工務店の施工管理とは?仕事内容や将来性、採用のポイント

工務店の施工管理とは?仕事内容や将来性、採用のポイント

工務店の施工管理では、建築物が完成するまでの管理を担当します。施工管理の仕事は「きつい」「やめとけ」といわれることもしばしば。ただ、本当に厳しい仕事でしょうか?

今回は、施工管理の仕事内容や将来性、採用のポイントについて解説します。

工務店における施工管理の仕事とは

施工管理は、建築物が完成するまでの管理を担当します。
主な業務は以下の通りです。

・工程管理
工程管理は、人員配置や資機材の手配、スケジュール調整などをおこないます。工期に間に合わせるためには、トラブルへの迅速な対応が欠かせません。

・安全管理
安全管理は、現場でのケガ・事故を防ぐために、設備や環境を整えることです。手すりや消化設備を設置したり、作業員への注意喚起をおこないます。

・品質管理
品質管理は、施主から発注された設計図や仕様書にしたがって、工事を進められているかを管理します。作業員のモチベーション低下や業務集中により、ずさんな施工とならないよう注意しなければなりません。

・原価管理
原価管理は、人材・資機材などの工事で発生する原価を管理して、利益を出すことが目的です。工事の変更や天候不良により、原価が計画より多くかかってしまうと赤字になってしまうかもしれません。黒字まで調整することが重要です。

多岐にわたる業務を管理して、スケジュール通り・予算通り・設計図通りに建築物を完成させることが施工管理の役割です。

施工管理はなぜきつい?「やめとけ」と言われる理由

工務店の施工管理は、「手がけた建築物が地図に乗る」やりがいのある仕事です。しかしながら、「きつい」「やめとけ」という声も一部ではあります。

なぜそう言われるのか、代表的な理由を5つ解説します。

長時間労働の常態化

これまで建築業界は「長時間労働が当たり前」の環境でした。しかし、政府が「働き方改革」を進めたことで、年々、労働時間は減りつつあります。それでも他の業界に比べると労働時間は長く、カレンダー通りに休みを取れないため、今後も対策が必要となるでしょう。

ケガ・事故の危険性

工事現場は、ケガ・事故のリスクと常に隣りあわせです。安全対策を講じていても、うっかりケガ・事故が起こるかもしれません。万が一、自身がケガ・事故に遭うと、働き続けることが難しくなってしまうでしょう。

割に合わない給料

ハードな仕事である一方で、それに見合った給料が支払われているとはいえません。サービス残業を含めると、割安な賃金で働いている計算となるでしょう。能力を適切に評価する「建設キャリアアップシステム」などの採用が求められます。

育成環境の不足

建築業界では、55歳以上の高齢人材がおよそ3割います。今後、彼らが定年・引退を迎えると、ベテラン層が一気に抜けることとなるでしょう。
しかしながら、次世代の育成は十分におこなわれていません。現状の業務に忙しく、若い人材を育てられていないことも問題です。

慢性的な人手不足

特に若年層は、建築業界に対して「3K(きつい・きたない・危険)」イメージを抱きがちです。「激務そうで働きたくない……」という理由で避けやすく、常に人材が足りていません。

女性に適さない慣習

これまで建築業界の就業者のほとんどは男性でした。「力仕事が多い」「体力が要る」などの理由で女性は少なかったですが、近年では女性の就業者も増えつつあります。
ただ、これまでの慣習で「現場に女性用更衣室・トイレがない」、「男性主体で、女性を下に見る」という課題もあり、まだまだ女性が働きにくい環境です。

施工管理の将来性とは

「きつい」「やめとけ」と言われるほど厳しい施工管理ですが、仕事の将来性は高いといえるでしょう。そもそも、社会インフラとして建築物の新築・改修・解体は発生するため、仕事に困ることはほとんどありません。また、人手不足と触れた通り、企業は常に優秀な人材を求めています。

2022年の住宅着工戸数動向

2019年の消費税増税やコロナウイルスの影響により、2020年には「住宅着工戸数」が年率80万戸近くまで落ち込んでいました。しかし、2021年時点ですでに90万戸近くまで回復。2022年は、ある程度コロナウイルスも落ち着き、景気回復が見込まれるため、緩やかに回復を続けていくと予測できます。

工務店が施工管理者を確保する方法は?

工務店が施工管理者を確保するポイントを解説します。

働き方改革の推進

2024年4月から「時間外労働の上限規制」が建築業界に適用されます。これは、月間または年間での時間外労働に上限が敷かれるもの。これを破ると企業・経営者は罰則を科されます。

こういった法改正もあるため、働き方改革を推進し、残業時間を少なくする取り組みを今からしなければなりません。「完全週休2日制」「有給の高取得率」など、福利厚生を充実させることで、求職者にアピールできるでしょう。

女性を中心とする人材確保

これまでの悪い慣習を撤廃し、女性が働きやすい環境を築きましょう。女性用更衣室・トイレなどの設備のみならず、「パワハラ・セクハラ対策」「産休・育休の導入」なども実施すると、女性が安心して働ける職場となります。

若手人材の育成

「背中を見て学べ」ではなく、人材育成に十分な時間を注ぎましょう。ビデオ通話を用いたリモート指導や、動画マニュアルの作成など、短い時間で育成する方法はあります。また、定年を迎えたベテラン層を指導役として再雇用してもいいでしょう。

最新技術の導入

最新のITツールを用いて、業務効率化を目指しましょう。これまでアナログでおこなっていた作業をデジタル化することで、大幅に業務時間を短縮できます。
例えば、帳票を紙で管理していると、ファイルに綴じたり、プリントアウトする手間が発生していましたが、電子データにすれば保管・持ち運びも簡単です。

業務時間を短くすれば、「時間外労働の上限規制への対応」、「育成時間の確保」、「3Kイメージの払拭」にもつながり、より優秀な人材が集まる職場へと変えられるでしょう。

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まとめ

工務店で施工管理者を確保するためには、「働き方改革の推進」や「女性を中心とする人材確保」、「若手人材の確保」、「最新技術の導入」などが効果的です。厳しい仕事であるため、福利厚生・待遇の良い求人には、応募が集中するでしょう。

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