【2026年最新】下請法改正で工務店はどう変わる?手形廃止・新法への実務対策
建設業の見積は、物品の販売やサービスの提供についての見積よりも作成が複雑です。
たとえば建設業の仕事は、使用する燃料費や資材費は社会情勢の変化の影響を受けやすく、工事をする場所の立地条件や天候、施工方法によっても工事金額は左右されます。
また、建設業の見積書内訳を作成するためのベースとされる建設物価や土木施工単価、積算資料などを活用しながら、工事ごとの特性を考慮することも重要です。
この記事では、建設業の見積書内訳の重要性と構成要素のほか、作成を効率化するポイントについても紹介します。
INDEX
建設業での見積書内訳は、受注する工事の適正金額を決めるため、算出には精確性が求められます。精確性とは、最新の市場単価に基づき、工事内容を網羅しているということです。
また発注者は、見積書内訳で使用材料や作業の内容、費用などを確認できるため、提出した業者に安心感や信頼感を持つことができます。
高い精確性を持ち、発注者から信頼を得るための見積書内訳の作成手順と、見積書を構成する表紙・内訳・条件書のそれぞれの役割を解説します。
見積書内訳の作成は、発注された工事の内容を理解することから始まります。
発注者による現場説明や図面説明を受け、内容に関しての協議や質問事項の応答を行い、発注者と受注者の間で齟齬がないようにします。現在、これらはWeb上で完結することも多いです。
その後に設計図書を精査しながら見積金額を算定しますが、建設工事はいくつかの工種を複合的に仕上げていくことが一般的です。
たとえば一軒の住宅を建築するには、基礎工事、躯体工事、外装・内装工事、電気工事、管工事など、さまざまな工種を施工して完成を目指します。
そのため、まず各工種の費用を算定し、それらを合計した直接工事費計に経費を付加していくというのが見積書内訳作成の大きな流れです。
見積書は通常、見積表紙、見積内訳書、見積条件書の3つで構成されます。それぞれに記載する内容は以下の通りです。
・見積表紙
工事名、発行の日付、見積書の宛先、見積金額合計、見積書の有効期限、工事場所、工期、支払い条件、見積書を作成した会社名など。
・見積内訳書
工種(項目)の名称、材料の名称、数量、単位、単価、工種ごとの見積金額、備考など。さらに各経費の金額を明記し、この合計は見積書表紙の金額と合致している必要があります。
・見積条件書
見積書が発注者の提示した条件に対応したものであることを再確認するための書面。発注者が作成することも多いです。
見積表紙は定型的な書面であり、見積条件書は発注者の提示した条件を再確認するためのものです。しかし見積内訳書は、見積作成者のスキルが反映されることも多く、見やすさや分かりやすさが求められる重要な部分であると言えます。
建設業の見積書内訳は、歩掛を基に積算して作成します。歩掛とは材料費+施工費のことで、この歩掛を基に細目の金額を積上げて、工種ごとの金額を算出するのが積算です。
建設業の見積は、歩掛や積算によって作成された見積書内訳で決まります。この見積書内訳を作成する際のポイントについて説明します。
建設業で使用する材料関連の価格は、常に最新のデータに更新されている必要があります。単価では僅かな違いであっても、建設業では数量が大量になることが多く、結果的に大きな価格差になるためです。
建設物価や積算資料などは最新のデータが記載されたものが必要です。これらに載っていない資材は直接メーカーに問い合わせたり、Web上で価格調査したりしなければなりません。
建設業で何か建築物や構造物をつくるとき、複数の作業の連携であることがほとんどです。その各作業の歩掛を積算して、各工種の合計金額を算出し、さらに各工種の合計金額が工事価格となります。
各作業の歩掛は、材料費+施工費です。施工費とは、その材料を使用して目的物を完成させるのに必要な労務費、車両費、建設機械費などの合算です。一般的には「人工」として捉えられることも多いです。
建設業では、同様の工事であっても、工事期間の気候や現場の立地、施工方法で見積金額は違ってきます。
たとえば同じ面積の舗装工事であっても、夏と冬では使用材料や養生期間が違うことがあります。現場へのアクセスが悪くて重機が進入できなければ効率が落ちるため、人工は割増ししなければなりません。
また同じアスファルト舗装でも、排水性舗装、透水性舗装、保水性舗装では歩掛は違います。以上のような工事条件や施工方法を把握して、精確な積算をする必要があります。
公共工事に代表される建設業の工事費の構成は、直接工事費と共通費、及び消費税等相当額で構成されます。直接工事費も共通費も、さらに細かい費目に区分されます。
見積書内訳を作成するためには、それぞれの費目の違いを理解しておかなければなりません。
ここでは、それぞれの費目の内容について説明します。
直接工事費は、大きく作業者の労務費と材料費、車両・建設機械費に区分されますが、施工現場において産業廃棄物が発生する場合は処分費も直接工事費に含みます。
労務費は直接労務費と間接労務費に分けられます。直接労務費は建設現場において直接作業者に支払われる労務費で、間接労務費とは休業・有給手当や社会保険料、福利厚生費などのことです。
以下は、直接労務費の計算方法です。
・直接労務費=賃率(賃金÷作業時間)×施工時間
毎年度に1回、国土交通省で職種別の「公共工事設計労務単価」が公表されており、これを参考に積算する企業が多いです。
材料費とは、工事を施工するのに必要とされる資材全般のことです。製造原価の一つに分類される費用です。
材料費の分類は、発生形態や消費形態で分類されます。発生形態では素材費、買入部品費、燃料費などに分類され、消費形態では主要材料、補助材料、仮設材料などで分類されます。
自社所有の建設機械などの償却費や維持管理費、及び管理費は機械経費とされ、損料として労務費や材料費にプラスして積算します。
車両や建設機械をレンタルした場合は賃料としての扱いになり、国土交通省の「建設機械等賃料積算基準」に基づいて積算するのが一般的です。
事業活動で発生した産業廃棄物は、廃棄物処理法で定められた20種類のいずれか、もしくは混合物として処理・処分しなければなりません。
廃棄物の運搬や処理・処分を行う業者は、自治体の認可を受けた業者が行うと定められています。また費用は自治体ごとに標準があり公表されていますので、それに基づいて積算します。
共通費とは、建設工事の施工自体と直接関係はしないものの、工事を行うのに必要となる費用のことです。代表的なものとして、共通仮設費、一般管理費、現場管理費、法定福利費などが挙げられます。
共通仮設費とは、工事を完成させるのに共通的に必要になる経費のことです。現場事務所の営繕費、準備や後片付けに要する費用の準備費、現場の安全対策などに要する費用などが該当します。
これに対して直接仮設費は、施工に直接必要となる足場や養生などの仮設物を設置・撤去する費用のことで、直接工事費に含まれます。
一般管理費とは、本社や営業所の光熱費や通信費、社員の給与、福利厚生費など工事関連の経費とは直接関係しない、会社を運営していくための経費のことです。
国土交通省は、2022年4月に土木工事に適用する一般管理費率の上限と下限を引き上げました。建設業者に利益をしっかり確保させることで、社員の待遇の向上を目指し、人材の流入を促進させるためです。
現場管理費は、建設現場の管理にかかる費用のことです。現場代理人や現場技術者の給与や交通費、工事保険料、現場事務所でかかる通信・事務用品費などを指します。
施工に直接関わる費用ではありませんが、工事の適正な運営管理に関わる重要な経費です。
法定福利費は、労働基準法や健康保険法で事業主が必ず負担するものと定められた、現場で働くすべての人を対象とした福利厚生費です。
全額を事業主が負担する労災保険を除き、事業主と従業員それぞれの負担分があり、一般的に従業員負担分は給料支払い時に天引きされます。
建設業の見積書内訳は、まず工事費用を階層化して捉え、細目の金額を積上げて工種ごとの金額を算出した合計が直接工事費になります。
この直接工事費に標準的な共通費(諸経費)をプラスして工事価格が算定されるという流れです。
以上のプロセスを高い精確性を維持しながら行うのは難易度が高く、それ相応の時間もかかってしまいます。ここでは、この見積書内訳作成の効率化について解説します。
以下は、見積内訳書の記載例です。
上記記載例からも分かるように工事費用が階層化され、細目の金額を積上げて直接工事費となり、共通費が付加されて工事価格が記載されています。
なお建設業の下請業者が元請業者に見積書内訳を提出する際には、法定福利費を明記する必要があります。
見積書内訳作成の効率化のために、エクセルやワードで作成し、データ保存して次の作成時に活用している方は多いです。またネット上の無料テンプレートを使用している方もいらっしゃるでしょう。
しかしそれでは、見積書と実行予算や発注管理などを相補的に結びつけて、業務全体を戦略的に効率化することが難しいです。
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見積書作成を効率化できるだけでなく、実行予算や発注管理などの各種帳票をエクセルのような操作感で作成可能です。
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今回は建設業の見積書内訳の重要性や内容の構成、歩掛で積算する費目の種類と概要について解説しました。
他業種と比較してITの活用による業務の効率化が進んでいないとされる建設業界ですが、AnyONEのような業界に特化した業務ソフトを導入することで、遅れはすぐに挽回できるはずです。
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