【建設業】法定福利費の算出方法とは?ざっくり費用を割り出す方法や書き方
工事の請負契約を結ぶ際には、工事請負契約書と、必要に応じて添付書類を用意する必要があります。契約書を扱ったことのない人だと、「工事請負契約書には何を記入すればいいのかわからない」となるケースもあるでしょう。
この記事では、工事請負契約書に関して、どういった内容を記入するのか解説します。また、工事請負契約書を作成する理由や添付書類についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
工事請負契約書の記入内容について解説する前に、そもそもなぜ工事請負契約書を作成するのか、その理由について解説します。理解が深まれば、項目の記入もスピーディにできるでしょう。
工事請負契約書を作成することで、進捗管理をおこなうことができます。「契約書と進捗管理に何の関係が?」と思うかもしれません。しかし、契約書に記載する内容は、着手日・完成日・引き渡し日など、工事のスケジュールに多く関係しています。
契約書を作成することで全体の日程も決まり、契約書の内容とすり合わせる形で進捗管理をおこなえます。
進捗管理と同じように、工事請負契約書があれば、タスク管理をおこなえます。これは、契約内容がまとまることで、工事の内容もはっきりとし、やるべきことがわかるためです。
何をするべきかわかれば、タスクを設定し、あとはそれを進めていくだけです。契約書を使って直接タスク管理をするよりも、「契約書がタスク管理の出発点になる」と考える方が理解しやすいでしょう。
ここでは、工事請負契約書を書く際の手順について解説します。工事請負契約書には、記載が義務付けられている14の項目があります。
【参考】建設業法 第19条
また、上記の14項目に加えて工事によって内容が異なる以下の8つについても記載する必要があります。それぞれについて確認していきましょう。
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工事名には、その名の通り工事の名前を記載します。例えば「キッチンリフォーム工事」といったイメージです。
工事場所は実際に工事をおこなう地番もしくは住所を記載します。地番とは、登記制度によって土地ごとに付けられる番号のことです。
工期は、いつ着手するのか、いつ完成するのかをそれぞれ記載します。また、依頼主に引き渡す時期を記載する場合は完成日から何日以内に引き渡すのかを記載してください。
その名の通り工事をしない日、工事をしない時間帯を記載します。これは、令和2年10月より施行される建設業法の改正に伴い、記載することになりました。
【参考】国土交通省-公共工事標準請負契約約款の実施について
請負代金額には、工事の価格と消費税・地方消費税などの合計金額を記載します。場合によっては、工事価格と消費税・地方消費税をそれぞれ分けて記載することもあるため、覚えておいてください。
支払い方法には、請負代金の支払い方法と時期を記載します。なお、建築業界では一般的に建物を建てている最中とその前後の合計3回のタイミングで代金を支払います。そのため、契約書にも3回のタイミングに分けて支払い方法を書くことになるかもしれません。
万が一、工事の請負契約が遵守されなかった場合に、依頼主と請負者の間を取り持つ調停人を記載します。
ただし、調停人に関しては設定しない場合は、この項目を削除してください。
その他の部分には、何通の契約書を作成するか、契約した年月日、請負者と依頼主の名前と住所などを記載します。また、請負者と依頼主の名前部分には印鑑の捺印をするようにしましょう。
ここからは、工事請負契約書に添付書類である契約約款について、その種類を解説します。約款に関しては、2020年4月1日に改正民法が施行されたことに伴い改訂がされました。そのため、契約の際に契約約款を利用する場合、民法改正に対応しているものか必ず確認するようにしてください。
公共工事標準請負契約約款は国の機関や地上公共団体といった公共発注者による工事はもちろん、電力、ガス、鉄道、電気通信といった、民間企業の工事でも使用できるように作られた約款です。公共工事標準請負契約約款は各省庁などの機関や自治体、公共法人民間企業に対して使用するように勧告されています。
民間工事に関しては、「公共工事標準請負契約約款」以外にも、「民間建設工事標準請負契約約款」を利用することができます。これは、中央建設業審議会によって制定されている契約約款です。
建築会社によっては、下請けとして工事を受注するケースもあるでしょう。そういった下請工事用には、「建設工事標準下請契約約款」と呼ばれる契約約款が用意されています。
ここまでは、工事請負契約書に添付する書類である契約約款について、その概要を解説しました。以下の記事では、契約約款についてより詳しく解説しています。同じ契約約款でも、全く同じものではありません。工事の種類によって使い分ける必要があるので、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
今回は、工事請負契約書に関して、作成する理由から記載が義務付けられている項目、さらには工事によって内容が変わる項目などについて解説しました。工事請負契約書は工事のベースになるものです。契約書の内容に応じて工事のスケジュールや工事の内容、現場作業員の具体的なタスクなどが決まってきます。また、記載するべき項目も細かく設定されているため、抜け漏れのないように注意してください。
工事請負契約書には、無料配布されているテンプレートもあります。契約書作成の業務を効率化するなら、テンプレートの利用も一つの手です。
なお、以下の『他社システムの機能比較』では、工務店での業務を効率化するシステムついて、機能を比較しながら各システムの特徴を解説しています。工事請負契約書を簡単に作成できるシステムもあるため、ぜひ参考にしてみてください。
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