屋根工事の工程表|作成時の注意点やチェックポイントを解説
積算の重要性、ご存知ですか?土木工事の積算は、工事費用の妥当性や利益確保に直結する極めて重要な業務です。
しかし「歩掛って何?」「積算と見積の違いが分からない…」とお悩みの方も多いはず。
この記事では、積算の基本から効率化のポイントまでを徹底解説します。
INDEX
土木工事での「積算」とは、工事にかかる費用を構造的に算出する作業です。発注者・受注者の双方が合理的な契約を行うための根拠を作ることを目的としています。
ここでは、その定義と役割、見積との違いについて分かりやすく説明します。
土木工事における積算とは、設計図書に基づいて工事目的物を完成させるために必要な工事費を算出する手法です。この積算作業では、材料費、労務費、機械経費などの費用を積み上げることで、全体の工事費を導き出します。詳しくは、積算の役割や作成方法を解説している記事をご参照ください。
関連記事:積算とは?見積りとの違い・計算方法・積算基準を解説!
積算と見積は混同されがちですが、その性質は異なります。積算と見積りの違いを表にまとめました。
| 項目 | 積算 | 見積 |
|---|---|---|
| 目根 | 工事に必要な費用を正確に算出する | 請負金額を提示し契約を得ること |
| 基準 | 国や自治体の積算基準、歩掛・単価 | 積算をもとに自社の利益や経費を加味 |
| 根拠 | 設計図書や仕様書に基づいた数量計算・単価設定 | 積算に基づくが、営業的な調整を含む |
| 柔軟性 | 低い(客観的基準に基づく) | 高い(企業判断や競争状況によって変動) |
| 使用タイミング | 発注者の予定価格算定、実行予算の作成時 | 入札、契約交渉の際に提示 |
| 担当部門 | 積算担当、設計・技術部門 | 営業担当、経営判断を含むことも |
土木工事における積算は、発注者・受注者の双方にとって極めて重要な役割を果たします。発注者側では、公共工事やインフラ整備の予算策定において、適正な予定価格を設定するための根拠となります。受注者側では、工事の収益性を左右する「実行予算」の基盤となり、無理のない施工計画や利益確保に直結します。
積算の精度を高めるために必要な視点は、 施工計画、現地調査、基準の理解です。この3つが積算成功のカギを握ります。
ここでは、土木積算において押さえておくべき3つの重要ポイントについて、具体例と共に解説していきます。
土木工事の積算を成功させるためには、施工計画を入念に立てることが不可欠です。国土交通省や各自治体が発行する積算基準書や標準マニュアルは、この計画立案の強力な味方となります。
土木工事の積算精度を高めるには、入念な現地調査が不可欠です。図面だけでは把握できない地形条件や地質状況、既存構造物の状態などを正確に把握することで、数量計算の精度が大きく向上します。
土木積算において「歩掛」と「単価」は積算の正確性を左右する重要な基準です。歩掛とは単位作業量あたりに必要な労務や機械の数量を表し、標準的な施工条件を想定して国土交通省や自治体が設定しています。
一方、単価は資材費や労務費の1単位あたりの価格を指し、「建設物価」や「積算資料」などの公的資料から最新情報を入手することが大切です。積算にあたっては、工事の地域特性や施工時期による資材価格の変動も考慮する必要があります。
工事費用は、どのように分類されているのでしょうか?
土木工事の積算においては、直接工事費、間接工事費、一般管理費、消費税等の4つが主な構成要素となります。各費用の内容と算出方法を理解することで、全体像が明確になります。
直接工事費とは、土木工事の中で実際に施工にかかる費用のうち、現場で直接使われる資材費・労務費・機械経費・諸雑費などを指します。
たとえば、道路工事であればアスファルトや鉄筋、重機の使用料、作業員の人件費などが該当します。これらの費用は、工事内容や規模に応じて変動しやすく、正確な数量拾いや単価設定が求められます。また、設計図の変更や物価変動、地中障害の発見などにより、当初の見積もりとの差異が生じやすいのも特徴です。そのため、直接工事費の積算では、現場調査や施工経験に基づいた柔軟な対応力が求められます。
間接工事費は土木積算において非常に重要な要素です。これは現場の共通的な経費であり、「共通仮設費」と「現場管理費」の2つに大別されます。共通仮設費は工事目的物の施工に間接的に関わる費用で、現場管理費は工事を管理するための経費です。
間接工事費の算定方法は、率計算による額と積上げ計算による額を加算する方式が一般的です。率計算は直接工事費に共通仮設費率を乗じて算出しますが、この率は工事の規模や種類によって異なります。
一般工事費とは、現場で直接発生する工事費用以外に必要となる、本社や管理部門で発生する経費を指します。主な項目としては、役員報酬や本社スタッフの人件費、事務用品費、通信費、広告宣伝費、保険料、減価償却費などが挙げられます。
土木工事の積算において、消費税等相当額の正確な計算は重要なチェックポイントです。この金額は工事価格(工事原価と一般管理費の合計)に対して法定税率(現在は10%)を乗じて算出します。
まず、非課税項目(用地補償費など)を確実に除外することが必須です。これらを誤って計算対象に含めると、過大な消費税額となってしまいます。また、端数処理方法も重要で、通常は円未満切り捨てが原則ですが、発注機関によってルールが異なる場合があります。
材料費、労務費、歩掛、直接経費など、工事の核となる部分が直接工事費です。その積算にはどのような注意点があるのでしょうか?
ここでは、それぞれの積算方法と、ミスを防ぐためのポイントについてご紹介します。
土木工事の積算における材料費は、工事に直接必要な資材にかかるコストを算出する重要な要素です。正確な材料費の積算には、詳細な施工計画の立案と入念な現地調査が不可欠です。材料の種類、数量、単価を正確に把握することで、予算の適正化と工事品質の確保につながります。
歩掛(ぶがかり)とは、特定の作業を1単位行うために必要な労働力・機械・材料などの量を数値化した基準で、土木工事の積算において最も重要な要素のひとつです。例えば、「1m³の掘削作業に必要な人員数」や「必要な重機の運転時間」などが歩掛に該当します。
土木工事における労務費は、作業員の賃金や社会保険料など人件費に関わる重要な積算項目です。
直接経費とは、材料費・労務費・機械使用料といった主要費用以外に、工事現場で直接必要となる経費を指します。例えば、交通誘導警備費、水道・電気などの光熱費、廃材処分費、仮設トイレのレンタル料などが含まれます。これらは一見小さな費用に見えますが、計上漏れがあると工事全体の採算に大きな影響を及ぼすため、精度の高い拾い出しが欠かせません。
土木工事の積算において、諸雑費は見落としがちながら重要な項目です。これは主要な積算項目以外の細かな費用をまとめて計上するもので、工具損料や消耗品費などが含まれます。諸雑費の計算方法は一般的に材料費や労務費の合計額に対して一定の率を乗じる方式が採用されています。
この諸雑費率は工種や工事規模によって異なり、例えば舗装工事では3%程度、鉄筋工事では4%程度が標準とされています。積算の際には該当する工種の最新の諸雑費率を確認することが不可欠です。
間接工事費には、共通仮設費や現場管理費など、直接的には見えにくい費用が該当します。これらは工種や規模、施工条件によって大きく変動するため、正確な計上には知識と経験が求められます。
共通仮設費は土木工事の間接工事費の一つで、工事全体を円滑に進めるための共通的な仮設に関わる費用です。
具体的には、工事現場の設置・撤去費用、仮囲いや安全設備、交通誘導員、現場事務所の設置費などが含まれます。
土木積算において共通仮設費は、直接工事費に対する一定の率で計算される「率計上分」と、個別に積み上げる「積上げ分」の二種類に分けられます。率計上分は工事規模や工種によって異なり、国土交通省や各自治体の積算基準に則って算出します。
現場管理費とは、工事現場の運営や管理に必要な費用を指します。
具体的には、現場監督や技術者の人件費、事務用品費、通信交通費、福利厚生費などが含まれます。土木積算において、この費用は直接工事費と共通仮設費を合計した金額に対して一定の率を掛けて算出するのが一般的です。
一般管理費は本社人件費や事務費、法定福利費などが含まれ、工事原価に一定の率を掛けて算出されます。ここでは、算定方法や逓減制の仕組みをわかりやすく解説します。
一般管理費とは、工事に直接関係しない本社経費などを指します。この項目には、役員報酬、本社の従業員給与、法定福利費、事務用品費、通信交通費、動力用水光熱費、広告宣伝費、交際費、寄付金、地代家賃、減価償却費、租税公課、保険料、雑費などが含まれます。
土木工事の積算において、消費税等相当額は最終的な工事費用に加算する重要な要素です。工事原価と一般管理費を合計した工事価格に対して、現行の消費税率10%(2025年7月1日時点)を適用して算出します。
この消費税等相当額は、発注者が受注者に支払う金額の一部として必ず計上する必要があります。実務では、積算書の最下段に明記し、工事価格との合計額が最終的な工事費となります。
積算業務を効率化するには何が必要でしょうか? 近年では、積算ソフトや工程管理ツールの導入が進んでいます。情報共有や業務フローの見直しと併せて、積算業務の精度とスピードを両立するための最新の取り組みを紹介します。
土木工事の積算業務を効率化するなら、専用の積算システムやソフトの導入が非常に効果的です。現在市場には、国土交通省の基準に準拠した多様な積算ソフトが提供されています。これらのツールを活用することで、膨大な計算作業が自動化され、人為的ミスも大幅に削減できます。
特に中小規模の建設会社では、積算作業の時間が従来の半分以下になったという事例も報告されています。ソフト選びのポイントは、単に計算機能だけでなく、最新の積算基準への自動アップデート機能や、過去の積算データの再利用性も重視すべきです。
関連記事:【建築】積算ソフト導入の5つのメリット!選ぶポイントも
土木工事の積算精度を向上させるには、工程管理ツールの導入が非常に効果的です。優れた工程管理ツールは、積算段階で設定した作業時間や資材投入のタイミングを施工段階で正確に追跡できるため、予算と実績の乖離を最小限に抑えられます。
特に工程管理と積算システムが連携したツールでは、工期の変更や作業順序の入れ替えがコストにどう影響するかをリアルタイムで確認できる点が大きなメリットです。これにより、不測の事態が発生した際も迅速に代替案を検討でき、予算超過を防止できます。
土木工事の積算業務では、正確な情報の共有が精度向上の鍵となります。積算担当者、現場監督、経営層など様々な立場の人が関わるため、情報の分断が生じやすい環境です。この問題を解決するには、情報共有を「仕組化」することが重要です。
クラウド型の積算システムなら積算データを一元管理して、オフィスと現場間の情報格差を解消できます。また、変更履歴の自動記録機能により、いつ誰が何を変更したかが明確になり、積算ミスの早期発見にも役立ちます。
土木工事の積算業務の効率化には、業務フローの見直しが不可欠です。多くの現場では、積算業務が属人化し、担当者の経験や勘に頼る傾向があります。
こうした課題を解決するには、まず現状の業務フローを可視化し、非効率な部分を特定することから始めましょう。
具体的には、設計図面の受け取りから数量拾い出し、単価入力、積算書作成までの一連の流れを図式化し、各工程の所要時間や問題点を洗い出します。特に重複作業や手作業による転記ミスが発生しやすい箇所に注目してください。
土木工事の積算について、基本は理解していても「実際どのくらいの割合で予算を組むの?」「向いている人の特徴は?」といった具体的な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ここでは、現場でよく寄せられる質問をピックアップし、わかりやすくお答えします。
A.積算は、建設工事に必要な資材や人件費などを正確に見積もるために行います。適切な積算は、予算の過不足を防ぎ、利益確保とコスト管理に直結します。発注者に信頼される見積書作成にも不可欠な工程です。
A.積算に向いているのは、数字に強く、細かい作業が得意な人です。図面を読み解き、正確に数量や仕様を把握する力が求められます。建設現場の流れを理解し、論理的にコストを組み立てられる人に適しています。
土木工事の積算業務では、見積作成に時間がかかる・原価のズレに気づくのが遅れる・現場と事務所の情報がうまく連携できないといった課題が多くの現場で見られます。これらの非効率が、粗利の圧迫や予算超過の要因となり、経営リスクにもつながりかねません。
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土木工事の積算は、正確な工事費の見積もりと予算管理のために不可欠な業務です。歩掛や単価、現地調査、各種費用項目の理解に加え、効率化のためのデジタルツール活用も重要なポイントです。積算を正しく行うことで、コスト超過のリスクを防ぎ、利益の確保と信頼性の高い工事遂行が可能になります。今後はシステムを活用したスマート積算が主流となるでしょう。
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