工事原価管理システムとは?標準機能や導入効果、選び方

工事原価管理システムとは?標準機能や導入効果、選び方

原価管理システムとは、原価計算をもとに予実分析したり、収益性を見える化できるシステムです。工事原価システムは、赤字の防止や迅速な経営判断に役立ちます。今回は、原価管理システムの概要や種類、標準機能、導入効果、選び方について解説します。

原価管理システムとは

原価管理システムとは、原価計算にもとづく予実分析や、収益性を見える化できるシステムです。

建設業では、見積もり段階での予算と、引き渡し時の実値に差が出やすい傾向にあります。工事を進めるなかで、状況に応じて職人を追加したり、不足している資材を発注するためです。

引き渡し時には、「経費がかさんで赤字になってしまう」などのトラブルも起こり得ます。原価管理システムで、リアルタイムの情報を把握し、赤字を未然に防ぐことが大切です。

種類

原価管理システムは、主に「オンプレミス型」と「クラウド型」に分かれます。

オンプレミス型は、自社内にサーバーやソフトウェアを構え、システムを運用します。柔軟なカスタマイズが可能で、既存システムとの連携も可能です。また、セキュリティも自社内で構築するため、十分な対策を講じることができます。しかし、システム障害や災害などに遭った場合は、自社内で対応しなければなりません。あるいは、外部に委託して復旧作業をおこなう必要があるでしょう。

クラウド型では、インターネット経由でシステムを利用します。自社内でサーバーやソフトウェアを設置する必要はありません。また、インターネットを介してどこからでもシステムにアクセスできます。スマートフォンやタブレットを使って、外出先からの利用も可能です。システム障害や災害時には、サービス提供会社に対応してもらえます。同じくセキュリティもクラウドに任せることとなりますが、機密性の高いセキュリティを採用していることがほとんどです。

標準機能

原価管理システムの標準機能を解説します。

原価計算

人件費や資材費、労務費などのコストを計算します。システムに入力する項目、数値を間違わなければ、正確な計算が可能です。各工事現場や企業全体で発生している原価がわかれば、コスト削減の対策もできるでしょう。

実行予算作成

実行予算とは、着工する前に予算・期間・収益などを明らかにすることです。あくまで見込みの数値となりますが、実際に工事を進めていくなかで実際原価などと比べて赤字の早期発見にもつなげられるでしょう。

原価差異分析

原価差異分析とは、目標原価と実際原価の差異を分析し、「どの項目でいくらの差異が生じたか」を判断するものです。項目ごとに差異がわかるため、重点的に対策を講じることができます。

標準原価計算

標準原価計算とは基準となる原価を設定し、実際にかかった原価と比較分析し、対策を講じていくものです。標準原価で設定した金額を軸に、工事原価の良し悪しを判断します。

原価差異分析では「一般的な工事と比べて、良いのか悪いのか」がわかりにくく、標準原価計算を交えることでより正確な原価把握が可能です。

原価計算書、工事台帳などの出力

工事に関連する「原価計算書」「工事台帳」などの帳票をデータ・紙で出力する機能です。システムにアクセスすれば、どの端末からでも出力できます。打ち合わせ中に、急きょ追加の書類が必要になった場合も、スムーズに対応できるでしょう。

原価管理システムの導入効果

原価管理システムを導入することで、次の効果を得られます。

工事原価をリアルタイムで管理

工事を終えてから赤字を把握したり、決算書に記された原価だけを見ても、今後の対策を講じられません。できるだけリアルタイムで、詳細の原価を把握しなければ、赤字は防げないでしょう。

原価管理システムでは、原価情報を入力したタイミングで計算が可能です。リアルタイムで工事原価の変動を見ておけば、スムーズに対応できるでしょう。

迅速な経営判断

原価管理システムは、企業全体の財政把握に役立ちます。建設事業者は、工事が期をまたぎがちで、未回収金が発生することもしばしばです。資金繰りが悪化しやすく、対策として企業の財政状況を把握しておくべきでしょう。経営者が財政状況を把握していれば、迅速に意思決定できます。

人件費・人的ミスの削減

原価管理システムは、経理作業を効率化します。これまで手作業でしていた経理業務を短縮でき、コスト削減につながるでしょう。また、システムによる自動計算で人的ミスも減らせます。

シミュレーション

システムに入力した原価情報は、データとして蓄積できます。過去のデータから、「この現場ではどれくらい原価がかかり、どの程度の収益が出るか」を予測できるようになります。

また国内・世界の情勢から、経済の変化を予測して対策を練ることも重要です。最近では、コロナ禍で、木材などの高騰(ウッドショック)が世界的な問題となりました。こういった高騰あるいは急落に備えて、シミュレーションすることも可能です。

原価管理システムの選び方

主に3つの選ぶポイントを紹介します。

種類(提供形態)

先ほど触れた「オンプレミス型」と「クラウド型」、どちらを選ぶか決めましょう。昨今では、クラウド型の原価管理システムが主流となりつつあります。いつでも、どこでも利用できる原価管理システムは、より業務を効率化してくれるでしょう。

費用面で考えても、オンプレミス型はサーバーやソフトウェアを自社内に設置するため、初期費用がかかりがちです。しかし、クラウド型は自社内に設置しないため、初期費用を抑えて、スピーディに導入できます。また「まずは少人数で試してみたい」という要望にも応えやすいです。

標準機能の充実度

原価管理システムの主な機能を搭載しているか確認してください。企業全体の業務効率化を検討しているのであれば、「原価管理以外の機能を搭載しているか」もチェックポイントです。顧客管理や営業管理、工程管理、品質管理など、幅広くカバーしているシステムが便利でしょう。

現場での使い勝手

現場担当者が使いやすいかどうかは、最重要視すべきポイントです。いくら高機能のシステムを導入したとしても、現場担当者が使いにくさを感じては本末転倒。社内で定着しなければ、システム本来の効果を発揮できません。ITツールの苦手な担当者に、デモ機を使ってもらうといいでしょう。

また導入前後に、サービス提供会社からサポートを受けられるかも確認してください。操作がやや難しかったとしても、丁寧なフォローがあれば、定着につながりやすいためです。トラブルや疑問点にすぐ対応してもらえるサポート体制があることが望ましいでしょう。

まとめ

工事原価管理システムは、企業財政の健全化を図るITツールです。クラウド型を選ぶことでテレワーク環境にも対応したり、リアルタイムの原価情報を管理することもできます。
完工までのスパンが長く、資金繰り悪化のリスクがある建設事業者にとって、欠かせないシステムといえるでしょう。

以下では、各社の提供する原価管理システムを機能比較しています。自社に最適なシステムを選び、財政改善を目指してはどうでしょうか。
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