屋根工事の工程表|作成時の注意点やチェックポイントを解説
建設工事は、社会を支える重要な仕事であるため、強度や外観、デザイン等の品質が一定基準以上に達していなければなりません。この目的を達成させるためには、品質管理を含む、日々の適切な施工管理が必要です。
この記事では、施工管理における品質管理の重要性や仕事内容、必要とされる能力と関連する資格について解説しています。さらに、品質管理の精度を高める、業務効率化ツールについても説明しています。
施工管理における品質管理について知りたい方は、ぜひ最後までお読みいただき参考にしてください。
INDEX
施工管理における品質管理の重要性を説明するため、品質管理を行う目的と、品質管理で得られるメリット、他の施工管理との関係性について説明します。
建設工事で作られる建築物や構造物は、利用者の生活や安全を支え、長く社会に貢献するものであり、品質は非常に重要です。そのため、品質管理を行って必要な基準をすべて満たすことが求められます。
品質を確保するためには、設計図書等で明確にされた品質基準をベースに、施工品質を常にチェックし管理しなければなりません。また、施工管理では品質を確保しながら工程や原価も考慮して、無駄なく工事を進行させることも必要です。
適切な品質管理によって、建築主(発注者)の要望通りに工事を竣工させることができれば、請け負った建設会社の企業価値は高まります。
また、高いレベルで品質を確保した建築物や構造物を整備することで、社会に対する貢献度が増します。同時に、技術力や施工能力の評価を高め、企業としての競争力を強めるでしょう。
さまざまな工事において品質基準の達成を重ねていくことは、社会的な信頼度を高め、新たなビジネスチャンスを生みだす契機にもなります。
建設工事の施工管理は、品質、工程、安全、原価、環境の5大管理が柱となります。
建設工事の目的は、品質基準を満たした建築物や構造物を、安全と環境に配慮しながら契約工期内に完成させることです。そして、工事を請け負った建設会社が適正な利益を得るための原価管理も必須となります。
見方を変えれば、工程や安全、環境、原価でどんなに優れた結果を残しても、品質基準を満たした工事目的物が完成していなければ工事が竣工したとはいえません。

施工管理における品質管理について、仕事内容に焦点をあて解説します。
品質管理を含む施工管理では、設計図書や仕様書をベースに作成した施工計画書に基づいて工事を行いますが、それには現場管理と書類管理の両立が欠かせません。
計画書通りに現場作業が行われるように指導・監督し、その現場作業の状況を検証して記録に残していくことが日常業務として必要です。
この日常業務の積み重ねが、工事完成時の成果物、竣工書類として建築主(発注者)に提出されます。
建設工事では、工期中に何度か、建築主サイドの立会いによる段階確認や施工プロセスチェック等が実施されます。建築主サイドには、建築主から依頼された設計事務所やコンサル会社も含まれるのが一般的です。
この確認やチェックで設計図書と現場状況に相違点がある場合、立会い者は直ちに施工会社に対して是正処置を求めます。その是正が適切な時期に行われなければ、建築主や発注者に報告されペナルティが科せられます。
工事の施工品質は、設計図書や仕様書に記載されている基準を満たしていることが不可欠です。また、特に記載がないケースでも、国や自治体が取り決めている基準値にも合致している必要があります。
品質管理において、これらが間違いなくクリアされているという管理状況の写真撮影や記録簿の作成は重要な業務の一つです。
特に欠かすことができないのは工事竣工後に確認が難しくなる、構造や躯体、基礎工事に関連する状況写真や記録簿です。
品質管理を含む施工管理担当者全般に求められる能力や適性について解説します。
現場は、工事の竣工という一つの目標に向かっていくチームのようなものです。施工管理には、このチームをまとめて引っ張っていくマネジメント能力が必要です。
工事に携わるのは、さまざまな年代や背景、立場の人たちです。施工管理はそういう人たちの意見を聞き分けて、現場を動かしていかなければなりません。
いざという時、現場を一つにまとめるには一定の人望がなければできません。そのためには、普段からの責任感のある言動や適切な指導力が求められるでしょう。
施工管理は工事を進行させる過程で、さまざまな人と接する機会があります。建築主や設計会社、協力会社、資材や機器の調達先、近隣住民等です。
そのため、会社の代表として相手とやり取りできるコミュニケーション能力は必須です。協議や打ち合わせでは、明るさと丁寧さが欠かせません。
大切なのは、相手の立場を理解し寄り添うような姿勢で接することです。それが、相手にも、こちらの状況を理解してもらう素地となります。
建設現場では、想定外のことが日常的に起こります。現場内の労災や天候不順による工期の遅れ、緊急な社会情勢の変化による資材の納入の遅延や高騰です。
どのような緊急事態にも冷静な態度で向かい、関係する部署や官庁と連絡を取り合いながら対処することが重要となります。
これまでの経験や知識をベースに対処しますが、その許容範囲を超えた場合には、責任ある上司や先輩に相談することも必要になるでしょう。
施工管理では、日常的な管理業務をこなしていくために、デジタル端末を使った写真撮影やCADをはじめとするパソコンスキルが必要です。
写真で管理状況を記録することは基本中の基本であり、最近ではCAD図面の作図や修正も当たり前のスキルです。エクセルやワードでは、基本的な操作はもちろん、簡単な関数の入力や表の作成は必須でしょう。
このような操作が普通に行えないと、特に公共工事での竣工書類の作成は難しくなります。

ここでは、建設業の品質管理に関わる業務を行うために必要な資格やおすすめの資格を紹介します。
建設工事の品質管理に携わるために必要な資格の代表的なものは「施工管理技士」です。施工管理技士資格には以下の7種類があります。
●建築施工管理技士
●土木施工管理技士
●電気通信施工管理技士
●電気工事施工管理技士
●管工事施工管理技士
●造園施工管理技士
●建設機械施工管理技士
施工管理技士は国家資格であり、受験には年齢や学歴に応じた実務経験などの受験資格が必要です。
資格には1級と2級があり、それぞれ1次と2次の2つの試験があります。令和3年度から1次試験合格者には「技士補」の資格が付与されるようになりました。
建築士の品質管理とは、完成した工事目的物が設計で定められた基準を満たしているかを確認・検証する業務です。
建築士の資格には3種類あります。一級建築士と二級建築士、そして木造建築士の3種類です。
難易度が一番高いのは一級建築士で、一般住宅から高層ビルまで幅広い範囲の建築物を設計できます。
二級建築士は、一般的な住宅や店舗規模の建築物を設計できる資格で、住宅建築を中心に設計したいという場合は二級建築士のみを目指す方も多いです。
木造建築士は木造建築のみ設計できる資格です。一般的な木造住宅程度の設計ができます。
品質管理に関わる資格認定制度もあります。代表的なものとして、技術士、コンクリート技士・診断士資格、公共建築工事品質確保技術者の3つがあります。
技術士とは、科学技術に関する豊富な実務経験と、技術者としての高い応用能力と倫理観を兼ね備えていると認められる国家資格です。
コンクリート技士・診断士資格は、公益社団法人日本コンクリート工学会が認定する資格で、国家資格ではありませんが建設業界でのニーズは高いです。
公共建築工事品質確保技術者は、一般社団法人公共建築協会が認定しており、特に公共工事の発注者側における品質確保の促進に貢献することを目的としています。
適切な品質管理を含む施工管理業務の効率化を実践するなら、業務効率化ツール「AnyONE」が有効です。
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施工管理に関して品質管理を中心に、以下の内容で解説してきました。
●施工管理における品質管理の重要性
●施工管理における品質管理の仕事内容
●施工管理における品質管理に必要とされる能力
●品質管理業務を行う際におすすめの資格
品質管理を含む施工管理で重要なのは、施工管理業務の過程を見える化し、リアルタイムな情報を各部署で共有することです。
そのためには、業務効率化ツールの活用が有効となります。
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記事監修:佐藤主計
保有資格:1級造園施工管理技士、2級土木施工管理技士
建設業界に携わり30年。公共工事の主任技術者や現場代理人をはじめ、造園土木会社の営業マン・工事担当者として、数万円から数千万円の工事まで幅広く担当。施工実績は累計約350件にものぼる。
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