【建設業】法定福利費の算出方法とは?ざっくり費用を割り出す方法や書き方
工務店の業務において、見積書作成は頻繁に発生する重要なものです。
見積書は、エクセルか見積もりソフトで作っているでしょう。
この記事では、エクセル見積書の基本的な作り方について解説します。
また、エクセルを利用することで発生する問題についても具体的に取り上げているため、参考にしてみてください。
INDEX
工務店が作成する見積書には、大きく分けて「工事費内訳書」と「工事内訳明細書」の2種類があります。
工事費内訳書とは、工事に伴い発生する費用の内訳を記載する見積書のことです。こちらの書類を「見積書」と呼ぶこともあります。
工事内訳明細書とは、工事内訳書に記載されている費用に関して、工賃や材料の数量、単価や合計金額などを詳細に記載したものです。
工務店の場合、この2つの書類を作成するのが一般的となっています。
エクセルで見積書を作る際には、2つのシートを準備しましょう。この2つのシートを用意しておくことで、効率的に見積書を作成できます。
まずエクセルで見積管理する場合は、単価表を用意しましょう。単価表がすでにある場合は、その表を使用して構いません。見積書を作成する雛形に単価表と見積書のテンプレートの2つのシートが存在するイメージです。
以上のように見積書と単価表を同ブックに保存しておけば、VlookUPなどの数式を使い、単価データを呼び出せます。作成の都度、単価表を参照しながら計算する必要がなく、エクセルでの見積書作成効率も向上するでしょう。
単価表とは別シートに見積書が作成できるよう、雛形を用意しておきましょう。雛形は自社で作成する、または建設業向けのテンプレートをそのまま使っても構いません。
工事内訳明細書の雛形も作っておきましょう。以下のように表で簡単に明細書を作ることができます。工事内訳明細書には、よく使う材料を単価表から呼び出せるVlookUPという数式を入れておくと、手間なく計算が可能です。
エクセルで見積書を作る方法は主に2つあります。1つはテンプレートを用いる方法、もう1つは自社でオリジナルの見積書を作る方法です。細かく内訳書の書き方についても解説します。
工務店の見積書をエクセルで作成する場合は、テンプレートを使用しましょう。テンプレートとは、体裁の整った雛形のことで、さまざまなサイトで工務店向けの見積書テンプレートが公開されています。
テンプレートをダウンロードして、内容を少し変更するだけで見積書が作れるため、手間なくエクセルでの見積書管理が可能です。ただし、テンプレートはあくまで汎用的に作られており、特殊なフローや階層に対応していない場合があります。テンプレートをよく読み、自社に必要な情報や項目があるかどうかを確認してから、使用を始めてみてください。
オリジナルで自社専用の見積書を作る方法もあります。雛形を1度作成すれば、次からその雛形を使いまわせるため、手間もさほどかかりません。自由に数式を入れたり、改装を設定出来るため、自社の工事形態に適した書類が作れる点がメリットです。
ただし、エクセルでオリジナルの見積書を作るためには、ある程度のエクセルの知識が必要となります。エクセルが得意な社員がいる場合はその人に任せることとなりますが、その人以外が見積書の修正ができないような状態になるリスクがあります。属人化を防ぐために、エクセルでの見積書修正のマニュアルを作成するなどし、皆でエクセル見積書を加工できる状態を作っておきましょう。
工事費内訳書を作成するにあたっては、まずどのような項目が必要なのか、洗い出しましょう。例えば、図の工事費内訳書から項目を洗い出すと以下の通りです。
▼内訳の例
● 顧客の名前
● 見積金額
● 作成日
● 担当者名
● 発行者名
● 工事名称
● 工事場所
● 工事概要
● 見積有効期限
● 工期
● 支払い条件
● その他 など
ここに挙げた項目はあくまでも一例であり、企業によって異なる可能性もあります。ただ、一般的には上記を押さえておけば問題ないでしょう。
工事内訳明細書は工賃や材料の数量、単価などを詳細に記載するものであるため、以下の図のように表を作成し、内容に応じて情報を入力しましょう。エクセルは元々表計算ソフトであるため、表の作成は非常に簡単です。
まずは、表を作成したい範囲を選択しましょう。
次に、エクセル上部のメニューから「罫線」を選び「格子」を選択します。
上記のように表が作成されるため、項目を入力したり、セルに色つけをしてアレンジしましょう。
先ほど提示した見本のように、外枠だけ太線にしたい場合は格子になっている部分全体を選択した状態で「太枠大罫線」を選択すると、以下のような表を作成できます。
実際にエクセルを使って見積書を発行する手順を簡単に解説します。見積書の雛形を皆で使い回すためのフローにもつながる部分であるため、しっかり読んで今後の運用の参考にしてください。
まず最初に、見積書と工事内訳書シートの雛形をコピーします。雛形に直接入力すると、次回作成者が情報を誤って入力するリスクが上がるため、必ずコピーしてから作成を始めるルールに徹底しましょう。
コピーしたいシートを選んで右クリックし「移動またはコピー」を選択します。
コピーする場所についてのポップアップが表示されるため、ここでは特に場所を指定せず、下部の「コピーを作成する」にチェックを入れておきましょう。
見積書に必要な情報の一部は、手入力が必要です。例えば、工事名称などの詳細は自身で入力する必要があります。入力ルールはあらかじめ決めておき、その書式に従って入力するよう徹底しましょう。
次に、工事内訳明細書のシートを開き材料名を入力します。
VlookUP数式を入れている場合、単価表に存在する材料名が入力されれば、自動的に単位や単価が表示されます。数量を入れれば、自動的に見積金額が表示されるように、計算式も入れておきましょう。
見積金額合計を算出するには、「*」を使用します。エクセルでの掛け算の意味を持つ記号で、以下のように使います。
=B6*C6
上記の数式を入力しておけば、ミスなく正しい数量と単価を掛け合わせた合計額が表示されるためぜひ活用しましょう。
見積書の内容を作成し終わったら、作成した見積書を別シートへ保存しましょう。雛形にシートを増やしていくと、エクセルファイルが重くなってしまいます。
移動させたいシートをSHIFTを押しながら選択し(見積書・工事内訳明細書)、その状態で右クリックします。移動先は「新しいブック」を選択し、OKを押すと新しくファイルが作成されます。
作成した見積書を印刷、または保存しておきましょう。保存時は名付けのルールなどを決めておき、指定のファイルへ蓄積すると検索しやすくなります。
見積書をエクセルで作る注意点
エクセルによる見積書作成は便利な一方で、注意点もあるため気をつけなければなりません。エクセルで見積書を作成する際の具体的な注意点について解説します。
エクセルで工事費内訳書や工事内訳明細書を作成すると、多重管理が発生する可能性があります。工務店によっては「社内用」と「顧客用」に内容の異なる見積書を作成するケースがあるためです。
一般的に「顧客には伝えられないが、社内では共有しなければならない情報」を社内用の見積書に記載します。
このような形で2つの見積書を作った場合、双方の内容に間違いやズレが起こらないようにそれぞれを管理しなければならず、手間がかかるでしょう。
場合によっては、「社内用の見積書は情報を更新したのに、顧客用は忘れてしまった」など混乱を引き起こす恐れもあります。
エクセルで見積書を作る場合、各担当者が個人のパソコンで作成し、社内のサーバーへアップロードすることが一般的であるため、情報共有にタイムラグが生じるかもしれません。中には、作成後に社内サーバーへのアップロードを忘れ、共有できないケースも出てくるでしょう。
このような事態が起こると、別の担当者が「まだ見積書を作っていないみたいだな」と判断し、同じ案件の見積書を重複して作ってしまう、ことにもつながりかねません。
見積書を作成する際に、文字情報を載せる「テキストボックス」を使用すると置換機能に対応していないため、情報の一括変更が難しくなります。
テキストボックスの情報を変更するためには、一つ一つ目視によってチェックする必要があるため、ミスにつながる可能性もあるでしょう。
作成時には、情報を変更する可能性がある箇所にテキストボックスを使用しないようにするなど、考慮しておく必要があります。
見積書を作成した人のパソコンでは綺麗に表示されていても、顧客のパソコンによってはレイアウトが崩れるケースや、数式にミスが発生するケースもあります。これは、パソコンごとのOSやバージョン、使用しているアプリケーションなどの環境の違いによって発生するものです。
「レイアウトが崩れるなら、その都度直せばいい」と考えるかもしれませんが、間違えて余計な部分を修正してしまう可能性もあるため、望ましくはないでしょう。
見積書作成はエクセル以外にも、業務管理システムを利用すれば作成可能です。見積書作成にも対応しているシステムとしてAnyONEを紹介します。
先ほど紹介したエクセルで見積書を作成する際の注意点も、AnyONEであれば払拭できる部分もあるため参考にしてみてください。
AnyONEは、見積書のデザインを自由自在にカスタマイズ可能です。
例えば、文字のフォント変更や会社ロゴのレイアウト、縦向き・横向きの設定など、各工務店に応じた自由なデザイン設定がおこなえます。見積書の書式をあらかじめ数パターン作っておくことも可能です。工事内容に応じて必要な見積書をすぐに活用できるでしょう。
作成した見積書はAnyONE上で管理できるため、必要な時にいつでも参照可能です。保存されたファイルはリスト化されて表示されるほか、検索によって探すこともできます。「以前おこなった工事と似たような工事があるため、見積書を参考にしたい」「過去の見積書を流用したい」などの場合にも活用できるため、スムーズな見積の作成が可能でしょう。
AnyONEは、見積書に記載する金額や工事名称、工事場所などのデータを既存データからそのまま引用してくれるため、入力ミスのリスクが軽減されます。また、工事内訳明細書に関しても、数を入力するだけで作成できるようになっているため、作業の手間も省かれ、大幅な業務効率化にもつながるでしょう。
AnyONEは、インターネット環境さえあれば利用できるシステムで、社外からでも必要な見積書を確認することができます。また、AnyONEであれば見積書作成をシステム上でおこなえるため、個人のパソコンで見積書を作成し、アップロードし忘れる心配もありません。見積書の保管場所がAnyONEに集約されることで、誰でも常に最新のファイルにアクセスできるでしょう。
ちなみに、AnyONEはスマートフォン向けのアプリにも対応しているため、現場や外出先からでも情報にアクセスできます。
今回は、エクセルを使った見積書の作り方についてその基本から作成時の注意点などについて解説しました。エクセルを活用することで見積書の作成はおこなえますが、情報共有にタイムラグが生じる可能性があるほか、情報変更に伴う入力ミスや、レイアウトが崩れるなどの注意点も少なくありません。このような点を回避したい場合は、AnyONEのような業務管理システムの導入を検討しましょう。
以下の記事では、AnyONEをはじめとした各社から提供されている業務管理システムの機能比較をおこなっています。今まさに業務管理システムの導入を検討している方、システムを使って見積書作成を行いたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
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