現場管理費とは?相場や内訳、経理担当が知っておきたいコスト削減法
屋根工事は工法や素材によって工程が大きく異なり、さらに天候の影響を強く受けるため、スケジュール管理が難しい工種のひとつです。工程表を正しく作成できていないと、工期の遅延や品質トラブルにつながるおそれがあります。
本記事では、屋根工事の種類別工程表の例や、作成時の注意点、チェックすべきポイントをわかりやすく解説します。正確で見やすい工程表を作ることで、現場の混乱防止と工事品質の安定を実現しましょう。
INDEX
新築における屋根工事は、建物全体の工事スケジュールの中で重要な位置を占めます。屋根の材質によりますが、新築の屋根工事は約7~10日間で完了します。具体的な工程は以下の通りです。
| 工程 | 作業内容 | 所要日数 |
|---|---|---|
| 1日目 | 野地板の設置 | 1日 |
| 2日目 | 防水シート(ルーフィング)施工 | 1日 |
| 3~4日目 | 瓦桟・下地材の取り付け (瓦・鋼板屋根の場合) |
2日 |
| 5~7日目 | 屋根材(瓦・スレート等)の施工 | 3日 |
| 8日目 | 棟・軒先等の仕上げ | 1日 |
| 9日目 | 雨樋の設置 | 1日 |
| 10日目 | 清掃・最終検査 | 1日 |
新築工事では、大工工事が終わってから屋根工事に入るため、建物全体の進捗と調整しながら進める必要があります。とくに防水シートの施工後は、速やかに屋根材を設置することで、雨漏りのリスクを最小限に抑えられます。
また、各工程の間には必ず検査を挟むことで、施工品質を確保し、後々のトラブルを防ぐことが可能です。
屋根葺き替え工事は、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材に交換する工事です。工事期間は約6~8日間が標準的で、以下のような工程で進められます。
| 工程 | 作業内容 | 所要日数 |
|---|---|---|
| 1日目 | 足場設置・養生 | 1日 |
| 2日目 | 既存屋根材の撤去 | 1日 |
| 3日目 | 下地の補強・調整 | 1日 |
| 4日目 | 防水シート施工 | 1日 |
| 5~6日目 | 新規屋根材の施工 | 2日 |
| 7日目 | 棟・軒先の仕上げ | 1日 |
| 8日目 | 清掃・足場撤去 | 1日 |
葺き替え工事では、既存屋根の撤去時に下地の腐食や損傷が発見されることがあります。そのため、下地補修の工程を確実に設けることが重要です。
工事中は建物内への雨水侵入を防ぐため、養生を徹底し、天候を見ながら作業を進めることが品質確保の鍵となります。
屋根塗装工事は、既存の屋根材を塗装によってメンテナンスする工事です。一般的に6~8日間で完了し、以下のような工程で進められます。
| 工程 | 作業内容 | 所要日数 |
|---|---|---|
| 1日目 | 足場設置 | 1日 |
| 2日目 | 高圧洗浄・下地処理 | 1日 |
| 3日目 | 乾燥 | 1日 |
| 4日目 | 錆止め・下塗り | 1日 |
| 5~7日目 | 上塗り(2~3回) | 2~3日 |
| 8日目 | 足場撤去・清掃 | 1日 |
屋根塗装では、各塗装工程の間に十分な乾燥時間を設けることが重要です。とくに高圧洗浄後は、完全に乾燥させてから塗装作業に入る必要があります。また、塗料の種類によって乾燥時間が異なるため、使用する塗料の仕様を確認して工程を組むことが大切です。
天候による影響を受けやすい工事のため、予備日を設定しておくことで、品質を保ちながら確実に完工できます。
カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて施工する工法です。工事期間は約4~6日間で、以下のような工程で進められます。
| 工程 | 作業内容 | 所要日数 |
|---|---|---|
| 1日目 | 足場設置・既存屋根の点検 | 1日 |
| 2日目 | 棟板金等の撤去・下地調整 | 1日 |
| 3日目 | 下葺き(防水シート等)施工 | 0.5日 |
| 3~4日目 | 葺き替え | 1.5日 |
| 5日目 | 棟・軒先の仕上げ | 1日 |
| 6日目 | 清掃・足場撤去 | 1日 |
カバー工法は、既存屋根の撤去が不要なため、工期短縮とコスト削減が可能です。しかし、既存屋根の状態によっては施工できない場合があるため、事前の点検が重要になります。
屋根工事の工程表を作成する際には、以下の3つの重要なポイントに注意する必要があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
屋根工事の工程表には、必ず検査工程を明記しましょう。
検査工程を工程表に組み込むことで、施工品質の確保と工事ミスの早期発見につながります。
具体的には、下記のタイミングで検査を設定すると良いでしょう。
また、各工程の間に検査を挟むことで、施工品質を確保し、将来のトラブルを防げます。工程表作成時は、各検査にかかる時間も含めて、現実的なスケジュールを組むことが大切です。
屋根工事の工程表作成では、天候による作業への影響を必ず考慮する必要があります。
屋根工事は屋外作業のため、雨天時は作業を中止せざるを得ません。とくに防水シートの施工や屋根材の設置時に雨が降ると、野地板の腐食や劣化が促進され、危険です。そのため、工程表には予備日を設定し、天候不良による遅延に対応できる余裕を持たせると良いでしょう。
季節や地域の気候特性を踏まえ、雨の多い時期には通常より多めの予備日を設定しておくと安心です。
工程表の作成と同時に、施工計画書も作成することが重要です。
施工計画書は下記点を具体的に記載します。
これにより、工程表に記載された各工程が実際に実施可能かどうかを確認できます。また、施工計画書があることで、協力業者との連携も円滑になり、材料の手配や職人の確保もより計画的に進められます。
工程表と施工計画書を連動させることで、より精度の高いスケジュール管理が可能です。
屋根工事の品質を確保するためには、工程の各段階で下記のような重要なポイントをチェックすることが必要です。
それぞれ詳しく説明していきましょう。
まず確認すべきは「下地の状況」です。
屋根工事において下地は建物全体を支える重要な基盤となります。屋根の下地となる野地板の状況を工事開始前に確認する必要があります。
具体的には以下のように確認しましょう。
【新築工事】
屋根の上や小屋裏から不陸や段差、釘の留付け不良などを確認する
【リフォーム工事】
小屋裏から雨漏りや劣化状況を確認する
下地に問題が見つかった場合は、補修や補強を行ってから次の工程に進みましょう。工程表にも下地確認の時間を十分に確保し、必要に応じて補修期間を設けることで、長持ちする屋根工事を実現できます。
次に重要なのが「防水シートの施工状況」の確認です。
屋根材の下にルーフィングと呼ばれる防水シートを敷きます。防水シートは万が一屋根材から雨水が侵入した際に雨漏りを防ぐ重要な役割を担っています。
防水シートは下記のポイントを参考に、適切に施工されているかチェックしましょう。
防水シートの施工不良は、完成後には確認できない部分であるため、現地での確認はもちろん、施工中の写真撮影による記録が重要です。
防水シートの施工は、屋根の寿命を大きく左右するため、確実に検査を行いましょう。工程表では防水シート施工後の検査時間を設け、施主様への報告も含めて計画することが望ましいです。
「材料の検品」も見逃せません。屋根材やビスなどの副資材が施工要領書通りの製品であるかを、工事開始前に確認するのが大切です。
屋根材は形状や副資材のバリエーションが多いため、発注ミスや納品ミスが起こりやすい部分です。
検品を怠ると、色違いが起こったり、異なった材料を使ってしまったりなどのトラブルにつながります。特にビスが指定のものでないと、劣化を促進させる原因になるので注意しましょう。
工程表には材料搬入と検品の時間を明記し、問題があった場合の対応期間も考慮しておくと検品漏れがなく工事が進められます。
最後に確認すべきは「屋根材や雨樋などの固定状況」です。
屋根材の固定が不十分だと、強風時に屋根材が飛散したり、雨樋が外れたりする危険性があります。また、雨樋については水勾配の確認も重要で、適切な勾配がないと雨水があふれる原因となります。
具体的には以下の点についてチェックしましょう。
工事完了前には必ず全体の固定状況を点検し、不具合があれば速やかに手直しを行います。
屋根工事の工程について、施主からよく寄せられる質問は主に2つあります。
それぞれ詳しく説明していきましょう。
施主様への進捗報告は、基本的に各工程の節目ごとに行うのがポイントです。
具体的には、下記のように屋根工事の主要タイミングでの報告が理想です。
これにより施主様は工事の進行状況を把握でき、不安を感じさせず工事を任せられます。先に述べた検査タイミングと重なるので、検査報告書を添えて進捗報告すると丁寧です。
防水処理前に工事中に雨が降った場合は、工事を一時中断し、適切な養生を行うことが基本的な対処法となります。
雨が上がった後は、濡れた部分を十分に乾燥させてから工事を再開します。無理に工事を進めると施工不良の原因となるため、防水処理前の工事は注意しましょう。
ここまで解説したように屋根工事は種類や工法によって工程表や注意点が異なります。また天候によって工程が左右される工種です。そのため、工程表の作成や管理には手間がかかります。
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屋根工事の工程表は、工期管理と品質確保の両立に欠かせません。新築、葺き替え、塗装、カバー工法など工事の種類によって工程が大きく異なり、それぞれに適した工程表の作成が求められます。
工程表作成では、検査工程の明記、天候による影響の考慮、施工計画書の作成が大切です。
また、今回紹介した各工程でのチェックポイントを押さえることで、施工品質を確保できます。
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