-国土交通省
内訳書は、ダンピング防止や工事業者へのしわ寄せを防止するために必要となる書類です。
内訳書には、下記項目ごとに金額を記載します。
●見積り対象の品目
●工事の要求仕様
●適用及び項目
現在「〇〇工事一式」といった見積り方法は、ほとんど認められていません。見積り書の内訳を明示で、トラブル発生時に「言った・言わない」を避けられます。
一見、大変に思える内訳書ですが自分の身を守るためにも、しっかり作成しましょう。
【引用】公共建築工事見積標準書式((建築工事編)(令和4年改定)-国土交通省
条件書は、各工事において請負施工範囲などを記載する書類です。見積り書作成依頼者に施工範囲を明示しないと、追加工事を依頼された際に工事費を請求しづらくなるなど、デメリットがあります。
また、事前に施工範囲を示さないと無償で想定外の項目の工事をさせられるなど、リスクが考えられます。
条件書には、下記のことを記載します。
●施工範囲の項目
●施工範囲外の項目
条件書も内訳書と同様に、自分を守るために重要な書類となるため、しっかり作成しましょう。
建築工事の見積り書作成のポイントは下記の5つです。
1つ目は、見積り番号の明記です。見積り番号は、案件を素早く検索するために必要です。
例えば、顧客から「見積書に関して」問い合わせがあった場合を想定しましょう。
見積り番号を明記していれば「見積り書に記載されている見積り番号を教えてください」と顧客に伝えれば、担当者以外でも該当する見積り書を素早く見つけられます。
しかし案件を区別する情報が「工事名称」しかない場合、類似した工事名と勘違いするなど、担当者以外は見積り書の検索に時間がかかります。場合によっては、クレームに発展することも考えられるでしょう。
見積り番号は、案件の検索をスムーズでき顧客対応の助けとなるため、明記することをおすすめします。
2つ目は、工事範囲の明記です。依頼される案件によっては「対応できない工事」があります。また、対応はできるが「外注業者を使用するため、割高な見積り金額になってしまう」といった理由で、依頼された工事の一部を断りたいこともあるでしょう。
上記のような場合は「対応する工事範囲」「対応しない工事範囲」を明確にすることで、後々のトラブルを防止できます。
3つ目は工期の明記です。余裕を持たせた工期を設定しましょう。また竣工日などが指定されている場合は「〇〇日まで、ご注文いただければ△△日までご対応可能です」といった文言を記載することもあります。
4つ目は、税別・税込の明記です。特に見積り金額が税別の場合は「税別」「消費税の金額」の表記は必ずおこないましょう。
見積り金額が税別で「税別」表記がない場合、工事金額の請求時点でトラブルとなる可能性が高いです。
5つ目は、法定福利費の明記です。近年、法定福利費の明記は必須となっています。法定福利費の計算式は「法定福利費=労務費総額×法定保険料率」です。
【参考】法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順-国土交通省
エクセルで効率良く見積り書を作成する方法は、下記2つです。
インターネット上で公開されているエクセルの無料テンプレートの活用で、エクセルの詳しい知識がない方でも、簡単に見積り書を作成できます。無料テンプレートは、関数が組まれていることが多く、ダウンロード後すぐに使用可能です。
エクセルの無料テンプレートはさまざまなサイトが公開しています。おすすめはAnyONEが公開しているテンプレートです。見積り書以外にも、工事請負契約書・工程表・工事台帳のテンプレートを一緒に無料ダウンロードできます。
エクセルで業務を効率化したい方は、下記よりダウンロードしてください。
エクセルに詳しい方は、関数やマクロの活用も可能です。関数やマクロを用いれば、自社オリジナルの見積り書の作成もできます。また、見積りルールや法改正などに柔軟に対応できることもメリットです。
エクセル以外で見積書を発行するときは、以下のような方法があります。
市販の見積書を用意し、手書きで発行する方法があります。
アナログな方法ですが、手書きの作業が多い現場では最適です。
必要な項目を記入し、ダブルチェックをしながらミスがないかチェックしましょう。
建築向けの見積作成ソフトを活用することで、手間なく簡単に見積書を発行できます。
入力したデータをPDFやエクセル形式で出力できるため、スムーズな見積書の発行が可能です。
建築業ならではの階層見積や法定福利費などを計算できる機能も搭載されているので、利便性が高いです。
エクセルと比べて導入費用はかかりますが、便利な機能が豊富にあるため効率良く見積書を発行したときにおすすめします。
エクセルやワードのテンプレートを活用することで、見積書を発行できます。
必要な項目を入力し、印刷をすれば完了です。
普段からエクセルやワードを活用している方は、こちらの方法がおすすめです。
エクセルで見積り書を作成する際の注意点は、下記2つです。
最新の法律やルールの確認は必須です。近年は担い手確保のために、法定福利費の明示や2%以上の賃上げ情報の取り組みが進められています。
また、日本建設連合会は、労務費に関して下記の方針を打ち出しています。
『一次下請への見積り依頼に際して、概ね2%以上の賃金上昇の趣旨に適う適切な労務費を内訳明示した見積書の提出要請を徹底し、当該見積りを確認した上でこれを尊重するものとすること。』
【引用】1.賃金上昇率2%の実現に向けた取組について-国土交通省
今後は、見積り書にて労務費の内訳明示がルールとなる可能性があるなど、ルールは都度変更されていきます。
常に最新情報を確認し、自社の見積り書をアップデートさせなければなりません。
エクセルに詳しい社員が限られる会社は、見積り作成業務を属人化させないための対策が必要です。
業務の属人化とは、ある業務が特定の社員しかおこなえない状況のことを指します。業務が属人化していると、特定の社員が急な退職や病気などで働けなくなると途端に業務が回らなくなるためです。
特に関数やマクロを活用している場合は、業務が属人化しやすいため注意しましょう。
対策は「業務マニュアルを作成する」「見積り作成ソフトを導入する」などがあります。
エクセルのデメリットを解決し、効率的な見積り作成をおこなうなら「AnyONE」の導入をおすすめします。AnyONEは、工務店・リフォーム会社向けの業務効率化システムです。見積り書作成以外にも、下記の業務をおこなえます。
AnyONEは、追加費用なく定期的にアップデートされるため、見積り作成のルール変更があっても自社で対応する必要はありません。また、サポート体制が充実しています。操作で不明点や疑問点があっても、専門スタッフに電話やメールですぐに確認可能です。
作成したテンプレート以外にも過去の見積り書も活用できるため、経験年数が浅い方でも精度の高い見積り書を作成できます。
最後に、見積り書の作成に関するよくある質問について回答します。
疑問を解消するためにも、ぜひチェックしてください。
建築業の見積書では「工事の内容」、「使う材料や作業の項目」、「数量や単価」、「合計金額」を明確に書くことが大切です。
さらに「工事の期間」、「支払いのタイミング」、「有効期限」なども入れておくと、相手に安心してもらえます。
例えば「外壁の塗装○㎡」、「1㎡あたり○円」、「合計○円」と具体的に書くと分かりやすいです。
こうした情報がしっかり入っていれば、依頼する側もどんな工事にいくらかかるのかが理解しやすく、後から言った言わないといったトラブルも防げます。
無料の見積書テンプレートは便利ですが、そのまま使うと自分の会社に合わない部分が出てくることがあります。
たとえば、建築業に特有の工期や材料費、諸経費などの項目がなかったり、逆に不要な欄があったりします。
そのためダウンロードした後は必ず中身をチェックし、自分の取引内容に合わせてカスタマイズしましょう。
また、デザインが簡素すぎると「信頼できるのかな」と不安に思われることもあるので、会社名やロゴを入れるなど工夫すると良い印象につながります。
Excelは計算が自動でできるので、数量や単価を入力するだけで合計が出て便利です。
工事の内容や項目が多い場合には計算ミスを減らせるメリットがあります。
一方でWordは文章やレイアウトをきれいに整えやすく、見た目を重視したいときに適しています。
取引先によっては見やすいWord形式を好む場合もあれば、再計算しやすいExcelを求める場合もあります。
そのためどちらか一方に決めず、状況に応じて使い分けたり両方の形式を用意しておくのがおすすめです。
見積書は「この工事ならだいたいこれくらいの費用がかかりますよ」と、契約前に金額を提示するためのものです。
まだ実際に支払いが発生するわけではなく、依頼する側が検討できる材料になります。
一方で請求書は工事が終わったり、契約で決めた段階に達したときに「約束どおりの金額をお支払いください」と伝えるための書類です。
つまり、見積書は予想金額の提示、請求書は確定した金額の請求と役割が違います。
両方を混同しないように注意が必要です。
関連記事:見積書と請求書の違いは?営業担当者が知っておくべきルール
紙だけでなく、PDFなどの電子データの見積書でも有効です。
メールに添付して送ったり、クラウド上で共有したりしても問題ありません。
ただし、相手がきちんと受け取れているかを確認することが大切です。
また、見積書の保存については電子帳簿保存法というルールがあり、事務所での保管方法に注意が必要です。
簡単に言えば「改ざんできない形で保存する」、「すぐに取り出せるようにしておく」ことが求められます。
関連記事:見積書に印鑑は必要ない?法的効力と電子押印の具体的な手順
今回は、エクセルで建築工事の見積り書を作成する際のポイントについて解説しました。
エクセルは、使い勝手が良く追加費用なしで使用できるため、大変便利です。しかし、ルール変更への対応や業務の属人性に関しては、別途対策を講じる必要がある点はデメリットといえます。
エクセルのデメリットを簡単に解決するためには、建設業に特化した業務効率化システムの導入をおすすめします。システムはさまざまな会社が提供しており、比較検討は必須です。下記では各ツールの機能比較をまとめています。参考にして自社に最適なITのツールを導入してください。
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