工期延長の理由と原因|延長時の対応と伝え方まで解説

工期延長の理由と原因|延長時の対応と伝え方まで解説

工期延長は現場担当者や工務店が避けたい状況の1つです。
しかし想定外のトラブルで計画通りに工事が進まず、工期延長を施主に依頼しなければならない工事もあるでしょう。
「どう伝えればいいのか」「信頼を失わないか」と悩む担当者も多いテーマです。

本記事では、工期延長となる原因や延長となった場合の影響、工期延長となった場合の対処法、お願いの仕方について解説します。
工期延長の対処法について知りたい方は、最後まで読んでください。

 

 

工期延長が発生する主な理由・原因

工期延長につながる原因は下記の5つです。

●設計段階での不備・認識ズレ
●施工ミス・現場判断の遅れ
●資材不足・調達遅延
●人手不足・職人手配の問題
●天候・災害など不可抗力の影響

工期延長となる原因は1つではありません。あらゆる原因が複雑に絡み合って工期延長につながるケースが多いです。
工期延長となる原因を把握して、適切な対処法を考えましょう。

設計段階での不備・認識ズレ

1つ目の原因は設計の不手際です。設計の不手際とは以下のケースを指します。

●納期通りに図面が完成しない
●施主の意向を図面に落とし込めていなかった

図面が完成しなければ着工できないため、予定していた工事期間を短縮できなければ工期延長の原因となります。
これらは事前の確認体制を整えることで、防げる可能性が高い原因です。

施工ミス・現場判断の遅れ

2つ目の理由は施工ミスです。施工ミスが発生すると、後工程が遅れる原因にもなりやすいです。施工ミスが発生する原因は、主に下記の4つが挙げられます。

●打ち合わせ不足
●現場監督の施工の指示ミスや説明不足
●現場監督・協力業者の図面の見間違い
●突貫工事

最悪のケースでは施工ケースが発生すると、後工程は施工図から書き直すこともあります。施工図の書き直しが必要になると下記の作業が発生するため、非常に手間です。

●書き直し内容の打ち合わせ
●施工図の修正
●現場監督のチェック
●現場監督からの修正指示
●修正指示の反映
●承認

施工ミスが生じると、上記の作業があらゆる工事で発生する可能性が高いです。そのため、施工ミスは工期延長の原因となります。

資材不足・調達遅延

3つ目の原因は資材不足です。最近は下記の事情が複合的に絡み合って、資材の購入・調達ができず工事を止めてしまうケースも珍しくありません。

●コロナ禍
●半導体不足
●ロシアによるウクライナ侵攻

上記のような事情で工場が稼働しない、材料が調達できない事態が起こっていました。建築物に必要となる照明やトイレ、エアコンなどが現場に搬入されないといつまで経っても竣工できず、工期延長の原因となります。

人手不足・職人手配の問題

4つ目の原因は人手不足です。ここ数年は東京オリンピックや大規模再開発の影響で、職人に対する需要が高まっていました。特に熟練の職人に対するニーズは高く、現場同士の取り合いになっていたという話もよく耳にします。

またガードマンだけが揃わず、安全の観点からいつまでたっても着工できないケースも珍しくありません。建設業界は退職者が多く高齢化も進行しており、他業界よりも人手不足が進んでいます。

さらに2024年4月からは残業時間の規制が始まります。そのため人手不足の中、従来よりも短い時間で工事を完成しなければいけません。もし間に合わなければ、工期延長となってしまいます。

人手不足解消の鍵は女性にあります。こちらの記事では女性を施工管理で採用するメリットについて解説しています。人手不足で悩んでいる工務店経営者は、参考にしてください。

天候・災害など不可抗力の影響

5つ目の原因は、天災や災害の影響です。大雨・台風・大雪などを指します。

豪雪地帯では、大雪が降るとトラックが動けなくなり、現場に材料が搬入できないケースも珍しくありません。
また、前述したようにコロナ禍によって材料が調達できないこともありました。また、現場関係者がコロナに罹り人手不足になっている現場もあります。
これらは現場努力だけでは回避が難しく、工期延長の説明が必要になる代表的なケースです。

工期延長が現場・工務店に与える影響

工期延長の影響は下記の3つです。

●後工程の予定が崩れる
●原価率が上がる
●残業時間が増える

後工程・協力業者のスケジュールが崩れる

工期を延長しなければならない状況は、後工程で現場に入る協力業者の予定が崩れる原因となります。予定が崩れると材料・職人の手配を再度おこなう必要があり、手間がかかります。

また予定通りに現場に入れないと、「納期に間に合わせなければ」との焦りから施工ミスにつながりやすいです。さらに、他業者と資材置き場や機材の使用について打ち合わせする手間も生じます。

工期延長になった場合は再度打ち合わせをおこない、後工程の予定を組み直して問題が発生しないようにしましょう。

原価率が上昇し、利益を圧迫する

工期延長になると、工事の減価率が上がります。減価率を高める要因は主に下記の2つです。

●リース品の延長料金が発生するため
●特別料金で人手を用意するため

リース品は使用日が増えると、リース料が高まる仕組みです。そのため工期が延長になると、延長した日数分だけリース料の負担が増えます。

また工期延長となると、確実に竣工日に間に合わせるため追加で人員を手配するケースが多いです。現場によっては夜間も工事をおこなうこともあり、夜間工事の費用が嵩むケースも珍しくありません。

原価が増えると利益を圧迫し、低利益率工事・赤字工事へつながります。適正な利益を残すためには、原価管理システムを導入してお金の流れを把握することがおすすめです。

残業増加による品質低下・二次トラブル

工期延長は残業時間が増える可能性があります。工期の遅れを最小限にするために、残業により作業時間を伸ばそうとすることが原因です。

残業時間が増えると、体や精神にストレスが大きくなるため施工ミスにつながりやすくなります。施工ミスが起きるとミスを取り戻すため、さらなる残業が必要になるケースもあり注意が必要です。

工期延長が避けられない場合の対応フロー

工期延長が避けられないと判断した場合は、感情的に動くのではなく、順序立てて対応することが重要です。
対応を誤ると、施主との信頼関係の悪化や、不要なトラブルにつながる可能性があります。

①社内(上司)への報告と状況整理

ここでは、工期延長が必要になった場合に現場担当者・工務店が取るべき対応フローを解説します。
まずは、社内で状況を正確に整理し、上司へ報告をおこないましょう。
この段階では、以下の点を明確にすることが重要です。

●どの工程で遅れが発生しているのか
●遅れの原因は何か(自社要因/外部要因)
●当初の工期に間に合う可能性はあるのか
●延長が必要な場合、何日程度の延長が見込まれるのか

現場判断だけで「何とかなるだろう」と進めてしまうと、結果的にさらに遅れが拡大するケースも少なくありません。
確実に間に合わないと判断した時点で、工期延長を前提に社内判断を仰ぐことが重要です。

②契約内容・罰則金(遅延損害金)の確認

次に、工事請負契約書の内容を必ず確認しましょう。
特に以下の項目は、工期延長時に大きく影響します。

●工期延長に関する条項の有無
●遅延損害金・違約金の記載
●天候や不可抗力に関する取り扱い

店舗・事務所などの非住宅工事では、「1日あたり〇円」といった形で遅延損害金が定められているケースも珍しくありません。

工期延長による原価増加+罰則金が重なると、利益を大きく圧迫し、赤字工事につながる可能性もあります。
施主から指摘されて初めて契約内容に気づくことがないよう、施主へ連絡する前に必ず確認しておきましょう。

③施主へ工期延長の連絡・相談をおこなう

社内判断と契約内容の確認ができたら、施主へ工期延長の連絡をおこないます。
この際に重要なのは、「遅れてから報告する」のではなく、遅れが確定する前、もしくは早い段階で共有することです。

施主への連絡では、以下の点を明確に伝えましょう。

●工期延長が必要となった事実
●延長に至った理由(簡潔かつ客観的に)
●何日程度の工期延長が必要なのか
●今後の工程や対応方針

曖昧な説明や一方的な報告は、「管理ができていない」「誠実さに欠ける」と受け取られる原因になります。
整理された情報をもとに、相談する姿勢で伝えることが、施主との信頼関係を維持するうえで非常に重要です。

④協力業者・関係者への共有と工程の組み直し

施主への連絡と並行して、協力業者や関係者への共有も忘れてはいけません。
工期延長が発生すると、以下のような影響が出やすくなります。

●他現場との職人・資材の調整
●再手配によるコスト増加
●繁忙期における人手確保の難航

特に年度末や繁忙期は、協力業者のスケジュール調整が難しくなるため、できるだけ早い段階での共有が重要です。
工期延長が決まったら、工程表を組み直し、関係者間で認識を揃えましょう。

⑤ 再発防止に向けた原因整理と対策検討

工期延長への対応が一段落したら、なぜ工期延長に至ったのかを振り返ることも重要です。

●事前に防げた原因ではなかったか
●工程計画に無理はなかったか
●情報共有や判断の遅れはなかったか

原因を整理し、次の工事に活かすことで、同じ理由による工期延長を防ぐことができます。
工期延長は避けたい事態ではありますが、対応次第で信頼を失うか、むしろ高めるかが分かれる局面でもあります。

施主へ工期延長を伝える際のポイント

工期の延長をお願いする際は以下の3点を明確にしましょう

●結論
●理由
●何日工期を延長するのか

【例文あり】工期延長をお願いするメール文面

施主に工期延長をお願いする場合は、下記のような文面でメールを送ります。
状況に合わせて変更してください。


●件名
工期遅延のお詫びと工期延長のお願いについて

●本文
〇〇様

お世話になっております。
株式会社〇〇工務店の〇〇です。

この度は、工期延長をお願いしたく、メールいたしました。
竣工が遅れてしまうと、〇〇様の予定が崩れることは重々承知しておりますが、〇〇が理由により弊社の努力では、当初の予定通り完成させることが不可能と判断しました。

つきましては工期を〇〇日延長していただけないでしょうか。

改めてお詫びとお願いにはお伺いしますが、まずは工期の延長までお願い申し上げます。


 

工期延長・工程管理の属人化に悩んだら「エニワン」

工期延長の多くは、現場の進捗が正確に把握できていないことや、情報共有の遅れ・伝達ミスが原因で発生します。
とはいえ、

●現場ごとに管理方法がバラバラ
●進捗は担当者の「感覚」頼り
●工程変更の履歴が残らない
●事務所と現場のやり取りに時間がかかる

こうした状態では、工期遅延を完全に防ぐのは難しいのが現実です。

AnyONE(エニワン)なら、工期管理を「見える化」できます。
建設業向け業務管理システム AnyONE(エニワン) では、

●工程表・進捗状況をリアルタイムで共有
●工期変更・調整履歴をデータで一元管理
●現場・事務所・協力会社との情報共有を効率化
●属人化しがちな管理業務を仕組みでカバー

といった形で、工期延長の“予兆”を早期に把握し、トラブルになる前の対応を可能にします。
「今の管理方法で本当に大丈夫だろうか?」そう感じたタイミングが、見直しのベストタイミングです。

 

まとめ

本記事では、工期延長となる原因や延長となった場合の影響、工期延長となった場合の対処法、お願いの仕方について解説しました。工期延長となる原因は下記の5つです。

●設計段階での不備・認識ズレ
●施工ミス・現場判断の遅れ
●資材不足・調達遅延
●人手不足・職人手配の問題
●天候・災害など不可抗力の影響

工期延長は可能な限り避けなければなりません。しかし、天災やコロナ禍の影響など想定外の事態により、当初の予定通り作業が進まないことは珍しくありません。そのため普段から工程に余裕を持つ、工程表を作成してしっかりと管理するといった対策が必要です。

正確な工程管理をおこなうためには、工程管理ソフトの導入がおすすめです。工程管理ソフトは、工程の情報共有が簡単におこなえる、手間がかからず工程表の作成が可能といったメリットがあります。
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