建設業の事業継承とは?建設業許可の手続きや経営改善法

建設業の事業継承とは?建設業許可の手続きや経営改善法

事業継承とは、企業の経営を後継者に引き継ぐことです。建設業では、後継者不在の企業が70.6%で、全産業中ワーストワンとなっています。事業継承には、主に「同族継承」「内部昇格」「外部招聘」の3種類があります。

今回は、事業継承の概要や種類、引き継ぎの要件などについて解説します。

事業継承とは

事業継承とは、企業の経営を後継者に引き継ぐことです。
単なる「株式の譲渡」や「経営者の交代」ではなく、事業そのものを継承します。企業が有しているヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を渡すこととなるため、入念な準備や後継者の選定をおこなわなければなりません。

<事業継承で引き継がれる経営資源>
・経営権
・株式
・資金(運転資金や借入など)
・事業資産(設備や不動産など)
・技術、ノウハウ
・既存顧客、人脈
・顧客情報

建設業における事業継承の必要性

帝国データバンクによる2019年調査によると、「後継者がいない」と回答した企業の全国平均は約65%に。中でも、建設業はワーストワンの70.6%となりました。経営者の高齢化も相まって、「今後10年間で80万社が廃業する」という予測も出ているほどです。これまで続けてきた事業を存続するためには、事業継承が必要となります。

建設業における事業継承の必要性
(引用:全国・後継者不在企業動向調査(2019 年)|帝国データバンク

後継者不足の原因として、建設業では、「人材の高齢化」と「若手人材の不足」が深刻化しています。高齢人材を後継者として選ぶことはできず、また次の世代となる若手人材が少なく、十分に育っているとはいえません。早めに対策を打っておく必要があるでしょう。

主な事業継承の種類

事業継承の方法は、主に「同族継承」「内部昇格」「外部招聘」の3種類があります。
帝国データバンクの調査で、同族継承と内部昇格で全体の7割近くを占めていることが明らかとなりました。

主な事業継承の種類
(引用:全国・後継者不在企業動向調査(2019 年)|帝国データバンク

同族継承

同族継承とは、経営者の親族への継承です。後継者選びに困らず、株式や事業資産の引き継ぎに贈与だけでなく、相続を選べる点もメリットといえます。また、現経営者が一線を退いた後にも、経営に対して影響力を持ち続けることも可能です。

しかしながら、後継者が他業種・他業界で働いていた場合には、継承までにしっかりと育成しなければなりません。また、現場で働くのと経営は異なるため、経営者の器となれるよう成長してもらう必要があります。

また、身近な存在であるがゆえに、お互いに不満がぶつかりやすく、家庭内に仕事を持ち込むことともなるでしょう。事業継承に協力すると一度言っても、本人の希望で話が無かったことになる可能性もゼロではありません。

内部昇格

内部昇格とは、会社内にいる従業員から適任者を昇格させて、事業継承する方法です。基本的に、社内での実力や人望を認められた人物が選ばれるため、業界内や顧客のことを熟知しており、経営の引き継ぎは比較的スムーズでしょう。

しかしながら、親族ではないため、株式の引き継ぎに相続を選ぶことはできません。後継者には、株式買取のために資金を用意してもらう必要があります。適任であったとしても資金を用意できなければ、継承できない可能性も。対処法については、公的支援機関などで相談してみましょう。

また、後継者選びに際しては、社内で派閥争いが発生するかもしれません。「次の経営者のもとで、要職につきたい」と考える従業員たちが二分、三分し、企業の人間関係にヒビが入ることもあるでしょう。

外部招聘

外部招聘とは、まったくの別会社から後継者を雇用する方法です。いわゆる「ヘッドハンティング」で、優秀な人材を登用します。親族や従業員に適任者がいなかった場合に、外部から人材を招聘できるため、人材の選択肢は広がります。

ただし、内部昇格と同じように、株式買取のために資金を用意してもらわなければなりません。

また、外部からきた人材は、既存の従業員にとって異物のように写ります。「新参者の指示には従わない」「もっと適任者が社内にいる」と反発されることもあるでしょう。

建設業許可の要件

3つの事業継承方法に共通している要件として、「建設業許可」の引き継ぎが必要です。「建設業許可」がなければ、建設業で企業活動をおこなうことはできません。

建設業許可の引き継ぎには、「財産的基礎」や「金銭的信用」などの細かな要件も存在します。しかし、すでに長期間経営をしている企業なら、これらの要件を満たしていることがほとんどでしょう。

一般建設業許可において、最もハードルとなる要件は、「経営業務管理責任者」と「専任技術者」の在籍です。

・経営業務管理責任者(5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者)
・専任技術者(指定学科修了者で高卒後5年以上もしくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者)

もし、これらの資格を有す人材が現経営者しかいなければ、資格を取得するか、新たに人材を雇用して対応しなければなりません。

事業継承の注意点

事業継承の際には、後継者選びもさることながら、従業員や顧客、取引先などに配慮することが重要です。
経営者の人柄は、そのまま企業文化や経営戦略に反映されます。これまでとは違う経営方針に転換する可能性もあるでしょう。たとえば、若い経営者になることでITシステムなどを積極的に導入し、経営革新を目指すかもしれません。

こういった経営方針に、既存の従業員が納得できれば問題ありませんが、反発したり、離職を選んだりする可能性もあります。「この経営者についていきたい」「経営者を支えてあげたい」と応援される器であることを求められるでしょう。
また、顧客や取引先も似たような影響を受けます。「先代との信頼関係があったから取引していた」「やり方が変わるなら、取引は辞める」などの反発に遭うかもしれません。

トラブルを防ぐためには、経営方針を転換する前に、しっかりと従業員や顧客、取引先との信頼関係を構築することが大切です。彼らが先代のどのような部分を支持しており、また不満をもっているのか、見極めたうえで経営革新に乗り出すべきでしょう。

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まとめ

事業継承の選択肢である「同族継承」「内部昇格」「外部招聘」は、それぞれにメリット・デメリットがあります。自社の状況を踏まえて、最適な選択をとるべきでしょう。

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