工事間接費とは?内訳や計算方法、コストを抑えるポイントを解説
工務店が工事を受注する場合、工事請負契約書を使用します。
工事請負契約書はどのような役割を持っていて、どのような内容を記載するのでしょうか。
この記事では、工事請負契約書の概要から役割、具体的な記載項目、さらには作成方法について解説します。ぜひ、工事請負契約書作成時の参考にしてみてください。
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工事請負契約とは、住宅の建設やリフォームなどの各種工事を行う際に工務店やリフォーム会社などが発注者と結ぶ契約のことです。「住宅建築工事請負契約」や「住宅リフォーム工事請負契約」などの種類があります。
契約を結ぶ際には、工事請負契約書の他に「工事請負契約約款」「見積書」「設計図書」といった書類を合わせて提出します。
建設工事に関する契約は扱う項目も多いため、事前にどういった内容を扱うのか把握しておくことが理想的です。
工事請負契約書の最大の役割は、「言った・言わない」のトラブルを未然に防ぎ、双方の権利と義務を明確にすることです。
具体的には、以下の目的があります。
工事請負基本契約書とは、元請から下請に工事を依頼する際の合意形成のために作成する契約書です。
作成は必須ではありませんが、元請・下請の関係を正しく把握するためにも、作成しておいた方が良いでしょう。
一方で工事請負契約書とは発注者と元請が結ぶ契約であるため、全く違う契約書であることがわかります。
建設工事標準請負契約約款とは、建設業34条2項をもとに作成された建設工事の詳細なルールを定めたものです。建設工事標準請負約款の制定により、施工完了後のトラブルや元請と下請の力関係による契約内容の偏りを防止するために作られています。
約款の内容が該当工事の内容に沿っているかどうか、片方に著しい不利益を生じる内容になっていないかどうかも確認が必要です。

建設業法第19条により、工事請負契約書には必ず記載しなければならない項目が定められています。
工事請負契約書には、法律によって以下の16項目を記載することが義務付けられています。
2020年10月の建設業法の改正前は14項目でしたが、新たに「工期を施工しない日・時間帯」と「その他国土交通省令で定める事項」の記載も加わりました。
【参考】建設業法 第19条
工事請負契約書は、工事によって内容が変わる項目もあります。具体的には以下の8項目が当てはまります。
これらの項目に関しては、作成時に特に注意して記載するようにしましょう。
【参考】国土交通省-公共工事標準請負契約約款の実施について
工事請負契約書はここまで紹介した項目以外にも、自由に条項の設定が可能です。例として、工事請負契約書において取り決めされることが多い条項の例を紹介します。
ローン特約についての条項は、万が一住宅ローン審査を通過せず資金調達が困難な場合は、発注者が契約解除ができることを定めた条項です。資金調達ができない場合に発注者側を保護するためにつくられています。
反社会的勢力の排除については、契約当事者やその関係者が暴力団員でないことを表明し、万が一違反があった際には契約解除または損害賠償を求めることができる条項です。
最後の管轄裁判所については、当該契約について紛争が発生した際に、訴訟を提起する管轄裁判所についての条項です。
上記の条項は必須項目ではありませんが、工事内容に応じて定めておくことで、トラブルの防止や紛争解決をスムーズにする効果があります。
工事契約書は建設業法で作成を義務つけられている書類であり、作成を怠った場合は法律に違反することとなります。万が一工事請負契約書を交わさず着工した場合に起きるリスクについても把握しておきましょう。
工事請負契約書なしでの着工は違法行為であり、該当工事は建設業法で認められていない違法工事となります。ただし、工事請負契約書がないからといって契約の効力自体が失われるわけではありません。
民法第522条では口頭契約の有効性が認められているためです。しかし、民法において契約の有効性が認められたとしても、工事請負契約書がないため違法工事であることに変わりはありません。
工事請負契約書を交わさずに着工した建設業者は、行政からの処分対象となり、その社名などが公開されます。また、建設業許可の取り消し処分を受けるリスクもあるため、必ず工事請負契約書は交わしておきましょう。
工事請負契約書を締結するときの注意点

工事請負契約書を締結するときは、ここまで解説した内容に加えて以下4つの点にも注意しましょう。
現場代理人とは建設工事の現場で、工事を管理する現場監督者を設置します。
現場代理人を設置する場合は、発注者に対して現場代理人の権限と現場代理人の行為について、注文者が請負人に意見する場合の申出方法を規定しましょう。
注文者が請負人に意見する場合の申出方法とは、要はどのように発注者が現場監督者に対して意見するかです。一般的にメール・文書などと規定することが多いでしょう。詳しくは、施主と確認しながら記載しましょう。
「建設業法第19条の3」には工事請負契約書において、発注者が請負人に対して不当な金額で契約を結ばせることは認められないと規定されています。
発注者の方が契約上優位であると考え、原価割れするような金額での契約はできません。
万が一、発注者から著しく安い額での提示があっても応じる必要がない点に注意しましょう。
発注者は請負人に対して、著しく短い工期を設定して契約を締結できません。(建設業法第19条の5)
請負人側の業務負荷、長時間労働の原因ともなるため適切な工期を設定しましょう。
工務店がさらに下請け業者を使う場合は、一括下請負にならないよう注意してください。(建設業法第22条1・2)
例外として、集合住宅や施設の新築工事以外で発注者が承諾した場合のみ、一括下請負が認められます。
上記の例外に該当する場合は、工事請負契約書に一括下請負の同意についての条文を記載しましょう。
契約を締結する際、請負代金の総額だけでなく、その「内訳(明細)」をどこまで詳細に記載するかが重要です。
「工事一式」という表現が多用されると、後に「どこまでが工事範囲に含まれるのか」で施主とトラブルになるリスクが高まります。
これらを明確にすることで、施主の納得感が高まるだけでなく、自社の利益率を正確に把握することにも繋がります。
「請負に関する契約書|国税庁」によると、工事契約書は課税文書であり、印紙の貼り付けが必須です。印紙を貼り付けて、消印を押すところまで忘れないようにしましょう。
万が一印紙の貼り付けを忘れた場合は、脱税とみなされてしまい、印紙税額の3倍の過怠税が貸されるため注意してください。
印紙税の金額は以下を参考にしましょう。

(注) 印紙税は、契約書に記載された内容により取扱いが異なりますのでご注意ください。
【引用】No.7102 請負に関する契約書|国税庁
●工事請負契約書を電子化する場合は印紙税は不要
工事請負書を電子化した場合は印紙税がかかりません。
電子契約を締結する場合は、上記ルールが適用されない点に注意しましょう。
着工後に施主からの要望で仕様を変更したり、追加工事が発生したりした際、口頭の合意だけで進めてしまうのは非常に危険です。
建設業法上、軽微な変更を除き、変更内容についても書面(変更契約書や追加工事合意書)を交わすことが義務付けられています。
「工事が終わってから精算すればいい」という進め方は、最終的な支払い時に「そんなに高くなるとは聞いていない」といった未払いトラブルを招く原因となります。
変更が発生するたびに、その都度見積りを見直し、書面で合意を得るフローを徹底しましょう。
工事請負契約書の作成は、記載義務の遵守や印紙の対応、変更契約の管理など、非常に手間がかかる業務です。また、これらを紙ベースや個別のExcelで管理していると、最新の状況が把握しにくく、トラブルの原因にもなりかねません。
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工事請負契約書は、単なる事務手続きの書類ではなく、工務店にとって「法的なリスクから自社を守り、施主との信頼関係を築くための最重要書類」です。
記載が義務付けられている16項目の遵守はもちろん、追加工事や地中障害物への対応規定など、実務に即した詳細な取り決めが、後の大きなトラブルを回避する鍵となります。
また、コンプライアンスの観点からも、契約書なしでの着工は絶対に避けなければなりません。
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記事監修:佐藤主計
保有資格:1級造園施工管理技士、2級土木施工管理技士
建設業界に携わり30年。公共工事の主任技術者や現場代理人をはじめ、造園土木会社の営業マン・工事担当者として、数万円から数千万円の工事まで幅広く担当。施工実績は累計約350件にものぼる。
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