【建設業】法定福利費の算出方法とは?ざっくり費用を割り出す方法や書き方
建設現場で安全に工事を進めるために、協力会社・下請会社から徴収される「安全協力費」。
工務店においても、安全協力費を徴収することとなりますが、毎月、会社ごとに算出する作業は手間にもなります。
今回は、安全協力費の概要や課税対象の線引き、安全協力費算出に使えるツールなどについて解説します。
INDEX
「安全協力費」とは、現場で怪我や事故が起こらないよう安全に工事を行うために、元請会社の安全協力会が協力会社や下請会社から徴収する会費のことです。
会費は、「定額」あるいは「請求額の何%」といった方法で算出されます。
「安全協力会」とは、 安全に工事を行えるよう、怪我や事故の注意喚起、災害事例などの紹介、月に1度の委員会、双方の意見交換、ポスターや記念品の配布などの活動で予防策を実施するための会です。
安全協力費とは、労災保険などの保険料に変わる費用です。
建設現場では、元請会社が労災保険の保険料を支払うこととなっていますが、協力会社や下請会社は保険料を直接負担する必要はありません。
そこで、代わりに安全協力費を徴収し、保険料掛け金に充当されることが一般的です。
しかしながら、安全協力費と保険料掛け金が必ずしも合致するとは限らず、元請会社と協力会社・下請会社との力関係から、半ば強制的に安全協力費を徴収しているといったケースもあるようです。
基本的には、保険料掛け金以外に、安全活動を行うための費用に充てられることとなりますが、場合によっては懇親会費や福利厚生費などに流用されるケースもあります。
安全協力費は、主に「建設業法」と「建設業法施行令」に法的根拠を持ちます。
建設業法
(下請負人に対する特定建設業者の指導等)
第二十四条の六 発注者から直接建設工事を請け負つた特定建設業者は、当該建設工事の下請負人が、その下請負に係る建設工事の施工に関し、この法律の規定又は建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるものに違反しないよう、当該下請負人の指導に努めるものとする。
(引用:建設業法|e-GOV法令検索)建設業法施行令
(法第二十四条の六第一項 の法令の規定)
第七条の三 法第二十四条の六第一項 の政令で定める建設工事の施工又は建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定は、次に掲げるものとする。
(引用:建設業法施行令|e-GOV法令検索)
協力会社・下請会社から徴収した安全協力費は、消費税の課税対象となるか否か、どのように決まるのでしょうか。
結論から言えば、安全協力費は消費税の対象外です。
ただし、安全協力費の使途に応じ、場合によっては消費税がかかることもあります。
では、どういったケースで線引きが行われるのか説明します。
見分けるポイントは、主に次の2点です。
1、安全協力会から受けた活動の対価であることが明らかか
2、安全協力会が「消費税がかからない」と通達しているか
ポイントを以下で解説します。
<安全協力会から受けた活動の対価であることが明らかな場合:課税仕入れ>
安全協力会が協力会社・下請会社に対して行っている活動と、安全協力会費とが対価関係にある(その費用に見合った使途である)ことが明らかな場合、案協力会費は、「課税仕入れ」となります。
具体例を挙げると、以下のケースでは課税仕入れとなります。
・防災対策のセミナー講師を招いて、協力会社や下請会社の従業員に講義を受けてもらった
・事故防止のため現場での技術指導・対策に関する研修を受けてもらった
・作業員が身を守るためのヘルメットなどの防護用品を用意し、現場で使用してもらった
・安全性の高い機械装置を購入し、現場で導入してもらった
一方で、以下のケースでは課税仕入れとなることは難しくなります。
・注意喚起の文言の書かれたポスターやチラシを受け取ってもらった
・安全を祈願するためのお守りを受け取ってもらった
ポスターやチラシ、お守りなどは、安全面に対する効力を明らかに評価することは難しいでしょう。
「安全協力費と明らかな対価関係にあること」を証明できないため、課税仕入れと認められない可能性が高いです。
<安全協力会が「消費税がかからない」と通達している場合:不課税>
セミナー・研修の受講や防護用品などの配布を行っていたとしても、安全協力費の金額に見合わず、“明らかな対価”とは言い難いケースもあるでしょう。
そういった場合には、安全協力会がメールやホームページ、ハガキなどで「安全協力会費は消費税の課税対象外であること」を通達していることが判断のポイントとなります。
通達を行った上で、安全協力会と協力会社・下請会社、双方が不課税で経理処理を行うことで認められます。
どちらか一方だけが不課税として扱っていても認められないため、注意しましょう。
安全協力費の課税対象の判断だけでなく、それらを協力会社や下請会社ごとに細かく経理処理することは、骨の折れる作業でしょう。
そういった場合には、業務効率化ツール「AnyONE(エニワン)」を利用することをおすすめします。
AnyONEは、工務店に特化しており、これまでに全国2,700社以上の導入実績を誇ります。
安全協力費の経理処理にだけでなく、顧客管理や施工管理、原価管理、アフター管理など、工務店の課題を解決できるツールです。
一般的に、工務店では業者ごとに請求額から決められた料率で安全協力費を算出し、控除額を差し引いてから支払い処理を行うこととなるでしょう。
料率や条件などが業者ごとに異なるケースもあり、毎月これらの経理処理を行うことは、経理担当者の負担となります。
AnyONEでは、あらかじめ、業者ごとに控除名目や料率を設定することで、毎月の経理処理をスムーズに行うことができるようとなります。
また、控除名目と料率を設定した後は、業者から受け取った請求書を入力するだけで、自動計算で「支払い額」と「控除額」を求められます。
下記の写真のように、支払予定日から請求額、税抜支払額、安全協力費などを一覧で確認することができます。
もし数値の変更が必要になった場合は、こちらの画面から金額を修正することも可能です。
さらに、これらの情報を「控除金一覧表」として、エクセルファイルで出力することも可能です。
控除金一覧表では、工務店全体で「どの業者に、どれくらいの支払い、控除を行ったか」が明確となります。
工務店の収支状況を把握する資料の一つにもなるでしょう。
今回は、工務店業務に関わる「安全協力費」について解説しました。
その使途に応じて課税・不課税が決まるため、適切な流用を求められるでしょう。
毎月の経理を行う際は、AnyONEなどの業務効率化ツールを活用し、スムーズに処理を進めることをおすすめします。
AnyONE以外にも、各社の業務効率化ツールが存在しますが、「どれが自社に最適か」を判断することは難しいでしょう。
そこで、下記ページで各ツールの機能を比較して、まとめました。
判断材料の一つとしてチェックしてみてはいかがでしょうか。
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