リフォームの諸経費とは?施主様に説明するポイントも解説

リフォームの諸経費とは?施主様に説明するポイントも解説

リフォームの諸経費とは、現場管理費・一般管理費など、工事本体以外に発生する費用の総称で、相場は工事金額の10〜15%が目安です。

株式会社矢野経済研究所の「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2025年)」によると、住宅リフォームの市場規模は堅調に推移しており、2024年には約7.4兆円に達したと推計されています。

今後も既存ストックの有効活用や省エネリフォームの需要拡大を背景に、2030年代に向けてさらなる市場の維持・拡大が見込まれており、これからリフォーム事業への本格的な参入・注力を検討している会社も多いはずです(【参照】住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2025年)-株式会社矢野経済研究所)。

本記事では、これからリフォーム市場へ参入を検討している方に向けて、トラブルが発生しやすいリフォームの諸経費について解説します。本記事を一読すれば、施主様とリフォームの諸経費についての考え方や、施主とのトラブルを防ぐ方法を理解できます。

 

リフォームの諸経費とは?

新築工事・リフォームの諸経費とは、通信費や備品代などの一般管理費のことを指し、会社の運営に欠かせない費用です。

具体的な諸経費の内訳と諸経費の相場について解説します。

諸経費の内訳

諸経費は大きく「現場管理費」と「一般管理費」の2種類に分けられます。それぞれの主な費用項目は次のとおりです。

区分 主な費用項目
現場管理費 現場監督の人件費
車両費
現場の通信費
労災保険料 など
一般管理費 通信費(ネット回線など)
事務所の家賃
光熱費
消耗品費(ボールペンなど)
租税公課(固定資産税など)
本社社員の人件費 など

諸経費は直接、工事にかかる経費ではありません。しかし会社を適切に運営し、工事をおこなうために不可欠な費用です。

諸経費の相場は10%〜15%

諸経費の相場は「10%〜15%」と言われています。例えば、見積り金額100万円のリフォーム工事の場合、諸経費は10〜15万円が相場です。
ただし会社の規模が大きいほど、諸経費の割合は高くなる傾向にあります。上場企業といった知名度のある企業は、CMなどの広告宣伝費に多額の費用がかかるため、諸経費の割合が高いことが多いです

また諸経費は一般に見積り金額が高くなるほど、諸経費の割合が小さく、見積り金額が低くなるほど、諸経費の割合が大きくなる傾向にあります。

 

諸経費を見積書に盛り込む方法は?

リフォームの諸経費を見積書に盛り込む方法には、別途計上する方法と工事項目に上乗せする方法の2種類があります。

それぞれメリットとデメリットがあるため、自社の方針や案件の性質に応じて使い分けることが重要です。

計上方法 メリット デメリット
別途計上 諸経費の割合がわかりやすい 施主から質問・値引き要求を受けやすい
工事項目に上乗せ 諸経費に関する質問を受けにくい 工事項目の単価が他社より割高になる

諸経費を別途計上する

1つ目は、諸経費として項目を作成し別途計上する方法です。別途計上は、見積り金額に占める諸経費の割合がわかりやすくなることがメリットと言えます。

しかし、見積書内に「諸経費」と明示されるため施主様から下記の質問を受ける可能性があります。

  • 諸経費とは、どのような費用ですか?
  • 工事に関係ない費用は、削っていただけないですか?

そのため、前項で説明した諸経費の概要について理解を深め、施主様からの質問に適切な回答を準備する必要があります。

工事項目に上乗せする

2つ目は、工事項目に諸経費を上乗せする方法です。工事項目に上乗せするメリットは、諸経費が見積書に明記されないため、施主様から諸経費に関する質問を受けにくいこと。

デメリットは、それぞれの工事項目の単価に諸経費分の費用が上乗せされるため、一つひとつの工事項目が他社よりも割高になってしまうことです。他社よりも割高な工事項目の見積書を提示すると、施主様より「他社よりも工事項目が高い理由はなぜですか?」と、質問を受ける可能性があります。

施主様からの質問に答えられないと不信感を与える可能性が高いです。施主様に不信感を抱かれると最悪の場合失注するリスクがあります。

施主様に「諸経費」を説明するポイントは?

施主様に諸経費を納得していただくためのポイントは、「会社運営に不可欠な費用であることを伝える」「安易に値引きしない」の2点です。

「施主様から諸経費の質問を受けても、適切な回答をできている自信がない」と悩む方は参考にしてください

諸経費は会社維持する上で不可欠な費用

結論として、諸経費は会社を維持・運営するために必要不可欠な費用です。車や電車などの移動費がなければ、施主様と商談することはできませんし、ネット回線がつながらなければ業務が止まってしまいます。

営業担当者が諸経費の重要性を把握し、施主様に対して丁寧に諸経費が計上されている理由を説明できるようになりましょう。

諸経費は値引きすべき?

安易な値引きはおすすめしません。諸経費を値引きすると、工事のどこかにしわ寄せがきます。
諸経費を値引きした場合に発生しやすい問題は次のとおりです。

  • 協力業者へ従来以上に値引きを要求する
  • 協力業者が手抜き工事や予定していた材料よりも安価な材料を使用する
  • 現場監督の費用を捻出できず、現場を適切に管理・監督できない

安易な諸経費の値引きは、上記のような問題を発生させる原因になり得ます。そのため、どうしても諸経費を値引きする場合は、「〇〇万円値引きすれば確実に受注できる」というような確実な成果につながる場合に限定しましょう。

諸経費が高すぎる・安すぎる場合のチェックポイントは?

施主様から「他社に比べて諸経費が高すぎる(または安すぎる)」と指摘されたら、他社が諸経費を内建てにしている可能性と、自社の施工管理体制の違いを根拠に説明することが重要です。

事実、公的な相談窓口である「住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)」などでも、見積書の項目や金額の妥当性に関する相談は多く寄せられています。 

そのような際に確認、説明したいポイントは以下のとおりです。

  • 他社が工事費の中に諸経費を内包しているケース(内建て)がないか
  • 自社の現場監督の巡回頻度や安全対策の体制
  • アフターサポート体制の有無

他社が工事費の中に諸経費を内包しているケース(内建て)があることや、自社の施工管理体制(現場監督の巡回頻度や安全対策)のクオリティを根拠として示し、他社との「内訳の違い」を冷静に説明できるように準備しておくことが重要です。

信頼関係を築くためには明確な内訳開示が重要

諸経費の透明性を担保することが施主様との信頼関係を深め、成約率向上にも直結します。

国土交通省が推進する住宅リフォーム事業者団体登録制度などでも、消費者へのわかりやすい見積もり提示や、契約の透明性の確保が強く求められています。

諸経費を一括で「一式」とだけ記載して濁すのではなく、「現場管理費」や「一般管理費」といった大まかな中身や内訳を求められた際に開示できるようにしておくことで、施主様との信頼関係が深まり、成約率の向上にも繋がります。

リフォーム見積書の作成は『AnyONE』

リフォーム工事の見積書作成は、新築工事以上に経験やスキルが求められる大変難しい業務です。そのため、若手社員に業務を振れず、ベテラン社員に見積り作成業務が集中している会社も多いでしょう。

リフォームの見積書を誰でも作成できるようにするなら、工務店・リフォーム会社向けの業務効率化ソフト『AnyONE』の導入がおすすめです。AnyONEは、エクセル感覚で操作できます。現在業務をエクセルでおこなっている会社は、エクセルからAnyONEの移行に手間はかかりません。

またCAD見積りソフト・見積りソフトと連携が可能で、情報の流用により見積書の作成を誰でも簡単におこなえます。例えばベテランが積算を担当し、若手社員が見積書の作成をおこなえ、簡単に業務の分担が可能です。

さらに、過去作成した見積書の流用ができる機能も備わっています。過去の見積書をそのまま流用する以外にも、複数の見積書の内容を統合して新規見積書の作成が可能です。見積書作成の時間が短縮される以外にも、ベテラン社員が作成した見積書を流用すると、経験の浅い社員でも高精度の見積書を作成できます。

加えてAnyONEには、見積書作成以外にも次の機能が搭載されており、あらゆる工務店・リフォーム会社の業務を効率化します。

【AnyONEの機能】

特に実行予算作成は、登録されている見積書の項目や数字を流用できるため、作成に手間がかかりません。情報を流用しているため、見積書と実行予算に差異が発生せず、正確な原価管理をおこなえます。

【導入事例】見積作成の標準化で属人化を解消(かなえハウス株式会社様)

埼玉県新座市に本社を構えるかなえハウス株式会社は、キッチンなどの水まわり交換、外装・塗装、大規模改築まで、年間約200件のリフォーム案件を手がける企業です。同社では従来、見積もり作成をエクセルで行っていましたが、担当者ごとに書式や内容が異なるため、確認や共有に時間を取られていたといいます。

AnyONE導入後は、見積書のフォーマットとルールが社内で統一され、クラウド上で複数人が連携しながら作成できる環境が整いました。なかでも効果が大きかったのが諸経費まわりの自動化です。AnyONEには事前に諸経費の項目と単価を登録しておけば、見積もり作成時に自動的に計算してくれる機能が備わっており、リフォームのように案件ごとに細かい諸経費の積み上げが発生する業務でも、入力の手間と計算ミスが大きく減りました。

結果として、見積もり作成にかかる時間は従来の半分(業務スピード2倍)にまで短縮。担当者が途中まで作成した見積もりを別のメンバーが引き継いで完成させるといった柔軟な分担も可能になり、社内の情報共有も大きく改善しました。

参考:かなえハウス株式会社 導入事例(AnyONE公式サイト)

リフォームの諸経費に関してよくある質問

リフォームの諸経費についてよくある質問をまとめました。

Q. リフォームの見積書にある「諸経費一式」の具体的な内訳は何ですか?

主に施工現場を管理するための「現場管理費」と、会社を維持・運営するための「一般管理費」で構成されています。

現場管理費には現場監督の人件費や移動交通費、一般管理費にはリフォーム会社の事務所家賃や通信費、事務スタッフの人件費などが含まれます。

Q. 諸経費が相場(10%〜15%)よりも高い場合、値引き交渉には応じるべきですか?

安易な値引き対応はおすすめしません。諸経費は現場の安全管理や工事品質の担保、アフターサポートに直結する費用です。

諸経費を無理に削ると、現場監督の巡回回数が減って施工ミスに繋がったり、下請け業者へのシワ寄せによる手抜き工事を誘発したりするリスクがあり、結果的に施主様に不利益を被らせる可能性があることを説明しましょう。

Q. 小規模なリフォーム(数万円〜数十万円)でも諸経費の割合は同じですか?

工事総額が低くなるほど、諸経費の「割合(%)」は高くなる傾向があります。

数万円の軽微な補修工事であっても、職人や機材の手配、現場確認の移動コスト、見積書や図面の作成といった事務手間(固定費)は一律で発生するためです。

そのため、小規模工事では諸経費が20%〜30%程度に設定されることも珍しくありません。

まとめ

本記事では、リフォームの諸経費について解説しました。諸経費とは、通信費や光熱費などの一般管理費のことで、会社を維持・運営していくために欠かせない費用のことです。

諸経費を見積書に盛り込む方法は次の2つです。

  • 諸経費を別途計上する
  • 工事項目に上乗せする

それぞれメリット・デメリットがあるため、本記事を参考に諸経費の盛り込み方を検討してください。

またリフォームの見積書作成は、豊富な知識と経験がなければ難しく、業務がベテラン社員に集中している会社が多いです。業務の集中を回避するならば、『AnyONE』をはじめとした工務店・リフォーム会社向けの業務効率化ソフトの導入をおすすめします。

ただし自社に最適な業務用ソフトを選ぶためには、ソフトに搭載されている機能の比較検討が欠かせません。

工務店・リフォーム会社業務の効率化を考えている方は、まずは無料の資料請求やデモ体験を通じて、自社の運用にフィットするかどうかを一度ご確認ください。


監修:AnyONE編集部
AnyONE編集部は、建設業界向け業務支援システム「AnyONE」を運営する株式会社エニワンの編集チームです。
公的資料や業界情報をもとに、建設業に関する基礎知識や実務に役立つ情報を、わかりやすく整理・解説しています。


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