【建設業】法定福利費の算出方法とは?計算式や料率・見積書への記載方法
施工管理にはいくつかの管理項目があり、品質、工程、安全、原価は4大管理として特に重要視されています。
工事現場において施工管理をどのように行うかは、建設会社にとって重要な仕事の一つです。
この記事では施工管理の概要を、現場、書類、協議と調整という3つの視点から説明し、そのあと4大管理について解説しています。
また、施工管理に求められるスキルについても紹介しています。
ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
INDEX
施工管理の管理項目である4大管理について理解するためには、そもそも施工管理とはどんな仕事なのか把握しておくことが必要です。
施工管理という仕事を、現場管理と書類管理、協議・調整という3つのポイントから解説します。
工事現場の管理に携わる職務としてよく聞くものに、監理技術者、主任技術者、現場代理人、工事主任・現場監督、職長などがあります。
これらのうち、建設業法で工事現場に配置が義務づけられていることは、監理技術者と主任技術者だけです。
工事主任や現場監督という職務は建設業法で一切触れられておらず、現場代理人は特に指定されなければ必要なく、主任技術者が兼務することも多いです。
施工管理の現場管理で重要な業務は、現場の巡回と定時打合せです。
巡回とは現場を見回り、施工計画書や作業工程表通りに工事が施工されているかを確認します。同時に、作業者の健康状態や不安全行動を目視でチェックします。
定時打合せの目的は、各協力会社(下請会社)から現場の進捗状況の報告を受け、作業間の細部の調整を行うことです。
工事車両の搬入経路や資材を置くスペースなどが確保されているかを現場全体で確認し、スムーズに施工が行われるように調整します。
現在では、公共工事を中心に、工事書類のすべてを電子成果品として関係者で共有する流れが一般的です。
国や都道府県などの自治体、大手ゼネコンなどでは、すべての工事書類は情報共有システムで共有されます。
情報共有システムでは、WEBですべての発議・回覧・決済が完了します。そのため、移動やプリントアウトなどの時間や経費が大幅に削減可能です。
図面や画像などの大容量データ、工事打合せ簿や段階確認願いもクラウドで管理されるため、WEBにさえ繋がっていれば誰でも何時でも簡単にやり取りできます。
施工管理の業務を円滑に進めるためには、情報共有システムの活用は欠かすことができません。
施工管理は現場の統括者として、発注者との協議・打合せ、近隣住民との調整や現場状況の周知なども重要な仕事のひとつです。
工事の現場では、設計書や仕様書にはない問題や、工期や設計の変更などが日常的に起こります。そのたびに、施工管理は、発注者や関係省庁との調整の中心となります。
事故や災害などの不測の事態が発生する可能性も高く、大型のクレーンや重機が稼働する時や夜間作業がある時は、周知のためのチラシを配ったり説明会を開催したりすることも必要です。
このような協議と調整では、施工管理としてのコミュニケーション能力が問われます。
施工管理の目的は、設計書通りの成果物を、安全第一で工期内に完成させることです。そして、工事を請け負った建設会社が、適正な利益を確保することも重要な管理項目となります。
このために必要なのが、品質管理、工程管理、安全管理、原価管理の4大管理です。それぞれについて解説します。
品質管理とは、工事成果物が設計図書や仕様書通りの品質を確保するための管理です。品質評価の対象となる項目について、各段階で品質検査を実施してチェックを行いながら工事を進めます。
現場によっては設計図書だけでなく、工事を行う地域の自治体が定める、強度や密度などの基準を満たす必要もあります。
品質管理では、品質検査を実施した証拠となる「検査結果報告書」とともに、写真を撮って証拠を残すことが重要です。
例えば、搬入材料の荷姿、コンクリート打込前の鉄筋状況、型枠設置前の配筋状況、コンクリートの打込状況、施工後の出来形などの写真です。
工程管理とは、決められた工期内に工事を竣工させるための管理です。工事は規模が大きく工事内容が複雑になるほど、計画と実施に差異ができて工程の管理は難しくなります。
工程管理では、品質の確保に必要な人員配置や作業日数を設定したり、原価確認を行いながら資材の発注や納期を管理したりする必要もでてきます。
また工事では、不測の事態が起きて工期に影響することが多々あります。その際、いかに調整して、全体工期を遵守するかが施工管理の能力の見せどころです。
この調整をうまく行うためには、工事の進捗状況の正確な把握と、できる範囲で工期短縮を実施して余裕を持っておくことがポイントとなります。
他業種と比較して事故や労働災害が多く、危険と隣り合わせの建設現場では、作業者および第三者の安全の確保は非常に重要です。
安全管理では、日々の現場巡回で危険箇所の発見と是正に努めなければなりません。朝礼では常に注意喚起を行い、手すりや安全看板の確認、安全帯の使用徹底を実施します。
作業者全員による定期的な安全協議会では、ヒヤリハット報告やKY活動、5S運動などの積み重ねも必要となります。
工事現場では、今も昔も「安全が第一」であり、生命や心身の安全は何よりも優先されるべきです。
施工管理の原価管理とは、工事原価を予算内に収め、適正な利益を生み出すための管理です。建設会社にとって工事で確保される利益は、会社の経営に直結するため重要です。
工事を受注すると、請負会社は必ず工事実行予算を組みます。この実行予算書をベースに、工事の労務費、資材の発注額、重機や機器のレンタル料などが決まります。
予算と実際の金額との差を常に把握し、無駄なコストは削減し、収支と支出のバランスを取っていくのが原価管理です。
原価管理を優先するあまり、取引先に強引なコストダウンを要求したり、現場の労働環境を悪化させたりすることは避けなければなりません。
ここでは、施工管理に求められる5つのスキルについて解説します。
施工管理は、工事を運営する過程で数多くの人とかかわります。そのため、顧客、協力会社、近隣住民の方と、会社の代表としてやり取りできるコミュニケーション能力は必須です。
発注者や現場作業者など、相手の立場に寄り添うような姿勢で接することで、相手もまたこちらの状況を理解しようとする素地が生まれます。
相手の要望は何なのかを的確に理解し、こちらの現状はこうなっているなどの要点を簡潔に伝えることが求められます。
協議や打ち合わせでは、ハキハキと明るく接し、丁寧な話し方を心がけると好感を得やすいです。
施工管理のチームマネジメントとは、周囲の人を取りまとめて引っ張っていくリーダーシップとして捉えることもできます。
工事に携わることは、さまざまな立場や年代の人たちです。施工管理は、その中心となってほか人の意見を聞き分け、現場にとっての最適解を求めていかなければなりません。
そして、一度方向性が決まったら、そこに向かって現場チームを統率して動かします。この時、施工管理が周囲の人たちからの人望を得られていなければ、思うような協力を得ることはできないでしょう。
そのため施工管理には、普段から責任感のある言動や適切な指導力が求められます。
工事の現場では、日常的に想定外のことが起きると捉えておく必要があります。
緊急な国際情勢の変化を原因とする資材や燃料などの高騰から、現場内の労災や天候不順による工期の遅延まで、さまざまなトラブルがつきものです。
どのような事態が起こっても、関係各所とともに冷静に対処し、時には設計変更や工期の延長を申請するなどの現場対応が求められます。
トラブルが軽微なものためあれば、現場関係者のみによる対応を検討していくことも施工管理の仕事です。いずれにしろ、経験や知識をベースにした現場対応能力が必要です。
施工管理でのスケジュール管理能力とは、施工計画、工程表、実行予算書を作成し、計画通りに実行していく能力のことです。
工事の進捗状況をリアルに把握し、予定と実際の工程に誤差が生じていれば、できる限り小さなうちに調整して予定通りの全体工程に戻しておく必要があります。
スケジュール管理では、単に日程の調整だけでなく、品質や原価が予定通り確保されているかも重要です。問題があれば、それを解決するために工程を変更し、ほかの作業工程の日数で微調整を行います。
施工管理では、書類管理を正常にこなしていくための基本的なパソコン操作の能力も必要です。
例えば、エクセルやワードでは、基本的な操作ができて、簡単な関数の入力や表の作成は必須でしょう。作成書類に図表や画像の挿入も必要となります。
建設現場では、きちんとした縮尺を用いて作図する必要性も出てくるため、CADの中でも特にAutoCADの操作には慣れておくべきです。
ただし、AutoCADは高価であるため、個人での導入は困難です。そのため、主流ではありませんが、無料で入手可能なJW-CADをおすすめします。
その他施工管理に必要なスキルについては、こちらの記事をご覧ください。
施工管理の4大管理を実践するためには、さまざまな業務を効率よくこなしていくことが重要です。また本社の経営サイドや管理部門との情報やデータの共有も必要となります。
この現場の効率化と「見える化」に大きく貢献するのが、業務効率化ツールの「AnyONE」です。
AnyONEはエクセルと似た操作感を持っており、ITツールが苦手な方でも操作方法に迷うことが少ないです。加えてAnyONEは以下の機能にも対応しています。
【AnyONEの機能】
顧客管理
帳票管理
工事管理
物件管理
実行予算管理
支払い管理
請求・入金管理
図面・写真管理
アフター・メンテナンス管理
AnyONEは工事にかかわるお金の管理を一括でおこなえるため、現場ごとの利益の推移を簡単に把握できます。予定よりも利益が少ない場合は、積算・見積り・実行予算いずれかの段階に原因があるケースが多いです。
AnyONEを活用すれば、各段階の利益推移を簡単に追えるため、低利益工事・赤字工事となった原因の分析が簡単に行えることも人気の理由となっています。
ここまで、施工管理の4大管理について、以下の内容で解説してきました。
●施工管理の仕事内容
●施工管理の4大管理の概要
●施工管理に求められるスキル
施工管理の業務をスムーズに行い、利益を確保できる工事を行うためには、工程表の作成から原価管理まで一元的に管理できる業務効率化ツールが有効です。
記事で最もおすすめする業務効率化ツールは「AnyONE」です。
ソフトの比較検討をしたい方は、下記の複数ソフトの『他社システムの機能比較』ボタンからぜひチェックしてみてください。
記事監修:佐藤主計
保有資格:1級造園施工管理技士、2級土木施工管理技士
建設業界に携わり30年。公共工事の主任技術者や現場代理人をはじめ、造園土木会社の営業マン・工事担当者として、数万円から数千万円の工事まで幅広く担当。施工実績は累計約350件にものぼる。
チャットでお問い合わせください。