月間工程表を作成するときの注意点とは?必要性や種類も解説

月間工程表を作成するときの注意点とは?必要性や種類も解説

住宅建設を手がける工務店の場合、家を建てるのに設計から着工まで平均2〜4ヶ月半、さらに着工から完工までに3〜4ヶ月かかるといわれています。完工まで長期間となるため、施主様からの要望やトラブルによって工程が変更になる可能性もゼロではありません。そのため、初月から月単位の工程表を用意する必要があります。そこで今回は、月間工程表を作成する際の注意点について解説します。「工程表の作成に手間と時間がかかる」、「工程表を作ったものの上手く運用できていない」という工務店の担当者はぜひ参考にしてみてください。

工程表の必要性

 

工程表は、工事のスケジュール管理を行うために欠かせないものです。建築物の完成までの間に、いつ、どのような工事がどのタイミングで実施されるのか、といったことを確認することができます。

また、工程表を活用して工程管理が適切にできていれば、業務における生産性が向上し、業務効率化も図れるため、工務店の利益に繋がりやすくなるでしょう。

工程表による工程管理を行う場合、各作業を細分化して洗い出したうえで、工事開始から完工までの時系列順に各工事を工程表に埋めていくようにすることがポイントです。

「そもそも工程表って何なの?」という疑問を持っている方や、「自社の工事に適した工程表はどの種類なのか知りたい」という方は、工程表の概要や種類、工程管理の目的などについて解説している記事を参考にしてみてください。

工程表とは?建築現場で必要な工程表の種類や工程管理の目的を解説

工程表とは?建築現場で必要な工程表の種類や工程管理の目的を解説

工程表の種類

工程表と一言でいっても、その種類は様々です。現場の状況や、何を目的として工程表を活用するのかといったことに応じて、自社に適した工程表を利用するようにしてください。ここでは、工程表の主な種類について解説します。

なお、工程表作成を行おうとしている場合は、工程表を作成する意味や具体的な作成方法などについて解説している記事をご覧ください。

工程表の書き方は?

工程表の書き方は?書く手順や各種工程表の書き方を解説

 総合(全体)工程表

総合工程表とは、工事全体の工程を管理するための工程表です。全体工程表と呼ばれることもあります。

こちらは、様々な現場で活用されている最もベーシックなタイプの工程表だといえます。各種工事や作業を総合的に記載していることが特徴で、施工の順番や、その施工をいつからいつまで行うのかという期間が表示されています。また、工程の全体が表示されることで、自社が行っている全工事の施工時期や、工事同士の関係などを把握できることも特徴です。

 細部工程表

細部工程表とは、その名の通り、工事の中でも特定の細かい工程を管理する際に使用される工程表です。重要な工程や作業がある場合、その部分だけを取り出して工程をより細かく記載するなどして管理していきます。

 月間工程表

月間工程表とは、1ヶ月間の工程が記載されている工程表のことです。作業内容に応じて、「何日に何の作業を行うのか」といったことを記載します。後述する週間工程表ほど細かく工程を記載しないため、1ヶ月というまとまった期間で何をどこまで進めるのかといった大筋を把握することができます。

 週間工程表

週間工程表は、読んで字のごとく、1週間の工程が記載されている工程表のことです。月間工程表よりも記載される期間は短いですが、そのぶん作業の具体的な内容まで記載することができるのことが特徴です。

月間工程表作成の注意点

月間工程表作成の注意点

ここでは、月間工程表を作成する際の注意点について解説します。「1ヶ月の工程を記載するだけだから簡単!」と思う人もいるかもしれませんが、ポイントを押さえていないと、使い勝手の悪いものとなってしまいます。ぜひ、ここで紹介する注意点を参考に月間工程表を作成してください。

 各工事項目を一つに統一

月間工程表を作成する際は、それぞれの工事項目を一つに統一するようにしましょう。

工事と一言で言っても、工事項目は多岐にわたるため、項目ごとに工程表を作成して管理している現場もあるのではないでしょうか。しかし、このような形で月間工程表を作成していると、工程表の数自体が多くなり、担当者の管理が面倒になるほか、工事項目間での関係性や全体の進捗状況が見えにくくなる恐れがあります。

そのため、各工事項目を統一し、全体の工程がわかる月間工程表を作成するようにしてください。その方が作業を進める際にも、管理する際にも使い勝手がいいはずです。

 PDCAを回す

工程管理は、ただ日々の作業内容を管理するという単純なものではありません。工程管理がうまくできないと工事の品質や原価、納期にも影響を及ぼす恐れがあります。そのため、工程管理を行う際には、PDCAサイクルを回すようにしましょう。

PDCAのP(Plan:計画)の段階においては、工程表の作成を行います。この時、施工法や施工手順、日程などをしっかりと確認するようにしてください。次のD(Do:実施)の段階では、工程表の内容に沿って作業を行います。現場への指示や現場監督との情報共有、必要な資材の手配なども忘れずに行うようにしましょう。そして、C(Check:検討)の段階では、工程表の内容と実際の進捗状況をすり合わせ、予定通りに工事が進んでいるかどうかを確認します。最後のA(Action:処理)では、工程表と実際の進捗状況にズレが発生している場合に、工程表の見直しや調整を行うことになります。

工事を行なっていると、天候の影響や施主様からの依頼など様々な事情から工程に遅れが生じる可能性があります。工程の遅れは現場だけでなく、売上などにも影響を及ぼす恐れがあるため、PDCAサイクルを回し、工程表と進捗状況のズレをできるだけなくすようにしましょう。

 共有しやすいツールを使用

工事を進めていく場合、トラブルや変更などによって、工程表通りに進まないことがほとんどです。そのような事態が発生した時は、できるだけ早くトラブル内容や変更内容を作業員間で共有することが大切です。そのため、情報共有の仕組みを事前に確認したり、情報共有が行いやすいツールを活用して工程表を作成したりすることが重要だといえます。
ツールと一言で言っても、その種類は様々で、一般企業向けのものから、工務店の業務に特化したものなどもあります。中には、現場写真の管理も併せて行える工程表管理ソフトもあるため、現場の情報を一括管理したい場合はそのようなソフトを導入するといいでしょう。

まとめ

今回は、工程表を作成する必要性や工程表の種類、さらには月間工程表を作成する際の注意点などについて解説しました。工程表は、スケジュール通りに工事を進めるためには欠かせないものです。特に現場においては、様々な事情によって工程に遅れが生じる可能性が常にあります。工程の遅れに対応するためにも月間工程表をはじめとした各種工程表を活用するようにしてください。また、工程表の作成、修正、共有を簡単に行うのであれば、工程管理システムの導入がおすすめです。

以下のコンテンツでは、工程表作成ができる4つのシステムの機能を比較しています。これから工程管理システムを導入しようとしている工務店の方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。

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