【2026年最新】下請法改正で工務店はどう変わる?手形廃止・新法への実務対策
「受注は順調なのに資金繰りに追われてしまうのはどうしてだろう」
「資金繰りを改善するためには、どんな管理が必要なのか知りたい」
工務店を経営されている方の中には、このような悩みを持つ方もいるでしょう。
この記事では、工務店の資金繰りが難しいとされる原因と対策について解説します。また、資金繰りが難しいときの方策についても説明しています。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
INDEX
工務店を含む建設業では、工事を受注しても支払いは工事が完了してからという流れが一般的です。そのため、仕入費や経費、外注費などを一時的に立て替える必要があります。
つまり、受注額が大きいほど負債も大きくなるというリスクがあります。これが工務店の資金繰りが難しいとされる原因です。

工務店は、受注から入金までのサイクルが長いため、黒字倒産のリスクが高い業種です。
黒字倒産とは、帳簿上は利益が計上されているにもかかわらず、支払資金が枯渇し資金がショートして倒産することをいいます。黒地倒産する理由は売掛や手形の決済日の関係で、支払期限までに現金が入ってこないためです。
もちろん工務店が倒産する理由は資金ショートだけでなく、そこに至る背景を認識しておくことも重要です。例えば、現在でもコロナ禍による影響は残っており、半導体や木材などの資材不足は深刻で高騰が続いています。
また、慢性的な人材不足による技能者や技術者の不在で、資金繰りのために工事を受注したくてもできないという事態に陥っている工務店も少なくありません。
このような事態を未然に防ぐためには、事業計画を含む長期的な資金計画が必要です。
工務店が受領する、顧客からの代金支払い時期は、3~4回に分けられることが多いです。例えば、契約時10%、着工時30%、上棟時40%、引渡し時20%などです。
ただ、この支払スケジュールは顧客ごとに時期や支払割合はまちまちのため、工務店は安定した入金計画が立てにくくなります。資金にまだ一定の余裕があるうちに、顧客に対して、支払サイトを短くしてもらったり支払割合の変更を依頼したりすることも重要です。
上記の例でいえば、契約時10%、着工時50%、上棟時30%、引渡し時10%に変更してもらうだけで資金繰りにとっては大きなプラスになります。顧客ごと工事ごとに支払スケジュールを確認し、ショートの懸念がある時は、金融機関の融資やファクタリングの利用を早めに検討することも必要です。
住宅関連の建材・設備の価格高騰や納期遅延の影響で工務店の経営が悪化して、これが資金繰りにも影響を与えています。
これまでの工務店の平均利益率は25%前後でしたが、材料の他、人件費も高騰が続いているため利益率は低下傾向にあります。
利益率は以下の計算式で求められます。
利益率=利益額÷売上高×100%
売上は順調に伸びているのに収益が伸びず、資金繰りが厳しいというケースでは、以下の点を見直す必要があります。
●売上だけではなく年間粗利額の目標を設定する
●現場に応じた適正な利益率を設定する
●利益率が下がった原因の特定する
利益率を高める対応を進めながら原価や固定費を減らす努力をして、品質や顧客満足度に応じて単価を引き上げていけば資金繰りの難しさは緩和されるはずです。
現状の資金繰りに不安を感じている場合は資金の管理方法を見直してみる必要があります。資金繰りを安定させるポイントについて解説します。

資金繰り表とは、今後の一定期間における資金の増減をシミュレーションするためのツールです。必ず押さえておく必要がある項目は、前月繰越金額、経常収支、財務収支、翌月繰越金額の4つです。
資金繰りを安定させるためには、長期的な計画が必須となります。そのためには中長期の資金繰り表の作成が必要であり、短期(1か月程)の資金繰り表だけでは不十分で危険です。
1~2か月程先までの資金繰り表は、現金・預金の手元残高、売掛金・買掛金などの資料で作成できます。しかし、半年から1年以上先の資金繰り表作成には、「事業計画書」が必要です。
この事業計画書が適確であるほど、精度の高い資金繰り表が作成できます。
工事現場ごとに予算と実績を比較し、資金の流れを管理・監視することを「予実管理」といいます。
現場の運営は、外的な要因による変動の影響を受けやすいです。原材料や燃料費の高騰、天候条件、想定外のトラブルによる工期の延長などです。
予算と実績の差異を把握して、問題点を早期に発見し改善することで、当初の計画からの逸脱を回避します。
また予実管理の結果を記録し、今後の工事予算書作成に活用すれば、精確な利益率の算出や無駄なコストの削減に役立てることができるでしょう。
入金・出金のサイクルを把握することは、資金不足に陥らないようにするための基本です。できる限り入金は早めに、出金は遅めにと資金の流れをコントロールすることが重要になります。
建設業では、工事開始から工事代金の回収に時間がかかります。たとえば。下請の場合は元請からの入金は40日程から、2か月、4か月など長期間かかることも珍しくありません。
しかし待ったなしで発生する出金は多いです。社員や自社で抱える職人さんの給料は同月内、資材費や外注費などは翌月には立替払いが必要です。
工事現場ごとに月毎の入金・出金管理表(予定表)を作成し、入金・出金のサイクルを把握することで、事前に資金不足に対する対策を練ることができます。
不要な経費を削減し、コストを見直すことは資金繰りを改善する効果的な方法です。
工務店の方に、まず注目すべきコストは、火災保険や賠償責任保険などの費用設定が適切かどうかの確認です。損害保険料は高額になりやすいため、削減できれば大きな成果になります。
次に検討すべきは、外注の効果的な活用です。社員への給料の支払いは社会保険料や消費税などの経費が増えるということでもあるからです。特に繁忙期と閑散期で仕事量に大きな変動がある工務店では、社員のように使える外注先を持つことは利益確保のために必要でしょう。
その他としては、発注者や元請けに同程度の品質なら安い材料を選べる選択肢を増やしてもらったり、支払サイトが長いゼネコンからの下請は漸減したりする方法があります。コストを見直し、事業内容を改善することは、資金繰りの難しさを緩和することに直結します。
資金繰りの工面が難しいときの方策を準備しておくことも企業経営には必要なことです。ここでは、金融機関の融資、ファクタリング会社、資金化できる資産を準備するという3つの方策について説明します。

金融機関の融資は、他の借り入れ先と比較して金利負担は抑えられますが、案件管理表や資金繰り表を根拠に融資がいくら必要なのかを求められます。この審査に1か月程かかるため、時間的な余裕があるときの資金調達方法となります。
金融機関の融資には、短期と長期の2種類あります。短期は半年程の工期の工事を受注したときの立替払いなどのため、長期は会社を経営していくための運転資金として5年程の期間で借り入れするものです。
最終的には、短期と長期を併用することが多いです。
ファクタリング会社とは、売掛債権を買い取って現金化するサービスを行う会社で、法的には債権の売買(債権譲渡)契約になります。主に中小企業や個人事業主に利用されることが多く、迅速に資金調達したいときに利用されます。
ファクタリング会社は、入金額や期日が決まっている売掛債権以外は買い取りません。
ファクタリングには、2社間と3社間のファクタリングがあります。
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社間の契約で、取引先に知られることがありません。3社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社、取引先の3社で契約する方法です。
3社間では、取引先から直接ファクタリング会社に支払われるのが特徴で、支払の回収リスクが軽減されるため手数料は安く設定されています。
ファクタリング会社の手数料の相場は、2社間で10~20%、3社間で1~10%程です。
資金が明らかに足りなくなり、資金調達を行うことが急務となる場合のために、資金化できる資産を準備しておくことも検討すべきです。
事業に使われておらず利益を生み出さない資産の資金化がポイントで、不動産やゴルフ会員権などの売却が考えられます。
ただし将来的に企業に利益をもたらす可能性がある、特許、商標、営業権などの資金化には慎重な検討が必要でしょう。
工務店の資金繰りを改善するなら、業務効率化ツールである「AnyONE」がおすすめです。
短期から中長期の資金繰り表の作成、現場の予実管理と入金・出金サイクルの把握には、日々の業務管理で積み上げられたデータがベースになります。
AnyONEは、エクセルに保存された工事原価情報やCADの積算情報と連携できます。
さらにAnyONEはエクセルと似た操作感を持っており、ITツールが苦手な方でも操作方法に迷うことが少ないです。加えてAnyONEは以下の機能にも対応しています。
【AnyONEの機能】
顧客管理
帳票管理
工事管理
物件管理
実行予算管理
支払い管理
請求・入金管理
図面・写真管理
アフター・メンテナンス管理
AnyONEは工事にかかわるお金の管理を一括でおこなえるため、現場ごとの利益の推移を簡単に把握できます。予定よりも利益が少ない場合は、積算・見積り・実行予算いずれかの段階に原因があるケースが多いです。
AnyONEを活用すれば、各段階の利益推移を簡単に追えるため、低利益工事・赤字工事となった原因の分析が簡単に行えることも人気の理由となっています。
本記事では、工務店の資金繰りについて、以下の内容で解説しました。

●工務店の資金繰りが難しいとされる原因
●資金繰りを改善するための管理方法
●資金繰りが難しいときの方策
資金繰りを改善するために、工事ごとに入出金サイクルを管理したり、無駄な経費を削減しコスト管理したりすることは結果的に事業全体を改善することに繋がります。
そのためには業務を効率化して各部署がデータを共有し、できる限りリアルタイムで現場の状況が「見える」ことが重要です。業務の効率化や可視化に役立つツールが、業務効率化ツールです。
記事で最もおすすめする業務効率化ツールは「AnyONE」です。
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記事監修:佐藤主計
保有資格:1級造園施工管理技士、2級土木施工管理技士
建設業界に携わり30年。公共工事の主任技術者や現場代理人をはじめ、造園土木会社の営業マン・工事担当者として、数万円から数千万円の工事まで幅広く担当。施工実績は累計約350件にものぼる。
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