【建設業】法定福利費の算出方法とは?ざっくり費用を割り出す方法や書き方
黒字倒産とは、帳簿上は黒字にもかかわらず、経営破綻することです。工務店は、商品・サービスの特性上、入金サイクルが特殊です。適切な対策を練っていなければ、黒字倒産するかもしれません。
今回は、資金繰り悪化の理由や解決策について解説します。
INDEX
黒字工務店の割合は、4~5割です。「TKC経営指標(建設業)」の調査を参考にすると、以下の割合となっています(令和3年11月決算~令和4年1月決算)。
・建築工事業(木造建築工事業を除く):53.4%
・木造建築工事業:49.2%
・建築リフォーム工事業:41.1%
事業内容に違いはありますが、2〜3社に1社は黒字経営となっています。これを多い・少ない、どちらで判断するかは個人によりますが、黒字経営だからといって安心できるわけではありません。工務店には、「黒字倒産」するリスクが伴うためです。
黒字倒産とは、帳簿上は黒字にもかかわらず、経営破綻することです。一般的に倒産の主な原因は、「資金繰りの悪化」となります。債務を自社資金で返済できず、金融機関からも借り入れできなくなれば、資金ショートを起こすかもしれません。
黒字は企業の収入が費用を超えている状態であり、その逆が赤字です。費用より収入があるにもかかわらず、資金繰りが悪化してしまい、倒産に至ることを「黒字倒産」といいます。
工務店で資金繰りが悪化する理由は、入金サイクルとの関係が大きいです。
一般的に、企業は商品・サービスを納品するタイミングで代金を回収するでしょう。工務店でも同じように建物を引き渡してから、代金を回収します。しかし、受注から建築物が完成するまで1年以上を要すこともあり、キャッシュ(現金)がなかなか手元に届きません。
引き渡し後に一括ではなく、二分割・三分割が一般的となりますが、全額を回収できるタイミングは完成後です。しかも、1回目の支払いは100〜200万円と少額。まだ回収できていない時期から、人件費や資機材費、管理費などを支払わなければなりません。
抱える現場の数が増えるほど、多重に負債を抱えることとなります。売上は立っているのに、目先の支払いが滞ってしまうかもしれません。このように、工務店は事業の特性ゆえに、黒字倒産になる可能性が高いといえるでしょう。
Link_【工務店】与信管理の概要や与信限度額の考え方を解説
資金繰りが悪化しやすい工務店の共通点を3つ解説します。
先々のことを考えていない会計管理は、要注意です。1ヶ月先までしか資金繰り表を作成していないと、2ヶ月・3ヶ月先の資金繰りを把握できなくなります。気づかぬうちに、資金ショートに追い込まれるかもしれません。現在の財務状況だけで、資金の安定性を判断することは危険でしょう。
先ほど触れた通り、入金時期は2回〜3回に分けられることが一般的です。「いつ、どこから、いくら入金されるか」スケジュールを把握していないと、手元にいくらキャッシュが残るかがわかりません。現場数が増えるほど、入出金のタイミングは増え、細かく管理しなければ、把握は困難となってしまいます。
現場ごとの予算と実績に大きな差異があると、費用が大きくなり利益は薄くなってしまいます。施行中には、「追加の資機材発注」や「天候不良による延期」などのトラブルが起こりがちです。費用が余分にかかり、返済額が予定より増えることもあるでしょう。
改善の秘訣を3つ解説します。
2ヶ月・3ヶ月先の資金繰り表を作成しましょう。いつ、どのタイミングで資金ショートを起こす可能性があるのかリスクを把握できます。あらかじめリスクを把握しておけば、対策も練りやすいです。また、月次資金繰り表を作成しておけば、金融機関と融資交渉をおこなう際にも、役立つでしょう。
作成時には、下記のポイントを押さえてください。
・繰越高
・売掛金の回収
・買掛金の支払い
・借入金の収支
・利益と経費
・設備投資
なお、資金繰りの予測と実績をチェックすることも重要です。予測に関しては、収入は控えめ(少なめ)に、支出は多めに設定しておくと、振れ幅を意識したトラブル対策となるでしょう。
入金スケジュールも2ヶ月、3ヶ月先まで確認してください。また、入金日に正しく入金がなされているかもチェックする必要があります。スケジュールアプリなどで、入金日前にアラーム設定をしておくと、失念を防げるでしょう。
正確に予実管理をおこなってください。
工務店ではエクセルでの管理がこれまで一般的でした。しかし、エクセルでの予実管理には、「手動でミスが起こる」「リアルタイムで情報共有できない」などのデメリットがあります。
そこで、各現場の細かなデータを一元管理できる「業務効率化システム」の導入が効果的です。自動計算でミスを減らし、またデータは更新すると同時に社内へ共有できます。
業務効率化システムは、財務管理に限らず、さまざまな機能が搭載されているため、工務店の省人化にも役立つでしょう。
おすすめの業務効率化システムは、「AnyONE」です。AnyONEはこれまで2,700社以上に導入され、また99.4%のお客様継続率を誇ります。スマートフォン・タブレットから使用でき、契約後〜運用開始までに導入研修を受けることも可能です。
【AnyONEの機能】
顧客管理
帳票管理
工事管理
物件管理
実行予算管理
支払い管理
請求・入金管理
図面・写真管理
アフター・メンテナンス管理
多岐にわたる機能を有しており、経理・営業・総務といった部門・部署の業務効率化に役立つでしょう。
エクセルに近い操作性で、ITツールに苦手意識のある従業員でも、扱いやすいです。さらに、契約を決めてから運用開始までに、導入講習を受けられます。導入後には、「ヘルプデスク」から電話・メールで問い合わせられるため、安心して利用できるでしょう。
AnyONEは、工務店の財務改善に貢献します。具体的な事例をここでは紹介しましょう。
エムズアソシエイツ様は、「営業0名ながら年商9億円」という特徴のある工務店です。営業担当者0名にもかかわらず、大きな売上を上げていました。しかし、粗利率は18%と、業界平均の22.3%よりも低い値でした。
ただ、AnyONEの導入により、抜本的な業務改善に成功します。3〜4割の業務を削減することができました。とくに見積もり業務では、自社内で製作されたエクセルの見積もりシステムを、AnyONEと連携させることにより、スムーズかつ正確な作成が可能となりました。
段階的にAnyONEを採り入れ、業務の7割をAnyONEに移行したタイミングで、粗利率は約25%を維持するようになりました。なんと7%もの粗利率改善に成功されています。
このように、「売上は伸びているが、利益が上がらない」という工務店にぴったりのシステムがAnyONEです。
営業0名・売上9億円の設計事務所が【 粗利率18%から25%に改善 】実例公開セミナー②
Link_【工務店】粗利率の改善方法!正しい計算方法と4つの改善策
工務店には、入金サイクルの特徴ゆえに、黒字倒産に至るリスクが伴います。「資金繰り表の作成」、「入金スケジュールの把握」、「正確な予実管理」などの対策を練るべきでしょう。
加えて、業務効率化システムの導入で、安定した黒字経営を目指しましょう。各現場のデータをシステム上に集約することで、自動計算できるだけでなく、企業全体の財務状況を把握しやすくなります。
下記では、AnyONEを含む、各社の業務効率化システムを機能比較しています。財務改善に役立つシステムを選ぶ際に、参考としてはいかがでしょうか。
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