法定福利費を建設業の見積書に書くには?計算方法と注意点も

法定福利費を建設業の見積書に書くには?計算方法と注意点も

建設業を含めた各企業において、適切な経営を行うためには法定福利費を適切に扱うことが重要です。

一方で「法定福利費がそもそもなんなのか理解していない」「どうやって計算すればいいのかわからない」といった人も少なくないでしょう。
この記事では、法定福利費の計算方法と見積書への書き方について解説します。見積書の「法定福利費」の扱いや計算方法について知りたい方は参考にしてください。

法定福利費とは

法定福利費とは
法定福利費とは、法定福利厚生にかかる費用のことです。

福利厚生は、法律によって規定されている「法定福利厚生」と法律に規定されていない「法定外福利厚生」に分けられます。この法定福利厚生に対して発生する費用が、法定福利費となります。

具体的には、企業が負担することを義務づけられている、健康保険法や労働基準法、厚生年金保険法といった法律・法令によって定められている費用が当てはまります。これらは従業員を雇用している企業であれば発生するため、法定福利費はほとんどの企業に関係している費用です。

法定福利費の計算方法・計算例

法定福利費は以下の計算式によって算出可能です。

法定福利費=労務費総額×法定保険料率

ここでは、労法定福利費の算出に必要な項目である労務費と法定保険料率についてその概要や計算方法を解説します。なお、労務費総額の算出方法や法定保険料率はすべての企業に一律で適用できるわけではないため、注意してください。

労務費の総額を計算する

労務費は、人件費に含まれる費用の1つで、製品を作る際にかかる原価の費用のことです。労務費を計算する場合、企業の実態に応じた方法で求める必要があります。

建設業の場合、以下の計算式で労務費を算出できます。

・労務費=人工数×平均日額賃金

例えば、人工数が5人、平均日額賃金が15,000円である場合、労務費は以下の計算となります。
・5人×15,000円=75,000円(労務費)

ちなみに、労務費の求め方はこれだけでなく、このほかにも工事全体の平均労務比率を算出したうえで工事価格に乗じて概算計上する、といった求め方も可能です。

法定保険料率をかけ合わせる

算出した労務費に法定保険料率を乗じることで法定福利費を求めることができます。
法定保険料率は、健康保険料、介護保険領、厚生年金保険料、雇用保険料に対して発生するものです。都道府県や年度によって異なるため、一概に「建設業は○%」と断言できません。そのため、自社の法定保険料率を適切に把握しておくことが法定福利費の算出には必要不可欠です。

2021年度の法定保険料率に関しては、以下のようになっています。

・健康保険料:各都道府県によって異なる
・厚生年金保険料:2022年度は18.3%(事業主負担額は9.15%)
・雇用保険料(2022年4月1日〜2022年9月30日):1.25%(事業者負担額は0.85%)
・雇用保険料(2022年10月1日〜2022年3月31日):1.65%(事業者負担額は1.05%)

自社が加入している社会保険とその法定保険料率さえわかれば、あとは労務費に対して各法定保険料率を当てはめて計算するだけで法定福利費がわかります。

【参考】
保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)-日本年金機構
令和4年度雇用保険料率のご案内-厚生労働省

法定福利費を見積書に記載する

法定福利費を算出したあとは、以下の図のように見積書に記載してください。
【引用】法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順-国土交通省
【引用】法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順-国土交通省

図を見てもわかるように、記載する際は工事費とは分けて明記してください。また、労務費率や保険料率をもとに法定福利費を算出している場合は、工事価格、労務比率、保険料率を明記する必要があります。

なお、法定福利費も消費税の対象である点にも注意が必要です。

法定福利費の注意点

法定福利費の注意点
法定福利費を扱うにあたっては、いくつかの点に注意しなければなりません。ここでは、元請け業者が見積書を作成する場合、下請け業者が見積書を作成する場合それぞれの法定福利費の注意点を解説します。

元請け業者の注意点

元請け業者が法定福利費の見積書作成を行う場合、下請け契約を結ぶに当たって法定福利費の重要性を理解し確保するように促すことが大切です。

また、見積書に法定福利費が記載されていない、といったことがないように計上を徹底させましょう。計上しているからといって、労務や材料費といった経費による減額調整をおこなうといったことはしてはいけません。下請け業者の資金繰りや人材確保に十分に配慮する必要があります。

そのほかにも、下請け業者の倒産や資金繰りの悪化などによって関係する企業に対して損害を与えないように気をつけることも大切です。

下請け業者の注意点

下請け業者が法定福利費の見積書作成をおこなう場合も、まずは法定福利費の重要性を理解し確保するように務めることが重要です。見積書への計上も徹底させてください。

また、見積書を作成する際に請負金額の計算をざっくりと行わないように注意しなければなりません。例えば、トン単価や平米単価で概算金額を算出して記載するといった形は避けるべきです。

自社が負担する法定福利費は適切に記載し、そのうえで元請け業者の見積もりに計上してください。
ちなみに、再下請けの場合であってもこの点は同じです。

見積書作成・管理ならAnyONE

AnyONE公式サイト
ここでは、法定福利費の計上をはじめとした見積作成や管理ができる業務管理システムである「AnyONE」を紹介します。

AnyONEは、工務店などの建設業での利用を想定して作成されたシステムです。建設業で発生する一通りの業務に対応できる機能を備えており、一人親方から中小の工務店、大企業まで規模に関係なく利用できます。

AnyONEには、見積書の作成・管理ができる機能も搭載されています。見積書作成をエクセルで行っている企業も少なくないと考えられますが、エクセルだと最新の見積書がどこにあるか見つからない、管理が行き届かないといった事態に陥る可能性があるでしょう。

また、作成した見積書は画面上で一覧表示されるため、すぐに見つけられます。また、検索機能も備わっているため、案件名や担当者名などで検索することで、簡単に見積書にアクセスできます。

AnyONEで作成した見積書は、契約情報に紐づけることも可能です。例えば、最終的に採用された見積書を本契約として契約に紐付け、採用されなかった見積書を非表示にすることもできます。これによって古い見積書を誤って顧客に提出するといった心配もありません。紐付けされた見積書の情報はそのまま工事台帳に書き込まれるため、担当者の業務負担も軽減されるでしょう。

まとめ

今回は、建設業における法定福利費の概要から算出方法、取扱う際の注意点などについて解説しました。法定福利費は、従業員を雇用する企業にとって必要不可欠なものです。「労務費総額×法定保険料率」で算出できるため、見積書への計上を徹底するようにしましょう。また、見積書作成・管理を効率良く行いたい場合は、AnyONEのような業務管理システムの利用もおすすめです。導入を検討してみてはどうでしょうか。

なお、以下のコンテンツではAnyONEを含めた、業務管理システムの機能比較を行っています。見積書作成や業務効率化のために業務システムの導入を検討している、興味があるといった方はこちらも確認してください。

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