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建設業界では、工事請負契約書の電子化が進む中「電子化すると印紙税がどうなるのか?」と疑問を持つ方も多いです。本記事では、工事請負契約書を電子化することで印紙税がどう変わるかを解説し、そのメリットや導入手順について具体的に説明します。
また、業務効率化の実現ツール「AnyONE」の電子契約機能を活用する方法もご紹介します。
INDEX
工事請負契約書の基本的な役割と、印紙税がどのような仕組みで課されるのかを見ていきます。
工事請負契約書は、建設工事に関する契約内容を明記した重要な文書です。この文書には、工事の範囲や内容、工期、報酬額などが詳細に記載されており、発注者と請負業者の間で取り交わされます。
工事請負契約書の締結によって、法律的な効力を持ち、万が一、工事に関するトラブルが生じた場合でも、契約書を基に解決を図れます。そのため、工事請負契約書の内容は慎重に作成し、保存しておかなければなりません。
さらに、工事請負契約書は印紙税法上、一定の取引を証明する「課税文書」として扱われ、印紙税を支払う必要があります。建設業界では、この印紙税が大きなコストとなる場合が多く、経営者にとっては避けて通れない負担の一つとなっています。
印紙税は、契約書や領収書などの「課税文書」に対して課される税金です。国税庁による印紙税法では、課税文書として扱われる20種類の文書が明確に定められています。この中には、不動産売買契約書や工事請負契約書などが含まれます。
例えば、建設業において工事請負契約書を作成した場合、その契約金額に応じた額の印紙税を支払わなければなりません。印紙税の一例を紹介します。
契約金額ごとの印紙税の例
● 100万円以下の契約書:200円 |
印紙税の支払い方法としては、収入印紙を購入し、該当する文書に貼付して消印を押すのが一般的です。
※消印とは、印紙が再利用されないようにするため、印章やサインを印紙にまたがって押す行為を指します。
この手順が正しくおこなわれなければ、税法上のトラブルに発展する可能性もあるため、慎重な対応が必要です。
ただし、印紙税の対象となるケースは「紙の文書」のみであり、電子データによる文書は課税対象外です。このルールは、後述する電子契約における印紙税不要の理由に密接に関係しています。
電子化した工事請負契約書に印紙が不要となる理由は、印紙税法で課税対象が「紙の文書」に限定されているからです。
ここでは、法律や国税庁の公式見解を詳しく紹介しながら理由を解説します。
印紙税法第3条では課税文書を「課税物件の欄に掲げる文書」と定め、その「作成」が課税要件となっています。(参考:印紙税法 https://laws.e-gov.go.jp/law/342AC0000000023)
また、印紙税法基本通達第44条で「作成」とは「課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使すること」と定められています。(参考:印紙税法基本通達 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/inshi/inshi01/07.htm)
したがって、電子契約のようなデジタルデータはこの「用紙等」に該当せず、印紙税が課されません。
つまり、工事請負契約書が電子データとして作成・送信される場合、課税文書には該当しないため、印紙税は課されないこととなります。
国税庁の公式サイトでも、電子契約書に関する具体的な事例が紹介されています。
その一つとして、電子メールで送信された電磁的記録について次のような見解が示されています。
【照会要旨】
当社は建設工事を請け負っていますが、取引先から受注するに当たり、請負契約の成立を証するものとして書面で注文請書を作成することに代えて、受注する旨や請負内容等の取引情報を記録した電磁的記録に当社の電子署名を付したものを取引先に電子メールで送信しています。この電磁的記録は、印紙税の課税対象となるのでしょうか。 【回答要旨】 印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません。 したがって、おたずねの電磁的記録に印紙税は課税されません。 引用:取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い|国税庁 |
電子契約のデータを印刷して「契約書の本書」として扱う場合には、注意が必要です。この場合、印紙税が課される可能性があるためです。電子契約が正式な契約書と認められるためには、電子署名法やタイムスタンプの要件を満たさなければなりません。
これらの技術により、改ざん防止や当事者確認が可能となり、紙の契約書と同等以上の信頼性を持つ文書として機能します。
紙の契約書から電子契約書への移行による具体的なメリットを、分かりやすく説明します。
紙の契約書を使用する場合は、契約金額に応じて収入印紙を購入する必要があります。例えば、1,000万円の契約書で20,000円、1億円の場合では60,000円もの印紙税がかかります。
工務店や建設会社のように年間で何百件もの契約を取り扱う企業にとって、これは大きな負担です。一方で電子契約に移行すれば、これらの印紙税はゼロとなります。
例えば、年間500件の契約があり、平均契約金額が2,000万円の場合、単純計算で約1,000万円のコスト削減が可能です。これほどの削減効果があれば、電子契約システムの導入コストも十分に回収できるでしょう。
さらに、工事請負契約書の電子化により、印紙税に関する業務効率を向上させられます。
従来の紙の契約では、印刷、署名、押印、郵送など、多くの手間がかかります。一方、電子契約では、オンラインで契約書を作成し、相手方に送信するだけで簡単に契約の締結が可能です。
契約の承認や締結にかかる時間が数日から数時間に短縮され、業務のスピードが大幅に向上できます。
紙の契約書の管理には、物理的な保管スペースが必要で、過去の契約を探す場合も手間がかかります。電子契約ではデータベースで一元管理できるため、検索も数秒で完了し、事務作業の効率化とスタッフの負担軽減が実現されます。
紙の契約書から電子契約への変更によって、紙の使用量を大幅に減らせます。1枚の契約書を印刷するためには紙とインクが必要ですが、電子契約ならばこれらの資源を消費しません。
さらに、書類を郵送するためのガソリン使用や排出されるCO2も削減できるため、電子化は、地球環境を守るための重要な取り組みといえます。
さらに、セキュリティや法的信頼性の面においても、工事請負契約書の電子化の恩恵を受けられます。
電子契約では、契約データに電子署名やタイムスタンプの付与によって、改ざんを防ぐ仕組みが採用されています。そのため契約内容の正確性が証明でき、法的に有効な契約書として認められます。
電子契約は「電子署名法」という法律に基づいて運用されます。電子署名法では、電子署名が本人の意思である証明の技術を求めており、電子契約サービスはこれらの基準をクリアしています。
電子契約は紙契約と同じ法的効力を持つことから、契約としての信頼性も担保されているといえるでしょう。
電子契約の導入を考えている工務店にとって、「AnyONE」は、工事請負契約書の電子化をはじめ、工務店業務全般を効率化する多機能なシステムです。
AnyONEの特徴や、無料デモを活用して導入を進める方法についてご紹介します。
AnyONEは、工務店業務全般をサポートする多機能な業務管理システムで、電子契約機能をオプションとして利用すれば、工事請負契約書の電子化が可能となります。
印紙税をゼロに抑えられるだけでなく、契約手続きの時間を大幅に短縮でき、さらに、クラウド上での契約書の管理によって、検索や共有が迅速に行えます。
AnyONEの導入を検討する際は、無料デモを利用して、システムの操作性や機能を確認するのがおすすめです。デモでは、実際の操作画面を体験できるほか、自社の業務がどのように改善できるか具体的にイメージできます。
「自社の業務がAnyONEでどのように改善できるか知りたい」「実際の操作画面や入力方法を確かめたい」「AnyONEの価格やメリットを知りたい」といった方に対して、AnyONEがどのように役立つかをしっかり確認できます。
工事請負契約書の電子化によって、印紙税のコスト削減と業務効率の大幅な向上が実現します。従来の紙の契約では避けられなかったコストや手間が、電子契約の活用で解消できます。
さらに、AnyONEを導入すれば、契約業務だけでなく工務店全体の運営の効率化が可能です。
まずは無料デモを試し、AnyONEが自社の業務改善にどのように貢献するかを実感してください。コスト削減だけでなく、業務全体の効率化を図れる絶好の機会です。
無料デモでAnyONEを試して、工事請負契約書の締結業務や印紙税関連の業務効率を向上させましょう。
記事監修:佐藤主計
保有資格:1級造園施工管理技士、2級土木施工管理技士
建設業界に携わり30年。公共工事の主任技術者や現場代理人をはじめ、造園土木会社の営業マン・工事担当者として、数万円から数千万円の工事まで幅広く担当。施工実績は累計約350件にものぼる。
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